雲ひとつない秋晴れ。
もう9月も終わりだから秋晴れと呼んでいいだろう。
でも、日射しは半端なかった。
日なたは夏日。
そんな日に朝から長居へ行く。
涼しいプレスルームに閉じこもってパソコン作業、取材はお任せ、生観戦したい種目のみスタンド。
夕方からディレクター交代、老兵は戦場を去る。
きのう書いたように弱いジャブでも連続はじわじわと効いてくる。
別件でメンタルを揺さぶらてストレス解消。
でも帰りに居酒屋で独酌、というわけにはいかない。
サイゼリヤで夕食。
罪滅ぼしにシーザーサラダを食べるが鶏肉とクルトンばかりで実質野菜は凄く少ない。
ヒロがいつも生野菜って意外と量が摂れないよと言ってるけどその通りだと思った。
もとより好きではないけど、以前に洗面器みたいなボウルでサラダを食べたけど、
あれくらい食べてようやく煮野菜や炒めた野菜と同じくらいの量だ。
帰宅後、疲れをとろうと銭湯へ行く。
先日、月見をした双葉温泉へ行く。
43号線と2号線を渡らねばならぬ。
その大動脈をタテに貫くのは171号線、車の多い国道沿いは疲れる。
メインルートを外れてみる。
えべっさん筋から2号線を渡る。
JRの高架(というか土塁)の下に赤煉瓦のトンネルがある。
あ、マンボウトンネルだ。
西宮に3箇所あるというレトロな歩行者専用トンネル。
そういえば甲子園口あたりにあるマンボウトンネルは人が立って歩けないほど狭い。
防空壕に入るみたいに(入ったことないけど)頭を下げたまま通過した記憶あり。
マンボウトンネルをくぐって銭湯へ通う。
いいじゃないですか。
銭湯通いは華やかさとは無縁でどこか寂しげな暮らしの断片でありたい。
ひそかな愉しみには寂しさがつきものだ。
通ったのは市内に3つあるマンボウトンネルの真ん中にある平松町のもの。
調べたら「細雪」に登場するらしい。
「細雪」は読んでないので知らなかった。
阪急電車の「ぷらっと阪急」というサイトにマンボウトンネル情報があった。
明治7年に国鉄が開業する際、線路の盛り土の下を用水路が流れるように作ったトンネルで、後に利便性から人が通れるような大きさに作り変えたもの。語源には、炭鉱の公道をさす「間歩」(まんぼ)や、オランダ語で短いトンネルを意味する「マンプウ」など諸説ある。西宮市内に計3箇所あり、平松町のマンボウトンネルは、谷崎潤一郎の「細雪」に登場する。
平松町のマンボウトンネルをくぐり、薄暗い住宅地を抜けると双葉温泉に到着する。
露天風呂で若者たちがダベっていた。
悪そうな奴らじゃなくて体育会系のしまった身体で、とりとめもないの普通の会話。
「キャンプ行きたな」とか、「ゼミが中止になった」だとか。
でもうるさいな。
風呂は静かに湯に浸かりたい。
一人で来ている中高年はみんなそう思ってるだろうな。
コロナ禍が過去のことになり、いつか本当に元通りになったらと想像する。
意外とコロナ自粛の “あの時代” が懐かしくなったりして。
あのころは静かでよかったなあ なんてね。(笑)
世の中はそういうものだ。
いい面と悪い面がある。表裏相反って言葉はないか。
人は自分に都合のいい “元通り” を求める。
そうだよね、ケンゾーくん。
帰りはマンボウを通らずにひとつ西側の車道をくぐる。
2号線を渡るとラーメン屋「もっこす」西宮店の前に出る。
そのまま住宅地を南下すると西宮神社のこんもりした森に突き当たる。
銭湯への行き帰りはメインを外れた妖怪の住んでそうなルートが楽しい。
帰宅してストレッチ、缶チューハイを飲む。