ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2022/12/29 (木) バスにのって吞みにいく。

市バスに乗るのは2017年5月以来、あのときは九条を往復した。

バスにのって吞みにいく。

食べたもの、飲んだものばっかりアップしていたので今日は料理写真はなし。

あしたまとめてドカンとお目にかけよう。

大阪駅前のバスロータリーから大阪市バスの住吉車庫行に乗る。

市バスは5年前に民営化され、今は大阪シティバスと呼ぶらしい。

バスはほどほどに空いていた。

大阪シティビュー、観光客気分で車窓を眺める。

大江橋、淀屋橋、日本銀行、大阪市役所、御堂筋、中之島、大阪城、難波宮跡…。

ほどなく上本町一丁目の停留所へ着く。

ここらは空堀通りを西へ歩く。

 

住吉車庫行に乗る。全路線210円均一らしい。

13時28分発 大阪駅から乗ったのはこれくらい。

大阪キタの表玄関 右が阪神百貨店、左が阪急百貨店

大阪市役所前で撮影会?

淀屋橋から中之島を観る。

土佐堀通りを東へ行く。中之島の先端あたり。

吞もうとする店のある空堀までバスで行けるよと教えてくれたのはセルジオだった。

乗り換えや地下街の移動の面倒な地下鉄ではなくバスで一本というのが気に入った。

バスで思い出したのは田中小実昌さんのこの本だった。

読んだことはなかったがなぜか憶えていた。

小実昌さんがバスに乗っている写真と裏表紙にあった紹介文が印象に残っていた。

バスにのって

バスにのって

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老人。でもバスがあるし、パスだってある(使ってないけどさ)。歳をとることはいろんなしがらみやわずらいを忘れて自由になること(身体は不自由になるけどさ)。バス、本、映画、飲酒、居候、旅…いよいよ極まるコミさんの脱力弛緩ライフのすすめ。

初版が1999年、この本を書店で見たのは僕が40代になったころだった。

小実昌さんみたいな老境もいいものだなと思い始めた年頃だったのかもしれない。

老人。でもバスがある。

これが響いた。

 

アーケードのない空堀通りを歩く。

店まで行く途中、畳屋が2軒あった。

今も現役の小さな畳屋だった。

東西に走るこの通りの両側、つまり南北とは高低差がある。

空堀通りは土塁のように盛り上がっている。

いや両サイドが空堀なのか?

どちらにしろ17世紀、大阪城をめぐる戦のときに豊臣方が築いたものだろう。       

 

空堀通りにあった味のある看板 すでに食堂は滅びている

南側は一段と低くなっている。赤煉瓦の階段がいい。

カメラを向けると訝しげに見つめられた。怪しいモノではないです。

 

空堀(谷6)で吞む。

29年目のマッカラン友の会、去年は3人だったが今年はとうとう2人になってしまった。

当初は温泉銭湯につかって一年の疲れをとったあとに吞みに行く、というプランだったが、

季節は冬、湯冷めが恐いと銭湯は回避する。

若い頃は湯冷めなんて全く気にしなかったが、今は揺さぶりに弱いことを自覚している。

楽しい年末年始に寝こんだりするのは避けたい。

 

以下は吞んだ3軒

 

 

一軒目 スタンド そのだ 

大衆食堂スタンド そのだ - 谷町六丁目/居酒屋 | 食べログ

14時〜 瓶ビール(サッポロ黒ラベル)2本 

    レバカツ

    ラムの串焼き

    エビカツ       

*2人分

角の食堂「そのだ」です。あくまで食堂、でも大半が昼吞み。

二軒目 マキショウ

マキショウ - 谷町六丁目/居酒屋 | 食べログ

「蔵朱」の店主が新規オープンしたお店です。

15時10分〜 竹鶴純米秘伝 きもとのどぶ (熱燗)、天穏 他

      帆立のしんじょの吸い物

      きつねラクレット

      うるめいわし

      ドライカレー(目玉焼きのせ)

 *2人分

オーナーの大西さんは滋賀の信楽出身だそう。

三軒目 立吞 めがね堂

立呑 めがね堂 - 谷町六丁目/立ち飲み居酒屋・バー | 食べログ

18時〜 レモンハイ、プレーンハイ *セルジオはハイボール2

    めがね焼

    すじこん煮

    赤ウインナー焼

 

マキショウで熱燗天国、いい気分になってドライカレーで〆とするつもりだったが、

くっきりした「立吞」の看板に惹かれる。

めがね堂という名前にも惹かれた。

セルジオが店を覗く。

「わあ、アカンわ。若い人ばっかり」

ほろ酔いでいい気分のぼくは構わず戸を開ける。

めがね状のカウンターを囲む客は確かに若い。

明らかに断トツで最年長。

こういう店で吞むのも悪くない。

最奥に陣どった僕の目線の先にカワイイ子が吞んでいた。

それだけでいい店だと思った。

カウンターのスタッフは誰も眼鏡をかけていなかった。

光輝く立吞のサイン「あかん、若い子ばっかや」とセルジオは言った。

この看板では立ち吞みってわからんよね。

マッカラン友の会ふたりぼっち忘年会終了。

バスにのって吞みに来た。

帰りは歩こう。

老人。でも歩けるし、靴もあるし。