ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2016/3/11 スプリング・エフェメラル(春の儚き命)

レンタカーで丹波篠山のとある里山に山野草を見にいく。

スプリング・エフェメラルと呼ばれる植物がある。

吹く風が肌に冷たい早春、落葉樹林の林床でつかのま美しい花を咲かせる。

木々が葉をしげらせ、林床に光が届かなくなると姿を消してしまう野草群だ。

春に生まれ、夏になる前に消える3ヶ月ほどの命。

(実際には球根や地下茎で越冬する)

エフェメラルとは儚い(はかない)ものという意味。

別名 “ 春の妖精 ” 
http://keima.la.coocan.jp/…/sea…/spring-ephemeral/index.html

 

ことし何度目かで季節が逆戻りした。

篠山はときおり氷雨が降る冬空。

寒さにふるえながら小さな妖精たちを撮った。

まだ一週間くらいは早いかな。

 

ちらほらと咲いていた節分草(セツブンソウ)の花。

ヒロも僕も人生初のご対面でした。

小さくて可憐な花。

f:id:shioshiohida:20160311123739j:plain

 

昨日までしばらく食べ物の写真が続いたので今日は花で綴ります。

ベランダで咲き始めたヒヤシンスを室内に招き入れた。

5年前のきょうの日記には同じ白いヒヤシンスの写真がアップされている。

ヒヤシンスの香りはあの年の3月11日から数ヶ月の思い出を呼び覚ます。

f:id:shioshiohida:20160312001536j:plain

 

池澤夏樹の「春を恨んだりしない」が文庫になったのを機会に再読した。

文庫版のためのあとがきを読むにつけ悲しくはらわたが熱くなる。

東日本大震災からもうすぐ5年、「春を恨んだりしない」の刊行から4年と三ヶ月の今日この日、

振り返ってあの頃は、とあっさり言うことができない。

あの時点で考えたことがすべて無に帰したから、あるいは裏切られたからである。

この5年の間に事態は想像もしないほど悪い方に動いた。

アベ政権という怪物が君臨して知識人がこれほど軽んじられる時代が来ると誰に予測できただろう。

原発の再稼働が薦められ、その輸出の動きさえあり、

放射能ダダ漏れの福島の現実が「アンダーコントロール」とぬけぬけと言い抜けられる。

秘密保護法が成立し、憲法はバイパスされ、三権分立のはずが行政権ばかりが突出し…

あの日を思い出せとどれだけ新聞やテレビが空虚にリピートしても…

この5年の間に事態は想像もしないほど悪い方に動いた、これが現実だと僕も思う。

もう 絆とか未来とか言わない方がいい。

真っ先にすべきことは政府の爆走を止めること。

 

 

阪神西宮のトヨタレンタカーでアクアを借りる。

マイレージが貯まっていたので12時間で6300円ちょっと。

前回、綿向山へ行った時に痛い目に遭ったので免責補償の1080円はケチらずにはらっておく。

盤滝トンネルを抜け、西宮北から中国道、吉川経由で丹南篠山口まで走る。

f:id:shioshiohida:20160311140707j:plain

 

篠山の中心部から北へ。

大山宮地区にある追手神社周辺は山野草の保護エリアが設けられている。

付近に空きスペースは沢山あるがちゃんとした駐車場がないので苦労した。

久々に縦列駐車なる難度の高い技に挑む。

たいていのアメリカ人は出来ないはずだ。

 

神社の境内にユキワリイチゲの群生地があるが寒いのかほとんど花が開いてない。

神社から山沿いに南へ歩く。

若い頃は退屈な風景だったがいまは人の手が入った里山の風景は愛でるべき対象となった。

アズマイチゲも看板はあるが花は見えない。

カメラを持ったおじさんに尋ねると、今日は寒いので花が開いてない、と言う。

セリバオウレンがちらほらと咲いていた。

f:id:shioshiohida:20160311122355j:plain

 

目立ったのはこの黄色い花。

名前がわからなかったが(北山植物園でデジカメを見せて尋ねたが不明)、

ネットで調べたらリュウキンカだった。

リュウキンカなら北アルプスや東北の山で何度も会ってたはず。

てっきり高山植物だと思いこんでいた。

6月、蓮華温泉のキャンプ場で水芭蕉といっしょに咲き誇っていた。

同じ季節に岩手の焼石岳でも湖のほとりに群落を作っていた。

こんな身近に咲くとは…。

(でもこの花はスプリング・エフェメラルではありません)

f:id:shioshiohida:20160311113847j:plain

 

セリバオウレン、これは妖精です。

f:id:shioshiohida:20160311123533j:plain

 

キクザキイチゲ(これも妖精)は一輪だけ。

開花してはいなかった。

f:id:shioshiohida:20160311123147j:plain

 

追手神社を囲む風情ある石垣。

苔の生え具合がいい。

正面の電柱と手前のトタン板を隠せば時代劇が撮れる。

f:id:shioshiohida:20160311125447j:plain

 

その石垣の上にユキワリイチゲ(妖精)が密生していた。

f:id:shioshiohida:20160311131118j:plain

 

一輪だけひかえめに咲いていた。

f:id:shioshiohida:20160311131027j:plain

 

神社の裏手に金山という山がある。

雨が降り出したのでその登山口を確かめるだけにして大山宮地区をあとにする。

f:id:shioshiohida:20160311131045j:plain

 

12キロほど走って一会庵という蕎麦屋で昼食。

メニューは4種類のみ。

おろし蕎麦、蕎麦切り、そばがき、そばぜんざい。

おろし蕎麦と蕎麦切りを注文する。

緑がかった麺、しっかりとした蕎麦。

だけど…そばつゆが平凡、というかちょっとうす過ぎる。

蕎麦にこだわりつゆに興味がない店って結構あるんだよな。

f:id:shioshiohida:20160311134555j:plain

 

帰りは高速を使わず176号線を走る。

いつもは自転車と歩きで来る北山緑化植物園へ立ち寄る。

寒い。

白木蓮が咲き始めていた。

f:id:shioshiohida:20160311155909j:plain

 

アカシア咲く。

アカシアにはフサアカシア、ギンヨウアカシア(ミモザ)と2種類に大別されるらしい。

日本でアカシアといえば初夏に咲くニセアカシア、香りのいい白い花。

極私的に一番好きな花がニセアカシアです。

f:id:shioshiohida:20160311160342j:plain

 

植物園の庭をぐるり。

緑の苔のキャンバスに椿の花が落ちていた。

小ぶりのピンクの木の下なのに紅いのや斑入りのがまじっている。

誰かが並べたのだろうか。

f:id:shioshiohida:20160311161344j:plain

f:id:shioshiohida:20160311160659j:plain

 

帰宅して夕食。

筋トレへ行こうと思っていたが眠気に襲われサボってしまう。

せめてストレッチはしておく。