半端ものは安い。
の割れた煎餅や曲がった不揃い野菜や果実。
安いけど旨い。
手延べ素麺のふしに当たる部分もいい。
短くて食べやすいし、太さの違いも味わい深い。
食べていてアクセントになるし、出汁もしっかりと絡んでいる…ような気がする。
去年のいまごろ、秋田稲庭うどんの老舗へ行った。
冷たいざるうどんで食べたそれは見た目も美しく味も絶品だった。
そのときにお店で「ふしっこ」という半端物を土産にもらった。
家に持って帰ってあんかけにしたら、これが滅茶苦茶おいしかった。
ふしにあたる部分の麺がしこしことコシがあって。
レンゲやスプーンでもスープやシチュウのように食べられるのもいい。
そういえば…去年3月に鳥取の山間部の智頭町へ行ったとき、
駅近くのスーパーになぜか稲庭うどんの「ふしっこ」が売られていた。
迷わず買った。
先日、大阪の天神橋商店街に長崎五島列島の産品を売る店があった。
店番の兄ちゃんに行くと母親の実家が五島の福江なのだとか。
五島うどんの乾麺とともに半端物が売られていた。
五島では「ふしめん」と呼ばれているらしい。
ひとつ購入する。
帰って、卵あんかけにしてもらった。
淡路の海苔をのせて花巻うどんにした。
旨い!
あったまる。
うどんは半端物がいい。
[2024/2/10記]