土用丑の日。
少し早いお昼ごはん、食卓に鰻の蒲焼きがのった。
ヒロは鰻が苦手なので僕だけのために毎年 鰻を買ってきてくれる。
きのうあたりは高いのでその前日くらいの安い時に買っておいたものだろう。
賢い主婦、でも鰻好きとしてはありがたい。
いつもは少し残す白ご飯を今日は完食する。
鰻も全部食べずに晩食用に3切れ残す。
きのうの帰宅路、駅まで歩きながら“自分はまだ働いている” と感慨を持ったのは何だったのか?
幸運なことなのか、僕はいまも30年前と同じような仕事をしている。
作業負荷は落ちたが、30年前もこんなふうに取材した映像を夜まで編集して帰っていったのだ。
もとより会社に所属してるわけではないのでポジションアップを望んでるわけじゃない。
かといってこの世界で何かを成し遂げてキャリアアップしたわけではない。
起業とか、協業とか、新規開拓とかは、もとより望んでもいなかった。
どちらかといえば避けて穏やかに生きてきた。
仕事内容はアップするどころか低空飛行、それでも墜落もせずに低速でちび続けている感覚。
望む以上のことを求めても詮ない。
“自分はまだ働いている” 上等じゃないですか。
いまはもう仕事のことより健康で日々を生きることを最優先に考えている。
その延長線上でワクチンも受けた。
“自分はまだ働いている”
いつか終わることを覚悟しつつ、働ける幸せを意識して生きていく。
午前中の競泳、200m個人メドレーで大橋悠依が勝つ。
400mは金だったけど200mは表彰台に上がれば上出来だと思いつつ見ていたら…。
わ、一番や! 二冠達成に思わず声を上げた。
眼鏡堂氏よりラインが届く。
「大橋、おれやっぱり大橋のこと好きやで」
すかさず返す。
「ごめんなさい!」
何のことか分からない人はこちらをご覧下さい。
きょうはポスプロ編集。
作業がほぼ終わったところで京橋をパトロールした。
5時過ぎ、立ち飲み横町はどこも盛況。
時短営業なのでピークは前倒しになっている。
京屋本店が空いていた。
半年ぶりくらいだろうか。
新しい店はいいけど何十年も前から通っている老舗酒場にアクリル板は違和感しか無い。
違和感はあるが、ぎゅうぎゅうに詰められたりしないのはコロナと関係なく嬉しい。
どの店もそうだけど半世紀以上やってきて初めての風景。
常連と大将が話している。
「きょうはアカンな 」と大将。
「大阪は来週あたりキンキュー出るやろうから、駆け込みで入ると思ったんやけどな」
「大将らはワクチン打ったん?」
「いや」
「飲食は優先的に職場で打てるんと違うん?」
「いや、あの職域接種は1000人集まらんとワクチンまわってけえへんねん。
それに場所やら医者やらも自前やねん。ちっちゃな店では出来へん。あれは大企業だけや。」
9時前に帰宅。
セブンイレブンで冷えた菊水の缶を買う。
店から出て自分のロードバイクを見て、お、いいな と思った。
このGIANTはもしかして自分の理想型かもしれない。
半年以上乗らないで駐輪場に放置していた時期もあったし、年に数度しか乗らないこともあった。
恋愛みたいだけど、一番身近にいたのに気がつかなかった。
10年ほど前に高価なロードバイクを買った。
10/6/1 VIGORE! - ぷよねこ減量日記 clasic 2009/5-2016/1
それに乗っていたとき、自分がどんな自転車が好きなのかに気がついた。
・シンプルな鉄製のフレーム(クロームモリブデン鋼)
・フレームのデザインはホリゾント
・パーツは銀(ブラックではなく)
・ステムは鶴の首みたいなスレッドステム(アヘッドタイプではなく)
・ハンドルに変速レバーのないもの
・フレームサイズは500-520が乗りやすい。
・トゥークリップはなし。
・スタンドはあっていい。
それが GIANT そのものだったことに気がつく。
そして、もうひとつ。
ルネ・エルスみたいなヴィンテージフレームはいいなと思うし憧れる。
でも価格はもちろん軽自動車並。
ということは気軽に乗れない。
日常使いしたいので、駐輪場で目立つのは避けたい。
ほどよくクタビレていること。
女性で言えば、気後れしない気疲れしない人。でも、カッコいい。
そんなことを考えながら夜風を浴びて走る。
夜の楽しみ。
3切れだけ食べずにとっておいた鰻の蒲焼きでやる。
コンビニで調達した菊水缶を冷凍庫でさらに冷やして飲む。
間違いない。