先週と同じく土曜日は大阪マラソン市民ランナーロケのお手伝い。
場所も先週と同じく大和川河川敷、先週は近鉄沿線だったが今日は南海本線沿線。
七道という駅で下りて、駅前の巨大モール イオンモール堺鉄砲町 で待ち合わせ。
クラッチ(松葉杖)でフルマラソン完走に挑むランナーの撮影。
この人はクラッチで登る日本百名山完登も目指していて、10年ほど前に取材したいと
思っていたが、当時は千葉在住だったので諦めたのだったが地元大阪に戻ってきた。
ダーヤマの補助で撮影を終える。
インタビューの質問が難解すぎて答えられないだろ、とイラつきながら撮影する。
まあ、抑えて抑えて…(笑)
効果的なアシストをこころがける。
昼過ぎに終わる。
取材対象のランナーも「中止じゃないですかね」と言う。
強行しても、中止になってもいいように準備はしてますけどね、とのこと。
モチベーションの維持も大変だよ。
大阪国際女子は市街地コースで開催されるけど、参加数は有資格者の4000人くらい。
大阪マラソンは2万人超だ。
今日、他の取材対象者がひとり陽性になってロケが中止になった。
どうなるのかわからないがこっちは開催前提で動かないといけない。
滅多に来ない堺へ来たので市街地へ行ってみよう。
七道駅から南海本線で一旦 岸里玉出駅まで戻り、南海高野線に乗り換えて堺東へ。
普通しか止まらない駅なので接続が悪かった。
堺東へ行くのなら堺駅まで行って2キロほど歩けばよかったかなと後悔する。
堺駅ではなく堺東へ来たのは吞み屋は堺東の駅前に集まっていると聞いたからだ。
酒飲みブログやスズキナオ氏の記事を読んで、堺なんてめちゃ近いのに全然知らない。
一度、(死ぬまでに)行ってみたい。
いくつになっても知らない街を歩くのはささやかだけど確かなシアワセの時間。
堺市堺区―気ままな「ガシ」の空気を感じて飲む酒|関西酒場のろのろ日記|スズキナオ|cakes(ケイクス)
ガシ呑み 千円で十分満足できる立ち飲み。竹富 堺東 : ちびっこ酒場放浪記@関西
「ガシ」って何だ?
この近くに魚河岸があるのかな? 堺に漁港のイメージはない。
魚河岸の「ガシ」ではなかった。
サカイヒガシを略して「ガシ」なのでした。
スズキナオさんの記事で堺が地元の友人が子どもの頃「ガシは恐いとこだった」とある。
銀座通りのアーケードから路地へ曲がると入りくんだ路地が続く。
そこにこってりした居酒屋や立ち吞み酒場が点在している。
アーケードの雰囲気や商店の昭和感(くだびれ具合)は東大阪の布施の商店街に似ている。
あちこち歩き回って店を覗く。
午後1時半、すでに満員の店も何軒かあった。
ガシ、侮りがたし。
ブログ記事にある「溝端酒店」が見つかった。
3時開店なのでシャッターが閉まっていた。
酒屋なのに…。
入りたいところは満員か、開店前なので諦めようかと思った矢先、
ここは良さげだ、と思える居酒屋を見つけた。
「竹富」とある。
右隣はフランチャイズのカフェ、左は定食屋のチェーン店。
自販機に挟まれて引き戸があるが、中が見えないのが不安。
こういうときスマホは便利。
竹富 堺東 で検索すると…あった。
たけとみ ではなく、ちくふ と読むらしい。
立ち吞み、安い、天ぷら100円、など店内の写真も出てくる。
よし、入ろう。
店内は薄暗かった。
ビニールシートで仕切られている。
年季の入ったカウンターには先客3人、広いスペースが空いていた。
熱燗を注文する。
他の客はかなりの年配と見た。
隣のじいさまはおそらく80代だろうか。
