そもそもゴールデンウイークというのは和製英語。
映画会社が客寄せに考えた「黄金週間」に由来する。
ことしの黄金週間は2日に「スポットライト」、5日に「ボーダーライン」を観た。
明けて9日に「ディバイナー」を観て、きょう「レヴェナント」を観た。
スポットライトには副題に「世紀のスクープ」がついてるし、
ディバイナーには「戦禍に光を求めて」、きょうのレヴェナントには「甦えりし者」がつく。
そういえば3月に観たマネーショートは「世紀の大逆転」だった。
映画の黄金時代は本題一本勝負だった。
「荒野の決闘」にも「リオ・ブラヴォー」にも「哀愁」も副題はない。
それでも客は入ったし、過剰な説明は不要で無粋だった。
で、「レヴェナント 甦えりし者」@MOVIXあまがさきです。
17:45に始まって20:30に終わる2時間半、長いっす。
アカデミー主演男優、監督、音楽賞受賞にもかかわらず客は10人くらいでした。
でも、映画そのものは悪くない。
少なくとも僕は退屈しなかった。
深いか?と問われたら疑問符がつく。
ディカプリオ自身がインタビューに答えて言っている。
「映像が力強いんだ。全く別世界に浸りたいなら本作を観ればいい。」
その言葉に偽りはない。
アメリカの荒々しい自然が見る者を圧倒する。
真ん中より少し後ろで観たのだけど字幕も少なかったのでもっと前で観るべきだった。
撮影監督のルベツキーが超広角レンズを多用してるのでなおさらだ。
楽しめたか? と問われたら楽しめたと答える。
でも、家族愛とか、憎しみの強さとか、劇的な感慨ってのはあまり感じ取れなかった。
とにかく自然の映像に圧倒されるのみ。
それと矢で射られて死ぬのと生きたままクマに食われるのはイヤだなと。
死んだ馬の腹を切り裂きホカホカの内蔵を取り出して、
馬の体内に自ら入りこんで寒さを凌いで生き抜く。
それくらい彼の怒りは凄まじいということでしょう。
オスカー獲得のディカプリオの演技。
彼の本来の役柄ではないような気がする。
じゃあ、ハマリ役って何なんだ?
げ、まだ生きてるの?
ってスクリーンに向かって問い続けてたような気がする。
首の皮一枚残った。
それって死んでない?