夏至と言えばこの短歌を思い出します。
一日が過ぎれば 一日減っていく
君との時間 もうすぐ夏至だ (永田和宏)
永田和宏さんという歌人で細胞生物学者の作。
奥さんは進行性の乳がんで死期が迫りつつありました。
悲、淋、辛、愛、哀、寂、喜 という感情語を一つも使わず、
その全てが表現できている。
夏至は命の頂点だろうか。
是枝監督の「万引き家族」を観ました。
描きすぎないこと、説明的なセリフを極力省くことで観る者に想像させる
今のテレビ番組とは対極な作品でした。
いわゆる行間ってやつです。
監督が書いたエッセイ集「歩くような速さで」の冒頭、
「行間」という一編にこんな一節がありました。
映画も、出来れば直接悲しいとか寂しいとかいわずに
その悲しみをと寂しさを表現したい。
文章でいうところの「行間」を有効に利用しながら、
観る者の想像力によって補完してもらうことで
映画に参加してほしいと、そう思いながら作っている。
(是枝裕和)
臨港クリニックへ行き、生検と血液検査の結果を聞く。
大腸で2つ、胃でひとつ除去したポリープはいずれも良性でした。
血液検査の結果、ピロリ菌はかなりの確率で存在するとの診断。
除菌療法を受けて除菌に成功すれば胃がんのリスクがこれだけ減るとか云々の説明を受ける。
その上で、除菌をしますか? と言われる。
しておこう、と答える。