粕汁と熱燗の空き瓶が2本。
ひとり静かに店に溶け込んで吞んでいる。
どて焼きで熱燗を飲む。
目の前に魚肉ソーセージとゆで卵とふかして塩がかかったジャガイモが無造作に置いてある。
こういうの嫌いじゃない。
隣の爺さまが粕汁で熱燗3本飲んだあと、僕に「お先に失礼します」と言って店を出た。
暴走老人もたまにいるが、高齢者はたいてい控えめで弱い存在でもある。
目の前の冷蔵庫ににごり酒の一升瓶を見つけた。
天ぷら2種とにごり酒を注文する。
七十代くらいの店主が「これ五郎八だけどいい?」と言う。
「目の前にあったんで吞みたくなって」
「これ一人2杯までやねん」
「え、強いんですか?」
「これ21度あんねん。焼酎ストレートで吞むのと変わらんので」
五郎八って酒は知っていたけど、そんなに度数高かったのか。
*調べたら正確には日本酒ではなくリキュール類のようだ。
そんな度数だと思えないほど口当たりがいい。
「あ、これ確かに吞みやすくて、そんな度数に思えないわ」
「そやろ、だから危ないねん」
手揚げたての天ぷらが出る。
いかとアスパラ、塩で食べる。(各100円)
揚げたては旨い。
常連客らしく男女の二人連れが入ってくる。
「まいど」と店主。
パチンコや競馬の話。
店主がスマホで投票している。
どローカルなお店だけど、空いていて、よそ者のひとり客でも落ち着いて飲める。
1200円払って店を出る。
駅前に天下一品があった。
ときどき無性に食べたくなる。
年一ペースで食べると旨い。
こってりを食べた。
そのまま帰ってもよかったが、せっかく堺へ来たのでお土産を買おう。
前に義姉からもらった堺の甘味を思い出した。
確かその老舗和菓子屋の娘さんと義姉が関学で同級生だったはず。
Googleマップで調べて店まで歩く。
途中、フェニックス通りという広々とした通りを渡る。
なぜ商業都市だった堺にこんなに広い道路があるのだろう?
堺は堀で囲まれた環濠都市だったが、その堀のあとではないみたい。
空襲で焼けて再整備された?
お目当ての店「かん袋」に到着。
土産だけ買おうと思っていたがトイレに行きたい。
店で抹茶とくるみ餅を食べることにした。
かん袋はこういうお店です。 かん袋の由来
安土桃山時代を起源とする和菓子屋、名物のくるみ餅は餅を秘伝の餡でくるむことが由来。
ヒロへの土産にくるみ餅を二人前買う。
最寄りの駅は路面を走る阪堺電車の「寺地町」という駅。
これで天王寺か新今宮まで帰ろうと思ったが時間がかかる。
堺駅まで1.5キロほどなので歩くことにする。
和菓子屋が目立つ。
古い船具屋があるのは堺らしい。
堺の市街には目立った観光スポットがない。
そういえば堺出身の人も、堺出身でござる! という主張がない。
堺出身なのに大阪市出身のような感じ。
どうしてだろう?
城がないから?
商人や職人の町だから?
ブラタモリのお題じゃないけど、なぜ堺はアピールが少ないのか? 探ってみたい。
自慢すべきことはいくつもありそうなのに。
堺駅に行って海側に出ると既視感があった。
そうそう堺のJグリーンへ行ったとき、ここからバスに乗ったのだ。
堺は自転車の町でもある。
次に来るときはレンタサイクルで回ろう。
観光案内所でパンフレットをもらう。
小西行長屋敷家跡というのがある。
そうか、去年読んだ遠藤周作の「宿敵」の主人公行長も元は堺商人の息子だった。
午前中に電アシ自転車で古墳や博物館を回り、午後遅くにA部氏と待ち合わせてガシ吞みしよう。
それまで健康に!
*以下、写真日記でご覧下さい。