1987年、僕は30歳になった。
個人的にはターニングポイントでもあった。
会社を辞めて、フリーランスとしてさして自覚もないまま働き、さして儲かりもせず、
かといって切羽詰まった深刻さもなく、気分一新しようと四国高松へ出稼ぎに出た。
武庫川団地のワンルームを借り続けたまま家賃別で月300000円の報酬だった。
4月から9月、気楽なアパートでの一人暮らし、金沢に続き二度目の学生気分だった。
瀬戸大橋完成、国鉄民営化、そんな時代だった。
そのころ、半島では…。
1988年のオリンピック開催地レースを名古屋と最後まで競ったソウルでこんなことがあった。
ドラスティックに政権が交代する韓国ならでは、と行ってしまえば身も蓋もないが、
光州事件に続き、軍事政権下のソウルを描いたこの映画は衝撃だった。
どこかで見たような俳優たちは自国の、自分たちが幼かった時代をどんな気分で演じてたのか。
対共所長役のキム・ユンソクは29歳、検事役のハ・ジョンウは19歳か。
弾圧する特殊な機動隊のユニフォームがGジャンだというのが1987年という時代を思わせる。
見終わってA木に「見るべし!見ないと拷問」とLINEした。
「1987 ある闘いの真実」@シネマート心斎橋