ずっと気になっていた。
40年前にすでに買っていた。
ねこがいい。
表紙がいい。
著者の名前がいい。
タイトルに響きがいい。
「夏への扉」
おもいでの夏、美しき夏、真夏の夜のジャズ…。
タイトルに夏という季節が入るとなぜか2割増しで惹かれる。
いつか夏休みに読もう。
SF小説であることにちょっと腰が退けていた。
いつしか、もう読むことはないかも、と思うようになっていた。
ことし何かの映画を見に映画館へ行くと一枚のチラシがあった。
「夏への扉」とある。
邦画だった。
一度は自分の中で諦めたけど、映画なら可能なのでは?と思った。
いったん忘れていた。
例によって人生のちょっと先輩のブログ「一日の王」にレビューが載った。
夏のうちに観よう。
「夏への扉」@MOVIXあまがさき
170席のスクリーン、僕以外は誰も入ってこなかった。
ロバート・A・ハインラインの古典的名作 世界初の映画化。
演じるのは山崎賢人と清原果耶ら売れっ子俳優たち。
ボク一人のための上映会。
映画会社のオーナー気分でした。
ロバート・A・ハインラインの名作SF小説「夏への扉」を、「キングダム」の山崎賢人主演により日本で映画化。舞台を日本に移して再構築し、人生のすべてを奪われた科学者が時を超えて未来を取り戻す姿を描く。1995年、東京。ロボット開発に従事する科学者・高倉宗一郎は、亡き父の親友だった偉大な科学者・松下の遺志を継ぐプラズマ蓄電池の完成を目前にしていた。愛猫ピートと松下の娘・璃子との穏やかな日常の中で、研究に没頭する宗一郎だったが、信頼していた共同経営者と婚約者に裏切られ、自身の会社も開発中のロボットや蓄電池もすべて奪われてしまう。さらに宗一郎は人体を冷凍保存する装置・コールドスリープに入れられ、2025年の東京で目を覚ます。監督は「坂道のアポロン」「フォルトゥナの瞳」の三木孝浩。主題歌は、人気アニメ「鬼滅の刃」「ソードアート・オンライン」などで知られるLiSA。
2021年製作/118分/G/日本 配給:東宝、アニプレックス
感想…観て損したとは思わないが、突っこみどころは満載でした。
原作を読んでない僕が言うのもなんですが。(笑)
脚色もいいところもあれば、ひどいなって思うところもある。
(アンドロイドのピートは悪くなかった)
演出もそう。
演技、役者についてはよくわからないけど悪くなかったような。
もう少し美術セット頑張って欲しかったな。
もう少し叙情が欲しい。
もう少し詩情が欲しい。
SF的なディテールは目をつむるから。
見終わってから宇多丸のムービーウォッチメンで扱っているのを知って聞いた。
宇多丸氏の評価も珍しく低かった。
確かに…エンディングテーマが最低だった。
映画の中での過去1995年のテーマソング的に使われていたミスチルのクロスロード。
当然、このエンディングなら高らかにクロスロードだと思ったら…
「鬼滅かよ!💢」
泣けないよね。
原作はアメリカの南カリフォルニア、映画は日本のどこか。
時代設定は原作は1970年と2000年、映画は1995年と2025年。
原作が書かれたのは1957年(僕の生まれた年だ!)
当時から見ても1970年は未来だった。
原作が読んでみたくなった。
原作が含んでいるであろう詩情を感じたい。
僕の持っているハヤカワ文庫は300ページくらい。
新版は400ページ強だからフォントも大きいだろう。
僕らが過ごしてしまった2000年をどんなふうに描いているのだろう?