コロナ禍で拾いものだと思うことのひとつに県内のいいとこを発見出来たということがある。
(もともとあってそこそこ知られていたので別に発見でも何でもないのですが)
日帰りで奥播磨 砥峰高原(とのみねこうげん)を歩いた。
スコットランドやアイルランドみたいな景観(ランドスケープ)に感じ入る。
兵庫県内にこんな景色があるんですね。
ここからはオーバー55限定(R55)の話。
砥峰高原の緑の野を観て脳内にある歌謡曲が再生された。
♫ みどりの草原へ あしたこそ出かけましょう
1972年リリースで、筒美京平作曲、橋本淳作詞
いしだあゆみが歌った「さすらいの天使」という曲。
同世代の友人にLINEしたけど、知ってる人はいなかった。
極めて個人的な記憶だったのかも。
ヒット曲ではなかったのに何故か記憶に刻まれてて今でも歌える。
1970年当時は“遠くへ行きたい”とか“ディスカバージャパン”とか“アンノン族”とか、
経済的に豊かになって友だちグループや女性同士の旅行がブームだったのだろう。
その反動として“さすらう”や“彷徨う”も憧れとしてあったのだ。
感傷的な一人旅の歌も多かった。
「岬めぐり」や「北国の青い空」「北国の春」「熱き心に」…。
この「さすらいの天使」を書いた作詞家の橋本淳はさすらう詞を沢山書いている。
僕が好きなのは同じ筒美京平と組んだ「私は忘れない」(岡崎友紀)だ。
思いっきり感傷的な歌詞、郷愁あふれるメロディーがうまく絡まっている。
♫ 北国の青空にさよならを告げるのがつらいわ 抱きしめた花束が未練の気持なの
あの人の倖せを私は祈る 二度と帰らない愛をこめて
振り向いて手をふれば涙がこぼれそう
さすらうというよりセンチメンタルジャーニーですね。
砥峰高原の前に峰山高原のリアクシアの森を歩く。
リゾート施設に隣接した自然林を整備して遊歩道をつけてある散歩道。
ここは映画「ノルウェイの森」(2010年)のロケ地であるらしい。
そもそもは砥峰高原で撮影するためにロケ隊がこのリゾートに滞在した。
トラン・アン・ユン監督が周りの森の美しさに感動して急きょロケ地に決めたという。
木漏れ日がそそぐミズナラやコナラの明るく美しい森にクリンソウが咲いていた。
六甲の高山植物園で見るより風情があっていい。なんだかイキイキとしている。
やはり野に置けクリンソウ であります。
「手に取らで やはり野に置け 蓮華草」(滝野瓢水)
瓢水という俳人は偶然にもここ播磨の国の人だという。
今回の行程は以下の通り。
さくら夙川〜姫路〜香呂駅 (タイムズカーシェア)〜 昼食@そば処ばくの家〜峰山高原
リラクシアの森を歩く〜砥峰高原 展望台で珈琲ブレイク〜香呂駅(車を返却)〜姫路〜さくら夙川
反省点をいくつか記しておく。
ひとつはカーシェア、香呂駅で借りたのはスズキのスイフトだった。
このステーションにはもう一台あってトヨタのヴィッツだった。
山道を行くので小さい方がいいだろうと(実際はほぼ同じだったが)スズキにした。
これがツードアで荷物の出し入れが面倒。
ホームページで車種の情報をチェックしとくべきだった。
加えてこのスズキのガソリン残量が半分以下だった。
これもチェック出来た情報。
おかげで峰山高原までの登りでガソリン残量が心許なくなる。
目盛りでEMPTY2目盛り手前になる。
おそらく20キロ以上は走れるが田舎なので不安になった。
途中からエアコンも切って窓を開けて走る。
いい季節でよかった。
(播但線長谷駅近くにあったエネオスで給油)
もうひとつは天候。
ずっと青い夏空で、少し汗ばむほどだった。
緑の草原 砥峰高原に到着したが通過、先に峰山高原のリラクシアの森へ行った。
今日のメインディッシュは砥峰高原で、少し日が傾いた方が光線が美しいだろうと判断。
リラクシアの森を小一時間ほど歩いて再び砥峰高原へ戻ったら…曇天になってしまった。
メインディッシュをあとにしようととって置いたら冷めてしまった的な…。(笑)
青空と緑、草原の輝きのベストタイミングを逸した。
美味しいものはベストのときにいただきましょう、という教訓。
以前にも同様の後悔があったように記憶するが…身についていない。
それともうひとつのプチ反省点。
お昼の蕎麦が期待外れだったこと。
雰囲気も、周りの環境も素晴らかったが、蕎麦つゆが美味しくなかった。
せっかくの蕎麦が…残念でした。
これは避けがたかったかな。
地元では人気店なのだろうけど、お店との相性が悪かったと思うしかない。
以下、キャプション日記で。