この日の最初に記すべきことがある。
今シーズン絶好調の神鋼、あのダン・カーターを一目見たいと、
あえてプレス受付ではなく、チケットを買って臨んだにもかかわらず、
10番の背中を拝むことなく、メインスタンド階段下に転がり落ちた。
わずか10分ほどに2000円を費やしたのでありました。
マルチタスクは危険だということを今さら知る。
前のめりは危険だと言うことも知る。
尻もちをつくことが安全策だということも。
ただし後頭部はプロテクトせよ。
そして、認めたくはないけど、年齢を考慮した悠々とした動作をすべし。
かの開高健の著書にある。
悠々として急げ
心に刻め。
CT撮影の結果、脳には影響ないようでした。
流血、現場での応急手当、しっかりした女性の方がやわらかいタオルを供出してくれて、
しっかりと止血ができた。どなたか知りませんが感謝します。
救急車搬送、Mが付き添いしてくれる。
来週のハーフマラソンはD.N.S. だね。
左前頭部を9針縫合@東住吉森本病院
頭蓋骨骨折、一筋のひびが入っている。
入院不要との診断。
自宅安静、抜糸は一週間後。
まずは事実報告のみ。
病院から阪神梅田までタクシーに乗る。
阪神電車で西宮、痛み止めと胃薬、抗生物質を処方してもらうべく薬局へ寄る。
ちょうど17時を過ぎていて駅前ビルのEという薬局は閉まっていた。
入り口の自動ドアにおばあさんが出てきてくれた。
お願いすると、いいですよ、ちょっと時間かかりますが…とのこと。
処方箋を出して店内で待つ。
薬剤師はおじいさんだった。
たぶん八十近い。
一旦、閉店してしまったのでパソコンを立ち上げる。
ずいぶん旧式のWindowsパソコンだ。
入力に時間がかかる。
薬局を始めたころはもちろんパソコンなんて無かった。
今、内服薬の袋にもパソコンでプリントアウトしたものを使う。
待つこと20分、560円払って店を出る。
悠々として、と心に刻んだ日にふさわしい薬局だった。
これでいいのだ。
そういえば何も食べてない。
胃はグーグーと鳴いているのだけれどそれほど食欲があるわけではない。
麺類にしよう、と西宮食堂へ入る。
コロッケうどんにしよう。
ご飯は中も同じ値段と言われたけど小で。
ここの麺は多加水でもちもちして旨い。
コロッケは半分うどんに入れて、半分はだぼだぼソースでご飯のおかずにする。
ご飯は半分残してしまう。
嫁と義姉が帰宅したのは23時ちかくだった。
ケガのことは最初は気づかれず、自白した。
頭蓋骨骨折のことは伏せておいた。
ヒロの部屋に布団を敷いて寝る。