ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

ニセ背景にだまされるな

昨日 セルジオからLINEで一枚の写真が送られてきた。

セルジオ本人が写っている。

なんとなく見覚えがあるが問う。

「いつ? どこ?」

「1991年のベルリン」

やっぱりそうか…。

おそらく僕らが泊まったペンションの前だろう。

「撮ったのは僕?」

そうだ、という。

いい写真だ、と自画自賛。

僕は滅多に縦サイズの写真は撮らないので、この写真は珍しい。

 

1991年1月、冬のベルリン 33年前か…。

 

1991年ではなく1950年代くらいの時代感がある。

「五木寛之がシベリア経由でヨーロッパを旅した時代の写真みたいだ。」

とセルジオが返す。

 

1991年、正月早々から2週間ほどの旅だった。

シンガポール航空でスイスのチューリッヒに入り、南バイエルン、ウイーン、ブダペスト、

バンベルクを経由してベルリンに入った。

帰りは旧東ベルリンの空港からシンガポール経由で帰国した。

今と同じ仕事をしていたが、あの頃は年に何度か長い休みがとれた。

…というか、勝手に休暇をとり、それでも平気だった。

 

着ているウールのコートが時代を反映してない。

僕はこの旅でずっとダウンジャケットを着ていた。

ちょっと重いけどベルリンの街にはダウンよりウールが合う。

今風に言えばバエる。

33年前のベルリン、当時JNNで駐在カメラマンをしていたイズミ氏と現地のカフェで会った。

僕らと同い年の彼はいま、難病のALSで闘病中だというショッキングな情報を聞いた。

 

下の写真をセルジオに送った。

「ヨコもあったのか」とセルジオ。

いや、違う。

両サイドの画像は 生成AIが作ったニセの世界だ。

セルジオが「怖い」と返してきた。

 

CANVA というデザインツールで生成AIで背景が拡張された。

何となく憶えているが、ペンションの前は大きな通りで車が行き交っていた。

視界は開けていて、こんな路地ではなかった。

よく見たらニセものだとわかるが、一瞬ではだまされる。

他にも何種類か提案してくる。

 

こんな絵はがき風になったり…

緑が繁り、車が停まっていたり…

気味の悪い女が立っていたりする。

 

確かに薄気味悪い。

ちなみに大阪大学のサイトで生成AIの問題点が指摘されている。

1. 間違いを生成する

2. 根拠がわからない

3. 学習していない情報は対応できない 

4. 同じ質問でも異なる回答をする 

5. 日本語は得意ではない

6. 生成AIが生成したかわからない 

7. 倫理的問題がある

 

この「 アレキサンドラ 」というペンションはアレキサンダー広場の近くにあったはず。

Googleマップや名称検索でサーチしてみたら…

あった!

https://www.letsbookhotel.com/en/germany/berlin/hotel/hotel-pension-alexandra.aspx

僕らはこの宿をどこでどうして見つけたのか。

当時は「地球の歩き方」か、ツーリストインフォメーションで紹介してもらうか、だ。

なんだかあの頃の旅が懐かしくて仕方ない。

このニセ画像の世界に入っていきたい。