ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2020/08/24 Mon. さみしき都に歩みいりにき

何のきっかけで古い日記を開いたのか…。

そうだ、「ヘルボーイ」というギエルモ・デルトロの映画をNetflixで見つけて、

この映画観たことあるぞ と思いだし、いつだっけ、どこで観たっけ、となったのだ。

2009年2月11日、今はなき天六のホクテン座だった。

 

天六の場末の劇場『ホクテンザ』で映画を一本。
ギエルモ・デルトロ監督『ヘル・ボーイ ゴールデンアーミー』
客は5人から6人か。
アメコミの実写(CG)版、地獄生まれの悪魔である主人公のヘルボーイのアクション活劇。
怪物なのだが人間の味方、怪物なのに“いいひと”キャラ。
仲間の水棲怪人(半漁人みたいな)が恋をする。
一人部屋でラブソング集のCDを聞いてる。
ヘルボーイが流れている歌を聞きつけてやってくる。
悪魔と半漁人が二人で歌う。
バニー・マニロウの『I can't smile without you』
いいシーンでした。
ヘルボーイの嫁さん役の女優もいい。

 

この月の日記を数日分読み返す。

ちょっと驚いた。

ちゃんと書いてる。

自画自賛を承知で言えばこれ読み応えあるぞ。

岩波新書の「グローバル恐慌」読んでて、ちゃんとレビューになっている。

11年前、五十代半ば。

いま、劣化は明らかだ。

 

そんなちょっとしたショックがあって、背中を押されたのか、午後遅くから行動に出る。

村の長老が言った。

「やるべし」

ブロンプトンを駆り、夏の日盛りに飛び出す。

 と言っても京都へひとり吞みに行っただけなんですけどね。

阪急電車の中で考えた。

めんどくさい、暑い、疲れる、そんな言い訳が、

お上のお墨付きもらって、行動しないことに慣れてしまった自分に喝!です。

コロナ時代、行動は自分で決めるのだ。

 

京都は2月20日に取材に来て以来、半年ぶり。

その時もすでにインバウンドの観光客は少なくなっていた。

四条河原町の駅を出てブロンプトンを組み立てる。

先斗町も閑散としている。

華やかさが消え、ちょっと荒んでいるように映る。

四条大橋、鴨川を写真に撮って眼鏡堂氏に送る。

「地方都市のようですね。国際観光都市でなく」と反応。

昔の京都、とも言う人がいるが、インバウンドバブル以前でもこれほどではなかった。

ひさびさの京都の第一印象はそんなでした。

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午後5時の先斗町 午後8時の三条通、寂しき街に歩み入りにき

 

 「赤垣屋」へ行く。

縄のれんをくぐる。

5時半、一席とばしのカウンターはすでに満席。

小上がりにビール箱で即席の一人席をつくってもらう。

ここからカウンターと縄のれん越しに川端通りが見える。

小津映画のワンシーンのような一枚画。

お、カウンターにチコちゃん5歳が一人で飲んでいる。

瓶ビール、鶏皮串を塩とタレで一本ずつ。

ひとり飲む京都を始める。

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5時半に入り、赤垣屋で1時間半を過ごす。

 

ブロンプトンで二条大橋を渡る。

京都の街は人も車も少なくて走りやすい。

2軒目は「hayasakaba」

客足が遠のいて深刻ですとのこと。

外国人観光客に頼っていたバーでもないのだけれど。

実際に街の様子を見ると出歩いている人そのものの絶対数が少ない。

カクテルを一杯、サントリーの輸出向けウイスキー「季」をロックで一杯。

やっぱりバーで飲むオンザロックは旨いね。

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御池通りを渡る。

閑散とした三条通り。

四富会館「たすく」へ行くと若い先客が二人。

聞くと京大の馬術部の先輩後輩らしい。

大学の馬術部の現状を聞く。

淀の競馬場や栗東のトレセンでバイトして部費を稼ぐのだとか。

なんで馬術をやろうと思ったのか、関西で馬術大会はどこで開かれているか。

聞いてなるほど面白いなと思ったのだがすでに忘れてしまった。

馬術には障害飛越、馬場馬術、総合 と種目があって、

日本がメダルを獲得できる可能性があるとすれば総合であることを聞いたのは憶えている。

白と赤を一杯ずつ飲む。

 

22時45分発の快速急行で帰る。

「やるべし」の半日が終わる。

次に「やるべきこと」を「やるべし」だ。