冥土旅#3
関西に住んでいて関西圏内の名所 有名どころに行かずに死ぬのはもったいない。
そう思うような年齢になった。
前に池田高校の蔦監督とドイツのノイシュバンシュタイン城へ行ったとき、
「冥土の土産じゃ」と何度も言った。
最近、折に触れその言葉がなぜか吹雪のノイズつきで再生される。
(1984年の年末、ノイシュバンシュタインは大雪でした)
「冥土の土産」シリーズ、先ずは石切さん。
旅のおともは同年輩のセルジオ氏である。
阪神電車で九条へ、地下鉄中央線に乗り換えて新石切、午前9時過ぎに到着。
石切劔箭神社へ詣でて、チビ太のおでんを食べて、坂道に並ぶレトロな商店街を歩き、
おはぎとよもぎのおはぎを買う。
日本で3番目に大きい大仏を眺め、近鉄の石切駅までの石切さん散歩です。
生駒山の中腹、いつのまにか視界に大阪平野が広がる。
近鉄で2駅、どうせなら「冥土の土産」をもうひとつ。
枚岡神社へ行ってみよう。
改札口を抜けたらいきなり鳥居でした。
アクセス抜群。
枚岡神社は奈良の春日大社とゆかりの深い神社であるらしい。
境内にもどこか神聖な空気が漂う。
伊勢や出雲のミニ版という風情、春日大社は大人になって行った記憶がないので…。(笑)
お参りして、梅林に寄り、枚岡駅に戻る。
枚岡から瓢箪山(けっこう賑やかな駅前)、東花園(ラグビー場)、河内花園、若江岩田、
そして八戸ノ里、ここから1キロほど歩いて司馬遼太郎記念館へ行こう。
八戸ノ里駅の駅前も賑やかでした。
12時前、腹が減ったので何か食べようと物色する。
フードコートか、日和もいいので弁当を買って公園で食べようかと。
駅前にきれいなカレー屋のスタンドがあった。
北野カレーとある。
チェーン店かも?
ビーフカレーがワイコイン500円と安い。
客は誰もいない。
ここにしよう。
ビーフカレーと一番搾り生、セルジオもビーフカレーとハイボール、昼前から飲む。
お店は接客のおばちゃん(僕らより若い)とおそらく三十代の店長。
聞けば北野カレーは2019年オープンでこの八戸ノ里が一号店だとのこと。
エースというスーパーマーケットが経営母体らしい。
「北野カレー」が2019年9月20日(金)オープンしました! | 個性あふれる専門店 | 株式会社エース
「他にもお店を出したいんですけどね」と若い店長。
オープンして半年でコロナ禍ですもんね。
ビールおいしい!
出てきたビーフカレー、辛口にしたのだけど本気で辛い!
でも好きです、この辛さ。
ビーフもスライス肉がたっぷり入って旨い。
このあたりに来たらまた食べに来よう。
トマトチキンカレーのレトルトをひとつ購入。
司馬遼太郎記念館へ行く。
住宅地にある広いお屋敷、実際に司馬さんが住み、執筆をしたところ。
セルジオは何度か訪問している。
僕が司馬さんの本を初めて読んだのは小説では「関ヶ原」の上中下巻で、すでに還暦。
遅い司馬遼デビューでした。
この先の人生、まだまだ読める司馬さんの本があるということはかなりの安心材料。
すべて図書館で借りられるし、ブックオフで安価で入手できる。
玄関や庭に菜の花が咲き乱れている。
司馬さんが亡くなったのは1996年2月12日、命日は「菜の花忌」という。
菜の花が好きだったそう。
自分の命日は「アカシア忌」にしようかな。(好きなのはニセアカシアだけど)
記念館は安藤忠雄の設計、コンクリート打ちっぱなし、玄関への曲線のアプローチ、
いかにも「安藤じゃん」な建物だ。
「燃えよ剣」の土方歳三と「竜馬がゆく」の坂本竜馬が京都四条で出会っていたという趣向
「歳三と竜馬はどこですれ違ったか」と題され年表、生原稿、地図などが展示されている。
吹き抜けの壁が高々と蔵書の本棚になっている。
これは圧巻。
撮影禁止なのは残念だったけどこれは生で見る価値あり。
冥土の土産案件でした。
商店街を抜けて河内小阪駅へ。
布施へ移動する。
布施はラグビー場へ行くときに必ず通過するがおそらく下車した記憶がない。
冥土に土産じゃ、と商店街を歩き、角打ちで飲もう。
近鉄布施駅は2階と3階にホームがある。
3階が奈良線、2階が南大阪線(名古屋方面)だ。(と思う)
大きな駅だ。
駅の南へ出る。
栗饅頭で有名な「ももや」がある。
義父は何かお祝い事があるとわざわざ布施まで出かけて大きな栗饅頭を買ったそうな。
ベトナム料理屋がいくつかある。
そういえば名古屋や神戸の長田の商店街にもあった。
インド、ネパール系、タイ系についでアジア系料理屋では3番目に多いのでは?(中韓は別として)
布施の商店街はシャッターも多いが規模が大きい。
どかーんとアーケードがつながっている。
近鉄布施駅と地下鉄千日前線の新深江駅とは目と鼻の先であることを知った。
商店街でつながっているのだ。
あらかじめ調べておいた酒屋の角打ちをチェックしながら歩く。
小西酒店、岩崎酒店(立ち飲みは休業中でした)、ヒザキ酒店。
小西、ヒザキは昼過ぎだというのに結構混み合っている。
裏路地にある「月下美人」という立ち飲み屋に入る。
客は一人、カウンターには若い女性一人。
瓶ビールで乾杯。
韓国海苔、竹輪磯辺揚げ、玉ひも煮を注文、いずれも独酌用に小さいのが嬉しい。
剣菱の冷やを一杯ずつ、3杯目は焼酎の水割り。
腹が減ってきてハムエッグで焼酎を飲む。
ひとり千円ちょっと、布施価格!
勢いがついてヒザキ酒店を覗いてみた。
コーナーの二席が空いて両サイドがいない。
入ってにごり酒を注文。
ここも小西酒店も長く布施駅前でやってそうな老舗だろうな。
こういうとこで飲みながら常連客の話を聞くのは最高のつまみです。
目の前のケースに揚げものがある。
牡蠣フライ一個ずつ、コロッケを半分こする。
ええい、う巻きも出来たてだ、いっとこ。
ほろ酔い加減で店を出る。
まだ昼間のように明るい。
というかまだ3時か…。
これにて東大坂漫遊記、「冥土の土産」編の終わり。
あとは写真日記です。
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