朝から雨が降る。
冷たい雨が本降りだ。
午前中は溜まっていた日記をいっきにアップしてしまおう。
気分転換にブログのデザインを変えてみた。
誰かがつくってくれた JOUNAL というテーマのデザインをインストールして変更する。
シンプルで、写真が大きく表示される。
こんなこと当たり前にできてしまうけど、一昔前なら奇跡みたいなこと、凄い時代だ。
雨の日はなぜか神戸へ行く。
映画を観ようと決めていた。
「由宇子の天秤」か今泉力哉監督の「かそけきサンカヨウ」か。
同じリーブル神戸で、同じ3時台で上映回がある。
先にめんどくさそうな方を観ておこう(笑)と、「由宇子の天秤」にする。
話題になっている作品だが、ちょっと自分にグサッと突きつけられそうでビビっていた。
今回も背中を押されたのは「特別な一日」のレビューだった。
由宇子を演じる瀧内公美は熱演です。やや男前に過ぎるし、市井の人にしては顔が綺麗すぎるとは思いましたが、意志の強い人間が迷いで揺れ動くところは見ものです。
それ以上に父親を演じる光石研、善人ならではの不穏な感じが凄く良かったです。実に良い表情をしていました。(特別な一日)
光石研もいい役者でこの役柄は見てみたいと思ったのと、何より瀧内公美のファンな
で、やや男前に過ぎるし、市井の人にしては顔が綺麗すぎるとは思いましたが、意志
の強い人間が迷いで揺れ動くところは見ものです。
今回、瀧内公美はずっと出ずっぱりだという。
純粋に観たい!と思った。
彼女を見そめたのは「彼女の人生は間違いじゃない」からで、以来いろいろな役柄を
演じているが、あの映画の地方都市に住む女性の翳り、不幸の気配をまとった表情に惚れた。
もちろん顔が綺麗すぎるというのもありますが。(笑)
媚びてない美人も媚びた美人も演じ分かられるみたいだ。
「火口のふたり」の瀧内公美が主演を務め、「かぞくへ」の春本雄二郎監督が情報化社会の抱える問題や矛盾を真正面からあぶり出していくドラマ。3年前に起きた女子高生いじめ自殺事件の真相を追う由宇子は、ドキュメンタリーディレクターとして、世に問うべき問題に光を当てることに信念を持ち、製作サイドと衝突することもいとわずに活動をしている。その一方で、父が経営する学習塾を手伝い、父親の政志と二人三脚で幸せに生きてきた。しかし、政志の思いもかけない行動により、由宇子は信念を揺るがす究極の選択を迫られる。主人公・由宇子役を瀧内、父・政志役を光石研が演じるほか、梅田誠弘、河合優実らが脇を固める。2021年・第71回ベルリン国際映画祭パノラマ部門出品。2020年製作/152分/G/日本 配給:ビターズ・エンド
見終える。
すっきりはしないが見るべき映画でした。
2時間半、緊張したまま退屈はしなかった。
見るのに体力、というかメンタルなパワーは必要ですね。
考えさせられたくないとき、感動したくないときに観る娯楽作では決してない。
ドキュメンタリーディレクターが塾の講師をしているという設定はありそう。
実際にそんな人がいた、いるんだろうなと。
でも、由宇子は尊敬する。
何よりも正義感があり、ものごとに真摯に向き合って、打算がなく、粘りもある。
かといって分からず屋でもなく、泥沼にはまれば自分なりの解決策を考える。
由宇子、めっちゃいい奴やん。
と思いながら見ていた。
こんなインタビュー記事があった。
春本監督が映画、ドラマの現場で10年以上、助監督をした経験から「商業主義の中ではベストセラーや漫画、アイドルでないと企画が成立せず、忖度(そんたく)した脚本しか書けない。自分が監督する時は、その体制ではできない」と一念発起。自身で資金を集めて製作にこぎつけた意欲作だ。
「真実を伝えることが正義だと思っていたものに矛盾や葛藤(かっとう)が降りかかるけれど、出会った人は皆心を開いてくれる。イヤな部分もあるが、誠実さとのバランスに気を付けて演じた」と説明。
確かに、彼女の取材対象はいつのまにか彼女に対して心開いていく。
取材者としての資質だろうけど、そのあたりリアルに表現されていたと思う。
ドキュメンタリーの取材は労多くしての典型だと思う。
この話は微笑ましくて笑った。
河合(優美)はキーとなる女子高生を演じた十代の女優さん。
ベテランの光石も、「モチベーションは監督の熱量。身を削るように作っていたので、こちらも応えなければという思いでいた」と同調。
瀧内が、「光石さんが『お金はあるから、ご飯を食べなさい』と何度もごちそうしてくれた」、河合も「お金はあると言っていましたね」と追随し、光石を慌てさせる一幕も。
見終えて外に出ると雨は小止みになっていた。
第一希望が南京町の餃子苑、次がグリル一平と決めていたが両方とも休み。
餃子苑は閉めてしまったのか、店そのものが消えていた。(ような)
いろいろ迷って焼鳥「ひなた」のカウンター。
レモンチューハイを飲みながらちょっと後悔する。
メルカリで買った鈴木忠平「嫌われた監督」が届いていた。
冒頭、使いっ走りの記者が落合邸を訪ねていくところ。
「我がボスは当時監督だった星野仙一のことは「仙さん」と呼んだが、落合のことは投げやりに「オチアイ」と呼んだ。どうやら落合のことが好きではないらしい、ということだけは伝わってきた。
冒頭近くのこの一節だけでゾクゾクっとする。