ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

夏盛り 炎天に咲く 百日紅(さるすべり)

 

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ことしも百日紅(さるすべり)の花が咲く。

用海筋の並木は500mほどずっとサルスベリが植えられていて、真夏になると鮮やかな紅の道になる。

勝手にサルスベリーロードと呼んでいる。

 

サルスベリの花を意識したのはいつ頃だろう?

子供のときも、学生の頃も、二十代の頃も、ずっと夏に咲いていたはずなのに。

木の肌がつるつるで猿も滑るという樹という認識はあったが花が咲くことは知らなかった。

というより意識の外だった。

知らないと言うことは存在しないに等しい。

若い頃は、当たり前だが、無知で愚かでした。

 

 

並木は甘いスイーツのような鮮やかな紅色、お菓子の国の舞台セットのよう。

ことしもたわわに咲き誇っている。

 

老人ホーム住まいのマサオにサルスベリの写真を送ると、こんな句で返してきた。

 

正岡子規の俳句に「酒好の昼から飲むや百日紅(サルスベリ)」というのがある。
サルスベリを見ながら、ぜひ一献!

 

酒好の 昼から飲むや 百日紅  正岡子規

 

 

調べると正岡子規はいくつも百日紅の句を詠んでいる。

 

青天に 咲きひろげゝり 百日紅
 

 
酷暑の夏、あえてハードなコンディションに咲く。
日照りで他の植物は枯れかけているのに百日紅だけはたわわに花を咲かせる。
その生命力、タフさ。
 
世の中や ひとり花咲く 百日紅
 

 
 
 
子規の弟子、高浜虚子にも百日紅の句がある。
 
炎天の 地上花ある 百日紅  高浜虚子
 

壮大な絵図が頭に浮かぶ。

 

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とにかく、この炎天下に咲き誇る姿は力強い。

負けないぞ、と思う。

谷川俊太郎が17歳で書いた詩「ネロ 愛された小さな犬へ」の書き出しをパクる。

 

百日紅 また夏が やってくる ぷよねこ (字足らず)

 

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この用海筋にも東北や九州からバスがやってくる。

また夏がやってくる。

 

[2024/7/30 記]