ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2021/09/11 Sat. 雨の撤収と演出する気力と途上の人

明け方、雨になる。

夜半からフライシートに ぽっぽっと何かが当たる音がしたが…雨だったとは。

アウトドアなので雨になることもある。

少なくとも天気予報は曇りだったので雨を想定してもおかしくなかった。

能勢は山間部で、平地に降らなくとも雨になることはある。

雨の撤収。

世の中でやりたくないことのひとつ。

雨中の撤収は…北アルプス雷鳥沢以来だ。

1996年の晩秋、凍えそうな朝だった。

思い出にひたっているうちに雨があがらないかな。

あがりまへんな。

覚悟を決めて撤収の段取りを考える。

タープもないので近くの木の下にチェアや荷物を運び雨を避ける。

珈琲を淹れて考える。

煙草を一本吸って考える。

仕方ない。

濡れよう。

すでにガッツリ濡れてるけど。

救いは目的が明確な作業であること。

他人の邪魔が入らないこと。

ストレスは限りなく小さい。

不思議なことに晴れより雨の方が、自分は野外活動をしているのだ という実感がある。

自然の真っ直中にいるのだ、ある意味ナチュラリストなのだ という実感。

なーんてことを考えず、とっとと働くのだ。

汚れた食器を水場へ持って行き洗う。

焚き火台も炭で汚れている。

水場へ2往復。

雑巾代わりにしたタオルで濡れているものを拭く。

パッキングして車へ積みこむ。

車とサイトを3往復。

さて残るはテントだ。

テントの中にあるシュラフやマットや毛布を車へ運ぶ。

ペグを外し泥を拭き取る。

フライシートを外し濡れたままトートバッグに押しこむ。

テント本体を適当に折りたたむ。

トートへ押しこむ。

最後にシートを折りたたみ撤収完了。

 

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「雨やまないね」

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♪ 朝の雨が降る 古い飛行場 という歌がある。さみしい歌です。

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♪ 朝の雨が降る 森のキャンプ場 本降りです。

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とりあえずチェアやテーブルを木陰に避難させる

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クリーク(小川)脇に生えていたキノコ、秋です。

8時過ぎにキャンプ場を出る。

本道までは一車線、すれ違えないのでビビリながら走る。

能勢の山中は雨にけむっている。

しばらく南下して一庫ダムのトンネルのいくつかを越えると晴れてきた。

10時半に帰宅、荷物を下ろし、車を返す。

早朝に起きて珈琲とデニッシュを食べただけで腹が減っていた。

丸亀製麺でざるうどんと天ぷら2種の遅い朝食。

ふたたび帰宅して装備を整理する。

 

初めてのソロオートキャンプ。

コストを計算してみた。

□ 交通費 カーシェア代  8290円(ガソリン代含む)

□ 宿泊費 キャンプ場   3680円(入場料、テントサイト使用料)

□ 薪、食料品(酒類)   3000円(薪一束、ウイスキー小瓶など)

おおよそ 15000円になる。

ひとりの遊びとしては(僕の基準では)決して安くはないと思う。

車を所有している人ならその半分くらいで済むだろうけど車の維持費は別にかかる。

レンタカーをもっと安く借りて、「杜のテラス」にしたら8000円以内に出来るか。

気が向いたとき、一人になりたいとき、年イチくらいの愉しみかな。

余命を考えるとあと〇〇回のソロキャンですね。

A部氏との酒キャンプならシェア出来るのでコストは7000円くらいで済む。

季節に一度くらいはいけるだろう。

ヒロと行くのは登山ベースにするときでいい。

くつろぐのが目的のキャンプならコテージを借りればいい。

 

気温はそれほど高くないのにやけに蒸す。

備品の整理を終えてグンゼスポーツの風呂へ行く。

何日かぶりにエアコンを入れる。

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夕食はジャーマンポテトとエビマヨ 今夜も缶ビールです。

 

夜、眼鏡堂氏よりLINEが届く。

エッセイストの吉本由美さんの本を読んで、いろいろとインスピレーションを受けていると…

 

「老後の一人暮らしが薄ら寂しいものになるか、豊かな…とまではいかなくてもちょっとは面白みのあるものになるかは本人のやる気に係わってくる。ここで言うやる気とは、自分の人生をどう終わらせるかを企画し演出する気力である。」

 

エンディングを演出する気力か。

スタイリストの草分け的存在だった吉本由美さんは僕より十歳上の七十四。

眼鏡堂氏が「それぞれの年代で、必要な力が変化するんだなと気づきました」とある。

僕は僕なりにソロ活動、ソロ活したり、新しい仕事もやろうと演出しているのだなあ。

以下、しばしLINEチャットする。

 

ぷよねこ ー吉本由美さん、若い頃にクロワッサンだったかに紹介記事が載ってて、年上だけど可愛い人だなあと。学生時代に一冊なんか本を読んだような記憶があります。大橋歩さんとときどき混同しそうになりますが。
眼鏡堂 ーとっても素敵な本でした。
ぷよねこ ー焚き火(bonfire)しながら、いろんな行動やイベントや仕事を「あと何回か…」と数えるようになっちゃったなと、いつからだろうとか考えてました。終わりを意識する終わりから逆算するのは確かにいろいろと諦められて楽だなあと思うこともある。
眼鏡堂 ー 選択肢が狭まるから、楽になる by吉本由美  自分はまだ広げられる時期、まだ、風呂敷は広げておきます
ぷよねこ ー でも、人間そんなカウントダウンするようには死ねないなと思い、途上の人でいいやって思ったね。カウントダウンがうまくいってもそれほど嬉しくないなと。
テントで読んでた本もオススメです。50歳で早期退職して、53歳でただ普通に暮らすことを目的にリヨンに14日間滞在した人。最新作では「よしむら」のことを書いてるみたいです。

 

終活しておこうというのはわかるけど、おそらく経験上、いや生存中の経験上、

こんな自分が終わりだけカッコ良く終われるとは思えない、経験上はね。(笑)

途上でいいじゃないですか。

人は途上で倒れるものです。

だから、せいぜいやりたいことをやりたい順に優先してやって、途上の人で終わりましょう。

そう思ったね。