昨日 セルジオからLINEで一枚の写真が送られてきた。
セルジオ本人が写っている。
なんとなく見覚えがあるが問う。
「いつ? どこ?」
「1991年のベルリン」
やっぱりそうか…。
おそらく僕らが泊まったペンションの前だろう。
「撮ったのは僕?」
そうだ、という。
いい写真だ、と自画自賛。
僕は滅多に縦サイズの写真は撮らないので、この写真は珍しい。
1991年ではなく1950年代くらいの時代感がある。
「五木寛之がシベリア経由でヨーロッパを旅した時代の写真みたいだ。」
とセルジオが返す。
1991年、正月早々から2週間ほどの旅だった。
シンガポール航空でスイスのチューリッヒに入り、南バイエルン、ウイーン、ブダペスト、
バンベルクを経由してベルリンに入った。
帰りは旧東ベルリンの空港からシンガポール経由で帰国した。
今と同じ仕事をしていたが、あの頃は年に何度か長い休みがとれた。
…というか、勝手に休暇をとり、それでも平気だった。
着ているウールのコートが時代を反映してない。
僕はこの旅でずっとダウンジャケットを着ていた。
ちょっと重いけどベルリンの街にはダウンよりウールが合う。
今風に言えばバエる。
33年前のベルリン、当時JNNで駐在カメラマンをしていたイズミ氏と現地のカフェで会った。
僕らと同い年の彼はいま、難病のALSで闘病中だというショッキングな情報を聞いた。
下の写真をセルジオに送った。
「ヨコもあったのか」とセルジオ。
いや、違う。
両サイドの画像は 生成AIが作ったニセの世界だ。
セルジオが「怖い」と返してきた。
何となく憶えているが、ペンションの前は大きな通りで車が行き交っていた。
視界は開けていて、こんな路地ではなかった。
よく見たらニセものだとわかるが、一瞬ではだまされる。
他にも何種類か提案してくる。
確かに薄気味悪い。
ちなみに大阪大学のサイトで生成AIの問題点が指摘されている。
1. 間違いを生成する
2. 根拠がわからない
5. 日本語は得意ではない
7. 倫理的問題がある
この「 アレキサンドラ 」というペンションはアレキサンダー広場の近くにあったはず。
Googleマップや名称検索でサーチしてみたら…
あった!
https://www.letsbookhotel.com/en/germany/berlin/hotel/hotel-pension-alexandra.aspx
僕らはこの宿をどこでどうして見つけたのか。
当時は「地球の歩き方」か、ツーリストインフォメーションで紹介してもらうか、だ。
なんだかあの頃の旅が懐かしくて仕方ない。
このニセ画像の世界に入っていきたい。