とことんついてない日ってのはあるもので。
ミスというのは重なるもので。
捨てる神あれば拾う神ありってことも実感し、塞翁が馬という言葉も頭をかすめた。
この年齢になって警戒心が強くなったと思っていてもドジを重ねるものだと知る。
きょうはそんな日です。
今日は沖縄出張、しかも日帰り取材。
結婚式の前撮りと重なった担当ディレクターHの代打で陸上の記録会を撮る。
それだけの出張で、カメラクルー2人は日帰り、僕だけ翌日の予定がなく、
高齢なので早朝〜深夜の日帰りは体力的にキツいと那覇に一泊させてもらう。
朝は早いが、取材そのものはゆったり、沖縄の天気予報は晴れで、予想気温は20℃。
準備さえちゃんとすれば、問題はない……はずだ。
ところが…!
英語でツイてないことが重なると「今日はオレの日じゃない」とか言う。
でも、ツキがあるとかないとかじゃなくて、単にドツボの日というのがある。
久々に大殺界という言葉を思い出した。
そもそも朝、iPhoneのアラームが鳴らなかった。
iPhoneのバグか、それとも単に僕の設定ミスか?
5時40分にアラームを設定したつもりだったが…うつらうつらしながらトイレに起きた。
まだ暗い。
で、ふと時計を見たら…6時05分!!!!
iPhoneは起こしてくれなかったのか。
出発にギリの時間なので、あわてて着替えて、10分後に飛び出す。
玄関ドアに手をかけると…寝床の近くでiPhoneのアラームが鳴る。
!!!!!
「なんで今なんだ?」と思いつつ、冷や汗が流れた。
そのまま出ていたら…iPhoneを忘れるところだった。
スマホ無しで取材、しかも沖縄出張なんてあり得ない。
iPhoneがすんでのところで「わたしを忘れてるよ!」と教えてくれたのだ。
駅までロードバイクで飛ばし、駅のホームでタクシーを電話予約した。
(iPhoneを忘れてたら出来ないところだ)
「8時15分に本社に一台お願いします。行き先は伊丹空港です」
「承知しました。今から2時間後、8時15分に本社に一台ですね」
「はい、お願いします」
そのとき、え、2時間後か?
そうだよね、8時15分ならほぼ2時間後だなと納得する。
そのときは気がつかなかった。
カメラマンにLINEする。
「8時15分に一台呼んでます。先に機材を積みこんでおいて下さい」と。
即レスが届く。
「おはようございます。7時15分ですよね?」
続いて「念のため確認です(笑)」
うわ、そうや、
7時15分だった。
フライトの出発が8時50分だから8時15分じゃ間に合うはずがない。
電車の中だったが構わずタクシー会社に電話する。
これもiPhoneのアラームと同じタイミングで事なきを得た。
カメラマンにLINEしなかったらタクシーは来なかった。
(きょうはヤバい日だ、これくらいで済めばいいが、二度あることは…だ。心せよ)
要警戒のレッドアラームが点滅!
局へ着く。
機材を積みこむ。
忘れものはないか。
このとき待機のタクシーはなかった。呼んでおいて正解だった。
今日は日曜日、空港まで30分かからずに到着。
Hディレクターに用意してもらったチケットでチェックインする。
マイレージ登録しようとJALカードを挿入する。
「このカードでは登録できません、スタッフにお尋ねください。」との表示が出る。
?????
チェックイン担当の女性の地上スタッフに問い合わせた。
「お名前が違います。チケットはシオタヒロシ、カードのご名義がシオダヒロシですね。」
これってあるある案件なのだが、面倒なことは重なるものですね。
「お名前の変更させてもらいます」と10分近くかかって登録可能になった、
やれやれ。
機上の人となり、沖縄空港に到着。
時間に余裕があるので空港の食堂で昼を済ませることに。
「空港食堂」なる町中にありそうな大衆食堂がある。
せっかくなので豆腐チャンプルー定食650円にする。
東京マラソンの中継を観ながら待つ。
撮影スタッフ2人はフーチャンプルー定食とタコライス。
これはすぐに呼ばれて食べ始めている。
二人が食べ終わりそうになっても僕の豆腐チャンプルーが呼ばれない。
店の人に確認する。
「いまやってます」とのこと。
二人は食べ終えて外で待つことに。
ようやく豆腐チャンプルー定食が来た。
幸いにも時間に余裕があるのでいいのですが…。
なんだかな〜。
これで済めばいいんだけどね〜。
タクシーで沖縄市(旧コザ)にある県総合運動公園のひやごんスタジアムへ行く。
レース結果はちょっとした番狂わせだったが、撮影は滞りなく終わり安堵する。
夕方5時過ぎ、沖縄はまだ明るい。タクシーで空港へ戻る。
20時過ぎの神戸便で帰る撮影スタッフを見送る。
まだ取材した動画を編集してYou-Tubeにアップするという仕事はあるが、これで一段落。
さて、と明日の帰りの便を予約しておこう。
と思った瞬間、声が出そうになった。
僕が事前に予約してあった便は今日18時05分発のJAL伊丹便。
手配してくれたHには「翌日に変更しておいてください」と言われていた。
今は18時半過ぎ。
うわああ、これって?
