路上に在る手袋はいつも片っ方だけ。
在る、というのは正確ではなく、忘れ去られ、うち捨てられたような佇まい。
路上の手袋は両手が揃ってないことと、かなしみをたたえていることでその存在を全うしている。
確かに…両手揃ってアスファルトに落ちている手袋は四つ葉のクローバー以上に稀少だな。
4年前に万博駅伝で仲間うちで優勝した商品としてもらったランニング用の手袋。
きょう大阪城公園をジョギングしてるうちに右手がなくなっていた。
右手だからおそらくiPhoneかデジカメを使ったときに外したんだろう。
イヤホンで講談を聴いていたから落としたことに気づかなかったか。
優勝の賞品で、4年も使って、愛着がある。
走ったルートを逆にたどるも見つからなかった。
きっと誰かがどこかの木の枝にひっかけたりするお節介をしてくれたのかもしれない。
「片手袋」を研究している奇特な人がいる。
木の枝にひっかかってるのは「介入型片手袋」と識別されている。
紛失したと警察に届けるのもためらわれる片手袋。
きょうはポスプロ編集。
冒頭のスマホ合成と思いつきのジャンクションに時間をかける。
市民ランナーのショートムービーは2011年から7年作り続けてきた。
思えば企画から、映像の構成やワンマンクルー取材や音楽のほとんどを自分で決めてきた。
愛着ある楽しい作業だった。
ことしはサポートに徹した。
せめて自分の爪痕を残そうといろんな思いつきを入れこんだ次第。
ポスプロのトイレから見えた梅田スカイビルとグランフロント。
側面が鏡になり落日を映していた。
思えば、この編集スタジオで年に数回作業するようになって何年が経つだろう。
1990年代からだから四半世紀?
やれやれ。
トイレから見える風景も一変した。
いまや外国人観光客(おもに中国、韓国、台湾)に人気のスカイビルなんて影も形もなかった。
夕方、局へ出て「あすリート」の編集チェック。
7時半ころから走る。
右肩は痛むが概ね体調は悪くない。
暑いころ、やたらと疲れやすかった。
朝、起きたらもう疲れていた。
老化、衰退を痛感した。
もう終わりだな、と。
いまはそうでもない。
もちろん絶好調というわけではないけど、悪くはない。
午後2時の睡魔は相変わらずだけど、それ以外は概ね体調はいい。
これは嬉しいこと、幸せなことだと思う。
もっと自覚せねば、と思う。