ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2022/07/29 (金)

 

【 07.29 日録 】

朝、汗をかいて目覚める。8時半起床、僕の朝は自分の理想とはかけ離れて遅い。トシヨリの常態ともかけ離れている。すでに暑く、のっけからあまりやる気がしない。これを倦怠感というのだろうか。僕の居室は西向きに窓があるので、午前中はまだマシだが、午後遅くなるとじわじわと気温が上がる。エアコンのかかったリビングからサーキュレーターで送風しているのだが西日が入る頃には…汗をかくほどではないが空気が生暖かくなる。起きてから6時間以上経過しているので鮮度も落ちているし、脳も身体もバッテリー切れ。これは夏に限らないけど、やるべきことがあるなら午前中にやっておこう。……なーんて書いて思った、オレ、毎年のように同じこと書いてるよな。

 

午前中はナレーションの手直し。午後から立ち合いで出社する。仕事場のフロアで一昨日の酒宴でいっしょだったUデスクに訴える。「倦怠感が続いてて、もしかして…」というと「夏バテや」と一笑された。熱はない、喉の痛みもない、鼻水も出てない、目の痒みもない、食欲不振もないけど倦怠感が…と言ったら「普通より元気やん」と言われて、そうだよな、毎年夏バテはもっと8月末あたりにやってきて、もっとひどいもんな、と思い直す。ほとんどの日本人が自分はコロナか?と思っている、そんな2022年夏です。

 

ニュースでは感染者数(陽性者数)増大が毎日報じられていて、世界一になったという。コロナに関しては“恐怖指数”をメディアが商売にしている。でも、日本が世界一なんていつ以来だろう?(笑)でも、こうして感染爆発だ!とか書くととたんにシリアスになるけど、自分や身の回りの皮膚感覚としてはちょっと違う。2類から5類にするとか、欧米なみに感染者の全数把握をやめるとかのニュースが流れる。反応はそれぞれ。怖がっている人とそうじゃない人に日本が二分されているように思える。怖がっている人はなぜか一刻も早く今日の感染者数を知りたいみたいだ。それを売りにしているニュース番組もある。眼鏡堂氏とLINEチャットしてて、行政が全数把握やめたらマスメディアが出口調査して発表しそうだねというと、氏も やりかねない と笑う。クソみたいな情報でも売れれば売る。故 小田嶋氏の「週刊ニッポンの空気」というラジオ企画があったが、政府も行政も空気を探っている。あの徳川家康も豊臣家を攻めるときにニッポンの空気に過敏だったことを様々な歴史小説で知る。今となっては300年続いた安定政権だが、当時はまだ不安定で都の空気、大坂の空気はニッポンを左右したのだろうな。

 

ナレーション録りを終えて帰ろうかと思ったら突然の雷。大阪市内の高層ビルを直撃するのを目の当たりにする。ほどなく豪雨。徳川が攻めた大阪城が雨に霞む。折しも陽が沈もうとする時間帯、西の空からは光が射し、いつも見慣れている大阪城公園が熱帯雨林の日没を思わせる幻想的な景色となる。家康さん、あなたが攻めた大坂は450年後に熱帯になりましたよ。

 

雨上がり待ちで久々に社食でカレーライス(ミニサイズ)を食べる。それで帰ればいいものを本が読みたくなって7時半過ぎに駅前ビルのウエダ商店 角打ちに寄る。本が読みたくなって角打ち?、まあいいじゃないですか。缶チューハイとはもちくわ、ウインナー炒めと雪の茅舎、〆に小鉢の冷やし素麺。読んでいたのは青山美智子「お探しものは図書館まで」舞台はとある東京近郊の町、人生に迷っている5人がその町にあるコミハ(コミュニティーハウス)に併設された図書室を訪れる。その図書室の司書である小町さん(このキャラがいい)に探しているものと違う本を一冊紹介される。最後の章、定年退職したばかりの政雄65歳に紹介した本が草野心平の詩集だった。物語の流れとは別にここにあったアイデアに興味を惹かれた。ノートに気に入った詩を書き写すということ。自分の好きな詩を集めた詞華集(アンソロジー)を作るということ。そこには誰の詩を入れようか、三好達治、茨木のり子、レイモンド・カーヴァー、伊藤整、谷川俊太郎、田村隆一、シンボルスカ…そんなことを思いながら酒を飲んだ。

 

昼ごはんは鯛のムニエル、脂を吸った茄子とオクラも美味しい。

日曜早朝の新番組も14回目を迎えます。

熱帯雨林を思わせる豪雨の大阪城公園

霞む天守、今日のところは城攻めはやめておこう。

ウインナー炒め(260円)、皿はミッフィー。