QRコードのチケットを自動チェックイン機に読ませる。
予約変更をタッチする。
アラーム!
「このチケットはお取り扱いできません」
やってしまった。
出発前に変更することを忘れていた。
スタジアムではあんなに暇な待ち時間があったのに…。
最後にドカンと来た!
チケットを見ると、オープンチケットですが予約後は変更できない的なことが書いてある。
つまり、この帰りのチケットは無効か。
帰るには新たに片道チケットを予約、購入せねばらない?
普通に買うなら4万円強、これを自腹か…!!!!
自分のミス、いったんは諦めたが、一応カウンターへ行って確認しとこう。
JALはグローバルクラブ会員だし、毎年けっこう高い年会費払ってるし。
カウンターの女性にチケットを見せて言う。
「実は…空港に来る途中に緊急事態がありまして(ウソ)、予約変更出来ないままで、この便は
出てしまったんですが…これって変更出来ませんか?」とJALカードといっしょに出す。
「少しお待ち下さい」
ほぼ、「お客様、申し訳ありませんがすでに離陸してしまったチケットなので、規定で
変更は致しかねます。この場合、新たにチケットを購入いただくことになります」
と言われるのだろうなと8割くらいは思っていた。
ところが…!
「お客様、本日の大阪便はすでに出てしまっているので明日以降の便でしたら変更可能です。
何時の便にさせていただきましょうか?」
え!
変更できるの?
思わず、 ありがとうございます! と大きめの声を出してしまった。
出来るんだ!
これってグローバル会員だから?
それとも、もともとそういう規定なの?
僕の認識ではアウトの案件だったけど、世間ではそうなのか?
新幹線みたいに指定席を予約した列車を逃したら自由席に乗れるみたいに。
とにもかくにも事なきを得た。
あすの18時05分発の便を予約する。
ゆいレールで市内へ。
ロイネットホテル県庁前にチェックインする。
安堵して、オリオン缶を飲みながらMacBook Airで動画編集。
全て完了したのが21時半で、すでに行こうと思っていた店も閉店時間が近い。
セブンイレブンで買い出しして部屋吞みとする。
今日は大殺界的な一日でした。
・目覚ましが鳴らない。 ✖️
・iPhoneを忘れるところだった。 〇 (iPhoneのアラームに助けられた)
・タクシーの予約時間を間違える ✖️
・カメラマンに指摘される。 〇
・注文した定食がめちゃ遅い ✖️
・取材対象の選手が負ける ✖️ (これは不可抗力)
・航空券の予約変更を忘れる ✖️
・予約変更してもらう 〇
禍福はあざなえる縄のごとし という表現には当たらないけど、こんな感じの一日でした。
ある意味、すべてがフォロー出来て事なきを得た ということで実はラッキーだったのかも。
ツキがないのか、あるのかで言えばツイてた、斉藤佑紀風にいえば「持ってる」日では?
自分の人生ってこういう塞翁が馬(この諺も少し的外れ?)的な事象が多々あり。
きょう一日は人生の縮図を見ているようでした。
でもまあ、老化でポンコツになって、至る所でバグってるってことです。
マジで引退かなあ。
明日はフリー。
天気予報は朝9時から雨。
受け入れましょう。
快晴だったりしたら逆に恐い。
ちなみにJALがなぜ変更可能だったのかを考えてみた。
コロナ禍のせいか減便していて、沖縄便などは航空会社側から確実に運行するとは
限らないことが明示されている。そのフォローとして出発済みの予約も変更可能に
なってるのかと勝手に推測してます。「これホントに変更出来るんですか?」とは
あえて聞かなかった。
おそらく、この「航空券の特別取り扱い」の便(行き先)に該当したのだと思う。
これもある意味(ある意味ばっかですが)、コロナ禍ゆえの特別措置。
塞王が馬に該当する案件ではないかと思うのです。