ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2021/10/25 Mon. 旅するベースに基礎体力ありき

食卓でヒロと何度か話すことがあった。

「若いときにいっぱい旅行しておいてよかったね」

どちらともなく自分たちに言い聞かせるように言う。

結婚したのが不惑を過ぎたころだったので、もう決して若くはなかったけど、

つまりは  元気に動けるときに…、という意味、独身時代も含めての話。

「退職したら好きなだけ旅行できるし、というのは違うよね。」

時間と資金に余裕ができたら旅に出よう という人たちもいるのはわかってるけど、

あれは違うよね、とそれぞれの意見の一致を確かめ合う。

 

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旅を愉しむことの最低条件は基礎体力だと今さらながら気づいた。

最近は年に何度も痛いほど感じている。

旅の朝、起きて身体のどこも不調がないということ。

旅先の異国の食べものを食べ続けてもすぐに腹が減ること。

あしたもあさっても目的もなく路地裏を歩き回れること。

長距離列車やバスに揺られても、一晩休めば、次の町へ動こうと思えること。

多少の変調にも、それはそれ、と深刻にならないこと。

望めば数日、安宿のベッドで眠り続けられること。

それが旅だとすれば…いつのまにか、そういう日々からは遠いところにいる。

今は違う。

隙あらば、全身がぐったり疲れ、胃腸がしくしく痛み始め、気力が奪われる。

家に帰りたいと思い始める。

いや、そもそも心配が先だって出る前に旅に出るのをやめてしまうことが何度もある。

「退職したら好きなだけ旅行できるし、という慰めと励ましの言葉は嘘だよね。」

僕ら夫婦に子育てという大仕事がなかったことが大きいかも。

金をかけて(お金はないけど)、身体に負担をかけずに旅をしろということかも

しれないけど、それって 心から味わえない というか 楽しくないね、と意見が一致する。

もちろん二人で旅するときは独身時代のような旅が出来るわけではない。

単に贅沢な旅は自分たちに会わない、単に落ち着かないだけで否定はしない。

特にヒロは拒否反応が大きい。

主婦なのでお得な旅には惹かれる。

 

待てよ、と書いていて思った。

この話、独り身のバックパッカー的な旅と、夫婦の〇泊〇日の旅の話と混同してるな。

いまは〇泊〇日のレジャーとしての旅ということで話を進めよう。

とにかく、トシをとってからがんがん旅行しよう なんて思ってたのは甘い考えだと気づづいた。

旅行する主体である自分がポンコツになるってことに気がつかなかった。(笑)

これからはだましだまし、体調のいいときに勇気を持って旅立とう。

 

ふと考えた。

40代後半や50代前半はそれでも旅らしい旅をしてたなあ。

48歳のとき、レンタカーを借りて一週間アメリカのニューイングランドを巡った。

2005年の秋だった。

異国でレンタカー、宿もすべて飛び込み。

(事前に予約するなんて思いもしなかった)

若いなあって自分に驚いてしまう。

50歳のとき、ウエールズとフィンランドを旅した。

レンタカーには乗らなかったけど、毎朝ジョギングした。

ああ、でもこの旅あたりから体調が気になったりしてたわ。

若い頃にシンガポールやボルネオでひどい下痢しても深刻には思わなかったなあ。

要は気の持ちようなのかも。

そう考えると異国は無理でも六十五歳、ちょっと冒険してみよかと思い始める。

胃痛もだましだまし押さえ込んでるので今はそう思える。

こんなに天気がいい朝には。