ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2022/03/03 (木) 少しずつゴールラインまで退くことを考える

先日、スマートレターで石垣島へ送ったコミック本が届いたようだ。

ミネーロがSNSにバーカウンターに置いて撮った画像をアップしていた。

この漫画の原作「猟犬探偵」は僕らが三十代の頃、競って冒険小説を読んでいた頃の作品。

作者の稲見一良(いつら)氏は記録映画の仕事をしてた人で、この小説の舞台は大阪の能勢、

僕らが好きなキャンプ場のある大阪府北部エリアにある。

稲見氏は享年63 …数冊の傑作小説を残して肝臓がんで他界した。

あの頃、好んで読んでいた作家たち、当時の僕らには兄貴みたいな存在だった人、

稲見一良、風間一輝、景山民夫、船戸与一…彼らはもうこの世にいない。

ミネーロに「バーボンでも飲みながら読んでくれ」とメモをつけた。

風間一輝の「男たちは北へ」が読みたくなった。

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「猟犬探偵 セントメリーのリボン」 映画化して欲しいな。

あの頃に読んだ作家で森詠、志水辰夫、佐々木譲、らはご存命か。

森詠80歳、志水辰夫85歳、北方謙三74歳、佐々木譲71歳、東直己65歳。

佐々木譲は日露戦争で負け、ロシア帝国の占領された日本を舞台にした

IF小説(オルタネート・ヒストリー)「抵抗都市」シリーズを何冊か出している。

いまの世界情勢を考えてしまう設定で久々に読みたくなった。

 

オルタネートという言葉で想像してみた。

選ばなかったもう一つの人生、この時代に生まれてなかった別の人生。

そして、この列島ではない、別の国に生まれていたら…。

 

自分がウクライナ人で65歳だったら…

自分がロシア人の65歳だったら…

自分がベラルーシの65歳だったら…

 

自分がまだ二十代でウクライナの兵士だったら…

自分がまだ十代でロシアの兵士だったら…

ひな祭りに戦争が始まった寒い国のことを思う。

 

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今日は休肝日、帰宅するとちらし寿司だった。

 

きょうも出勤。

朝からナレーション録り、正午に新しいディレクターと打合せ、デスクで沖縄出張準備、

昼食は「杵屋」でカレーうどん、夕方にまた収録の打合せ。

高齢なので朝から夕方まで続けざまに何かしらTO-DOが並んでいるとけっこう疲れる。

集中力が極端に落ちる。

最近、思う。

かつては二十代、三十代だった自分より10も20も下の人間がすでに現場から退きつつある。

フリーランスとはいえ、管理職より年上のディレクターに仕事を任せたくないよね。

たまたま自分は同じ部署で、使い勝手のいいポジションを確保出来てるだけ。

それは滅多にない、大げさに言えば奇跡みたいなものだと思う。

10年前に戦力外通告を受け、収入が途絶えていても、不思議じゃない。

「それくらいは自分が出来るのにな…」とは決して言わない、思わないこと。

攻撃参加しないフルバックというポジションを自覚して、自らゴールラインまで下がりる。

ラグビーで言うところのキャリーバック、アメフトで言うタッチバック。

そして、

誰にも気づかれないように静かにピッチから去る。

仕事をそういう形で処理して、次にやりたいことを考えよう。

プレイタイムは多くない。