ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2017/1/22 氷雨の21.0975km

高槻シティーハーフマラソンを走る。

朝7時起床、牛玉丼と味噌汁の朝食をとり、着替えて家を出る。

空模様が怪しいのでキャップを被っていく。

のちのち これが正解でした。

JR快速で高槻駅、スタート地点まで3.2キロ、専用バスで運ばれる。

体育館で着替え、10時20分にスタート、クネクネ道に惑い氷雨に打たれ完走する。

編成M氏は体調不良でダウンし棄権、それも正解かも。

2時間15分、一応これでもシーズン初のハーフ完走です。

フィニッシュ後、1時間ほどバス待ちでまた氷雨に震える。

途中から激しいヒョウが降る。

泣き面にヒョウ。

JRで岸辺駅に移動、「極楽湯」で身体を温める。

施設内のお食事処でレースを走ったガイチ氏、カズミさん、カナちゃんと乾杯。

これが楽しみなんですよね。

なんだかんだ言っても21.0975キロを走ることが出来た。

文句言ったらバチがあたる。

 

雨のレースは和歌山ハーフ、金沢10キロ、乗鞍天空35キロ、大阪長居公園ハーフに続き5度目かな。

 

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いつもは豚汁ご飯の簡易朝食。

今朝は豪華でした。

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今回の装備:上からキャップ、遠近両用度付きゴーグル、ネックウォーマーはなし、

アンダーアーマーの長袖コンプレッションシャツ、半袖Tシャツ、

下はアシックスのタイツ、ショーツ、CWXのコンプレッションハイソックス、

NBのランシューズで臨みます。

多少寒くてもコンプレッションで血流を良くすると厚着しなくても耐えられそう。

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このあたりからゆるゆるとスタートしましょう。

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不穏な空模様。
スタートしてすぐ右折左折右折の繰り返し。
なんだか追っ手を巻いて集団で逃げてる気分になる変なコースです。
河川の堤防に出たと思ったら真っ直ぐ走れず再びクネクネする。
川と交差する線路や道路をくぐるたびにアップダウン。
ようやく淀川べりの堤防に出る。
空が広くなったと思ったら小雨がぱらつく。
左手の市街地の上空に虹が出る。
(走りながらでうまく撮れませんでした)
堤防に出たと思ったら河川敷に下ろされる。
ヘアピンの急な下り坂、こんなのを5回くらい繰り返す。
この時点でこれはシティーマラソン?
少なくともシティーじゃないよなとボヤキつつ走る。
直線の走りやすい堤防になったと思ったら冷たい雨。
ヒョウも降ってくる最悪のコンディション。
氷雨に打たれてとぼとぼ走る。


  ♪ 外は冬の雨 まだやまぬ この胸を濡らすよに (氷雨)

 

クネクネさせられてようやく開けた堤防に出る。

このあたりは霧雨くらいでした。

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進行方向左手にレインボウ。

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淀川の橋を横切るために一旦河川敷に下ります。

ヘアピンを曲がって下りたらまたすぐに堤防に上がります。

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淀川本流から離れて檜尾川の堤防を走ってる時にざあざあ冷たい雨が降ってきた。

この川が檜尾川って知ったのは帰宅して調べたんだけど淀川だと思いこんでた。

自分がいる位置を脳内地図で把握できてないと不安になる正確なものでこのコースは辛かった。

ちなみに打ち上げで合流した女性ランナー二人はスマホも腕時計もせずに走ったらしい。

ただひたすら、淡々と走ったのでしょうけど…自分には無理です。

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最後の1キロはマジで走った。

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フィニッシュ後、高槻駅行きの送迎バスを待つ長い行列に並ぶ。

また雨が降り出す。

30分待つ。

まだ乗れない。

45分待つ。

身体が冷える。

バチバチとヒョウが降ってきた。

ようやく乗れた。

運良く座れた。

たまたま持って来た文庫本を読む。

堀江敏幸「雪沼とその周辺」

既読だが大好きな小説。

かつて日記にこんなレビューを書いている。

 

2010/11/21 ぷよねこ減量日記 clasic 2009/5-2016/1

堀江敏幸『雪沼とその周辺』読了。
不思議な読み味の短編集でした。
雪沼という名の土地、おそらく北日本の小さな町、ひっそりとした集落。
その周辺で暮らす人々の物語が丁寧に綴られる。
小さなボーリング場のオーナー兼支配人、料理教室の先生、段ボール工場の経営者、
書道教室の先生、レコード店の店主、食堂の店主、防災機器の営業マン。
池澤夏樹が解説で書いている。
「雪沼は優しい。時代遅れで、静かで、品がいい。」
雪沼の物語には滅びの予感が漂っている。あるいは、まもなく訪れる死の気配が濃い。
冒頭の『スタンス・ドット』のボーリング場は最後の一日だし、
『イラクサの庭』では主人公がすでに亡くなっている。
でも、小説が暗いトーンで埋め尽くされているわけではない。

 

巻末にある池澤夏樹の解説「しばらく雪沼で暮らす」が秀逸だ。
堀江さんには失礼かも知れないが解説を読んで、僕の中でようやく雪沼の物語が完結する。
よく出来た映画のエピローグのようだ。
こんな感じで始まる。


 一冊の小説を読むというのは、その間だけ別世界に居を移すことである。
 『細雪』を読む者はその間は戦争前の芦屋に行っている。
 蒔岡家の四姉妹と彼女たちを取り巻く家族の間に身を置いて、
 波乱に満ちたしかし幸福な時間を過ごしている。
 『パルムの僧院』を読む間、人はコモ湖のほとりの小さな公国に仮住まいしていて、
 恋と権謀術数の歳月を送っている。
 雪沼でも同じことが起こる。
 読者はこの小さな町の住民になって、みんなの生活をそっと見るのだ。
 住民ではなく天使かもしれない。
 町の人々の生活に干渉することはない天使。
 ただ見ているだけ、あるいは大事な局面に立ち会うだけの透明な存在。
              (池澤夏樹「解説 しばらく雪沼で暮らす」より)


ベルリンの天使は人間となってブランデンブルグに降り立ったが、僕らはそんなことはしない。
雪沼の天使、僕のお気に入りは『スタンス・ドット』『送り火』『レンガを積む』の3編。
雪景色が見たくなった。

雪沼とその周辺 (新潮文庫)

雪沼とその周辺 (新潮文庫)

 

 JR岸辺駅前「極楽湯」にて高槻を走った3人と合流し打ち上げ。

風呂とビール、これに尽きる。

西宮駅に降り立つと晴れていた。

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にゅうめんでもするわ、と言われてたけどハヤシライスだった。

それもいいけど、と食べ終わると、やっぱりにゅうめんの方がよかったん?と言われる。

ハヤシも悪くないと思ってるのに勝手に機嫌が悪くなる。

やれやれ。

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