ま、トシをとると毎回いろいろありますね。
東北温泉行ではKindleをなくし、いまだ出てこない。
すんなりとはいかない。
すんなりいくと逆に何か大きな不幸が来るのではないか、と不安になる。
これも老婆心?
常に最悪のケースを想定して受け入れるというカーネギー的思考か?
それにしても齢六十六、こんなふうにすり減るように衰えるのが老年期なのか。
金剛山の登山口へ行くバスを待っていた。
20分ほどあるのでヒロをバス停近くの花壇の前で待たせてキオスクへ買いものに行った。
登山中の行動食にと駄菓子を3種類買った。
戻りながらバス停の写真を撮った。
気がついたのはバスの中だった。
シートに座ったまま、買ってきた駄菓子を撮ろうとしたら…ない。
着ているウエアのポケットにもない。
ザックのサイドポッケにもない。
ザックの中をまさぐる…ない。
そういえば…と思い出す。
駄菓子を買って、ヒロに見せて、その中のミニサイズのキットカットを食べた。
すぐにバスの時間が来てバスに乗った。
そのときキットカットを食べた花壇の周りのベンチだ!(というか花壇の縁)
キットカットの袋を開けるときに無意識にカメラを坐っていた縁に置いたのだ。
登山口に着いてもういちど確認するが見つからない。
帰りにまた河内長野駅に戻る。
そのときに花壇の縁を確認してなければ交番に行こう。
ここは割切って山登りを楽しむのだ。
夕方、バスで河内長野駅へ戻る。
ここからの行動はアウトラインで。
・花壇の縁を確認する→見つからず。
・交番をGoogleマップでサーチする。
・徒歩2分で駅前交番→見つからず。
・紛失物届けを出す。
体格のいい当番の警官が対応してくれる。
名前と住所と紛失したカメラの特徴、メーカー、商品名を書く。
年齢は? と聞かれる。
これは余談だが、「66です」と答える自分が自分でないように感じてドキッとする。
「念のため、南海電鉄の駅の事務所に届いてないか確認してください」と言われる。
「紛失物が駅の事務所からまとめてここに持ちこまれるので」と。
・南海河内長野駅の事務所へ行く→見つからず。
駅事務所で対応してくれた女性スタッフに南海バスの営業所にも電話してみたら?と言われる。
・南海バスの営業所に電話する。
問い合わせるとオウム返しに「ああ、デジカメですね」と言われる。
ソニーの、色は黒、サイバーショットのWX350……あった!
営業所は長野車庫にあるそうで、バスで行くか、タクシーで行くか思案する。
バスはちょうどいい便がない。
マップで調べると1.5キロ、往復しても3キロか。
ヒロは「私も行くから歩いて行こ」と言う。
見つかった高揚感で 歩いてしまえ、とGoogleマップの示すルートで出発。
・南海バス車庫まで歩いて引き取りに行く。
交通量の多い歩道のない旧街道、しかも暗い。
こんな道でハネられたくない。
iPhoneの懐中電灯アプリで照らしながら半時間歩いた。
営業所は車庫の奥にあった。
簡単に手続きして愛機が戻って来た。
そうか…バスの中にあったのか。
ポケットからこぼれ落ちたのか?
それとも無造作に座席に置いてしまったのか?
下りるときにシートは確認しているからポケットから落ちたのか。
駅への復路も暗い同じルートをたどる。
腹が減った。
ファミリーマートであったかい中華まんを買う。
道路沿いに自販機が並ぶ酒屋の駐車場にベンチがあった。
自販機の灯りにほんのり照らされたベンチにすわる。
ピザまんとカレーまんを食べながら缶チューハイをふたりで飲む。
懐かしいような、寂しいような。
なんだか、これは、青春ドラマだな、と思う。
すっかり花壇に置き忘れたと思いこんでいた。
実際はバスの中だった。
もしかしてKindleもバスの中ではなく、その前後になくしたのではないか?
バスの前なら早朝の阪神電車、バスのあとなら伊丹空港。
もういちど確認の電話を入れてみよう。
追記:ここ最近、旅先(山登り先)で紛失したもの
・2023/2 金剛山ハイク デジタルカメラ 〇
・2023/2 東北温泉旅 amazonの電子書籍リーダーKindle ✖️
・2023/1 岸和田城&和歌山城小旅行 アンブロの手袋(グレー)の片方 ✖️
・2023/1 七兵衛山ハイク アンブロの手袋(赤)の片方 ✖️
・2021/11 岡山市内 iPhone 〇
他にもあるな。