ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2022/05/14 (土) 「奇界世界」@西宮市大谷記念美術館

コロナ禍になってからの強迫観念。

どこかへ出かける何かをやっておくモチベーション「いまのうちに」が追いかけてくる感覚。

もちろんガンガンと出かける年齢ではないし、旅に出ずっぱりの体力もない。

生き急ぐように生きているつもりはない。

正直、すぐに疲れて、続かない。

でも、皮膚感覚でプレイタイムの終わりが迫っているのも事実だし、とにかく焦りを感じる。

ここ数ヶ月は仕事がそこそこ忙しい。

忙しいことに逃げこんで、気がつけば人生終わってた なんてのも悲しい。

以前、日記に書いた。

つまりはこういうことだ。

「行けるうちに行こう」「出来るうちにやっておこう」

数日前のぷよねこ日記にも書いたが、これが僕らの世代への檄文であり、同時に呪いでもある。

この呪文の先には、いつか終わる、いつか出来なくなる、がある。

それは単なる予測ではなく決定事項で、僕らはそのときを待っている。

まだ行ったことのない場所へ行けるだろうか?

いつまで山歩きをしたり、気持ちいい朝ジョグを続けられるだろうか?

その能力がじわじわと減衰していくのを実感する六十代です。

今が一番若い。

 

五月、いい季節。

丹波の山にはクリンソウが満開みたいだ。

誰かが鈴鹿の霊仙山で撮ったヤマシャクヤクの写真をアップしている。

去年も、一昨年も、「来年は必ず行こうね」と言ってた。

仕事をしてる場合じゃないのだ。

昔、5月は全休にして野山を歩きたいと書いたことがある。

力不足と経済的な理由でこの歳になっても仕事している。

きょうも午前中はちょっと在宅仕事をした。

あっという間に昼ごはんになってしまった。

天気もいまいちスッキリしない。

午後からひとりで近所の美術館へ行った。

「どこかへ出かけて、何か面白い景色を見たい」

そんな願望が少しだけ満たされた気がした。

 

佐藤健寿展「奇界世界」@西宮市大谷記念美術館

行ってみようと思った理由に、西宮市在住の65歳以上は500円(通常1200円)があった。

運転免許証を見せると「500円です」と言われた。

高齢者の若葉マークです。

いつ以来の大谷記念美術館だろう?一昨年の「メスキータ展」以来か。

土曜日だからだろうか、この佐藤某って人が人気があるのか、そこそこ混んでいた。

若いカップルが多い。

この佐藤健寿(さとうけんじ)という人は調べたら「クレージージャーニー」の常連だそうな。

なるほどね。

武蔵美出身だけど、関西人。

なるほどね。

一見、奇天烈な画だけど、展示されている写真はCGでも合成でも加工でもない。

奇景というか、佐藤氏はこれを「奇界」と名づけた。

けっこう楽しめたので珍しく図録を買ってしまった。

背表紙のない構造でページを開くと干渉がなく真っ平らになる。

 

*キャプションは追記します。

奇天烈なポスタービジュアルです。

はじめてのシニア500円 チケットの写真はどこだろう?

な、なんと西宮市内の太陽光発電所だ。Googleアースでチェックした。

左が図録(3300円)、佐藤氏とコラボしている諸星大二郞のコミックはヒロの愛読書

ポスターにあったこれは合成だと思ったが、実在するベトナムのテーマパーク

これもCGではなく実写 中国のマトリョーシカホテル。

いちばん魅せられたんは廃墟の写真、これは中国の島 かつての漁村。

第二次大戦時のイギリスの海上要塞 スターウォーズみたいだ。

これは身近な廃墟 摩耶観光ホテル「廃墟の女王」と呼ばれているらしい。

5年前に僕がロープウェイから撮ったマヤカン

ホラー映画としか思えない。*この写真はネットから拝借 展覧会とは関係ないです。

外から見たことはあるが中は立ち入り禁止

このサイトで360度映像が見られる。

なかなか鮮明で面白い。

旧摩耶観光ホテル活用実証実験プロジェクト | 摩耶観光ホテル

 

500円分十分に満足して美術館を出る。

「奇界世界」展を見終わって帰り道に撮った一枚、これも外国人が見たら…奇界?

 

夕餉は高山なおみさんの本にあったレシピでニラたっぷりのチヂミです。

僕のリクエストのチヂミ、微アルの缶ビールと。