ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2021/07/18 Sun. モルダウ、タイス、そしてボレロ

午後イチで大阪のシンフォニーホールへ行く。

クラシックのコンサートは去年の芸文センターで聴いたチャイコフスキー以来か。

シンフォニーホールは2012年12月に来たことがある。

読響でシベリウスとドボルザークの新世界 と日記で知る。

2012/11/19 ルックチョコを囓る - ぷよねこ減量日記 clasic 2009/5-2016/1

 

大阪駅から地下通路で福島まで歩く。

毎日新聞本社あたりで地上に出ると猛暑の夏。

神社の参道を思わせるシンフォニーホールのアプローチを歩きながら涼をとる。

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猛暑の大阪  シンフォニーホールの前のメタセコイヤの並木が涼しい。

今回は初心者向けのファミリーコンサート、おなじみの楽曲ばかり。

指揮者は御年八十一の小林研一郎さん、コバケンと言われているらしい。

プログラムによると“炎のマエストロ”

大きなアクションとしなやかな動きはとても高齢に見えない。

トークも達者でした。

七十代でもヨレヨレの人も多いのに…人類というのはかくも個体差が大きいのだ。

ヒロが「大御所やからどこにも気をつかうことがないからストレスがないんやわ」と。

指揮棒を持っていなかったら阪神電車でよく見る尼崎あたりの普通の老人やね。

と失礼なことを思う。

でも、コンサートは楽しませてもらいました。

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シートは4500円のB席、2階の後ろから2番目でしたが見やすい席でした。

シンフォニーホールは芸文センターほど広くないのでどこでもいいな。

コバケンさんが初心者向けにオーケストラの各パートを紹介してくれたり、

有名なフレーズをパート演奏を聞かせてくれたりして楽しい音楽の授業だ。

オーケーストラは関西フィル、双眼鏡でお気に入りの奏者を見つけた。

ホルンの若い女性とビブラフォンの端正な美人さん。

コンサートは音だけでなく多面的に楽しめる。

モルダウ 主旋律で思わず落涙する。

このメロディーラインには涙腺を刺激する哀愁がある。

後半からヴァイオリンのソリスト木嶋真優が入る。

おなじみのメンデルスゾーン、続いてアンコールで「タイスの瞑想曲」

今回の僕のお目当てはこの一曲だった。

2007年の世界フィギュアで中国の金メダルペアが舞ったメディテーション。

国際映像制作のコメンタリー担当Dの仕事でリンクサイドで見たのだ。

Xue SHEN & Hongbo ZHAO - 2007 Worlds - LP - YouTube

 

この日、最高の感動はペアのフリースケーティングだった。

担当の男子SPの編集を済ませていたのでアリーナサイドへ行く。
後半、最後の演技グループ、世界のトップ5の演技を生で見る。
中国のベテランペア申雪・趙宏博 組、これがマジで鳥肌ものだった。
いやいや、マジで凄いものを見た。
二人の人間が氷の上で滑る、ターンする、ジャンプする、放り投げる、
言ってしまえばそれだけなのに、息を飲んで見つめ続けた。
ツイストリフトが高い。スロージャンプが柔らかい。
全ての動きがスーパースローの映像のよう。
4分半の間、5千人の観衆が息を止め、二度三度とため息をつく。

音楽は「タイスの瞑想曲」
おだやかで眠くなるような曲調なのに、見る者を覚醒させる。

音が消え、二人が止まった瞬間、スタンドが総立ちとなった。
その瞬間、目頭が熱くなった。
拍手は数分間 鳴りやまなかった。
キス&クライで待っていた暫定首位のドイツペアが、
金はあきらめた とばかりに立ち上がった。

申雪・趙宏博ペア、
圧巻の演技とはまさにこのこと。
200点越えにまた再び会場は拍手に包まれた。
スタッフルームに帰ってきたP.J.のお母さんが
「Chinese made me cry. (中国人に泣かされたわ)」と泣きまねをする。

いやあ、凄かったですよ。(と息も荒いぞ)
ニュースのダイジェスト映像で視聴者に伝わっただろうか。
しばらくは「タイスの瞑想曲」を聞くと反射的に鳥肌が立つだろうな。

      (2007/3/21「戦慄の世界一ペア」ぷよねこ減量日記)

 

 ラストは「ボレロ」

つい先月に東京バレエ団でベジャールの「ボレロ」を見たばかり。

今回は生オケで聴く。

始める前にコバケンさんが曲の構造を教えてくれる。

スネアは15分間、まったく同じリズムで叩き続ける。

テンポも変えず、ただ強弱のみ。

最初に旋律を奏でるのはフルート、次にクラリネット、そしてソプラノサックス。

スネアドラムが叩くリズムに15分間、身体を任せて陶酔した。

4500円、大満足のコンサートでした。

 

混雑して猛暑の日曜日の大阪に用はない。

そそくさと帰宅する。

実は朝から胃腸の具合が良くない。

ボーマンの気配をうっすらと感じる。

昨日、一昨日と現場取材と遅くまで編集して夜中に缶ビール。

これくらいの疲労でこうなるのか…。

何か美味しいものを食べるというイベントが試合本番だと仮定して、

ベストコンディションを意識しないといけない身体になってしまった。

うな重のときもしかり。

でもまあいい。

それくらいしないと得られない楽しみであれば価値も高まる。

 

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ギターを弾くときのフットレストを購入880円也

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カレイのほっぺ という一品料理 酒のつまみですね。

 

コンサートの前に兵庫県知事選の投票へ行く。

維新&自民(分裂)推薦の候補を通したくないという理由で普段は絶対に入れない

自民推薦、現職後継者の候補に投票した。

その決断も空しく、兵庫も大阪維新の領土となってしまう。

長生きしてもいいことはもうない。