先日、彦根城を歩いた。
夕刻、城内での勤めが終わった下級武士たちは大手門をくぐり、組屋敷に戻る。
その道すがら堀端で、娘の縁談とか、子息の進学就職とか、上司の噂話とか、
あるいは愚痴を言うための居酒屋の誘いとかしてたんだろうな。
砂原浩太郎「高瀬庄左衛門御留書」を読んでいて、そんな様を想像した。
眼鏡堂推薦の時代小説「高瀬…」を図書館で予約して半年、ようやく順番が回ってきた。
美しく生きるとは、誇りを持ち続けるとは何かを問う、正統派時代小説。
藤沢周平、乙川優三郎、葉室麟ら偉大な先達に連なる新星、ここに誕生。神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。50歳を前にして妻を亡くし、さらに息子をも事故で失い、ただ倹しく老いてゆく身。残された嫁の志穂とともに、手慰みに絵を描きながら、寂寥と悔恨の中に生きていた。しかしゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う。
江戸期の五十は晩年。
主人公が人生も終わりにさしかかった中高年というのがいい。
そして、つねに物語に地下水のように流れているのが息子の嫁 志穂との 淡く、そして深い関係。
いやあ、おじさん殺しの真骨頂ですね。
映画化されたら志穂には誰をキャスティングするのだろうか。
昔の人だが、是非とも芦川いずみでお願いしたい。
この庄左衛門、全てを達観しているように見えて、実は臆病で気に病むところがある。
実に人間くさい。
そして、時に名言を吐く。
僕にもっとも刺さったのは、たぶん江戸へ上る志穂に言った言葉だろうと思うが。
「選んだ以外の生き方があった、とは思わぬことだ」でした。
齢六十四、折に触れバスを乗り間違えたのではないか、と来し方を振りかえりがちな、
達観せざる中高年の自分には、幾度も ぐさりと刺さる 戒めだ。
「人などと申すは、しょせん生きているだけで誰かのさまたげとなるもの
…均(なら)して平らなら、それで上等」
「精魂こめれば疲れもいたしましょう―されど、だから不幸というわけでもない」
この小説、文章が端正で美しい。
蕎麦屋で飲みながら静かに読む至福。
読み終えたあと、Kindleにダウンロードして、また蕎麦酒のときにでも読み返そう。
木曜日、ディレクターの代打で出動。
いつもの木曜日よりちょっと早めの朝食。
ランチはナポリタンセット。
帰りにジェイ尼(JR尼崎駅)に寄る。
東急ハンズでバースデイカードを買う。
無印良品でマスクに吹きかける和ハッカのスプレーと保湿クリームを買う。
ユニクロ感謝祭に釣られて下着のトランクスを2つ、半袖のヒートテックを一つ、
部屋着や夜 あしや温泉へ行くときにスエットパーカーを購入。
安くなっている防風フリースを試着してみるが…。
ぼてぼてして重たい。
この数年の傾向として重厚長大な衣類はもう着ないだろう。
明日は半年ぶりの胃カメラ。
夕食は消化のいい鶏卵あんかけうどんにしてもらう。
以後、アルコールも、間食も、珈琲も飲まず。
I 田ディレクターにボーマン感胃痛を訴えると16時間ファスティングを勧められる。
先日、プロ野球のT谷選手の引退会見を取材したとき、T谷との立ち話で聞いたらしい。
体調の優れなかったT谷選手の父親が16時間ファスティングをしたら元気になったという。
大多数の人はダイエット(減量)目的で始めるが、このメソッドは本来胃腸を休ませて
消化機能を回復させることで体調をよくすることが主目的らしい。
30日間、「16時間断食」を毎日続けて起きた腹筋の変化とダイエット効果
今日は検査前日で夜8時以降食べない。
内視鏡査が終わるのは12時くらいだろうからテスト体験が出来る。
一度、一週間ほどやってみて効果を知りたい。