ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2016/3/3 1.17と3.11の断層

「LIVE ! LOVE ! SING ! 生きて愛して歌うこと 劇場版」@京都シネマ

追いかけて、一度はあきらめて、ようやく京都でつかまえた。

なんの割引も効かず久々に1800円払って観た。

京都への往復交通費と1800円を払っても後悔はまったく無し。

早春の贈り物のような映画でした。f:id:shioshiohida:20160304011326j:plain

2011年の東日本大震災によって福島で被災、現在は神戸で避難生活を送りながら女子高に通う朝海(石井杏奈)は、阪神淡路大震災から20年という節目に神戸復興への願いをこめた歌『しあわせ運べるように』を学校行事で歌うことに違和感を覚えていた。そんなある日、朝海のもとに福島に留まる同級生・本気(前田航基)から一通のメールが届く。「立入禁止区域になっている母校の校庭に埋めたタイムプカプセルを掘りに行かないか?」。同じ誘いを受けた小学校時代のクラスメイト二人、神戸で暮らす勝(柾木玲弥)と横浜の夜の街で働く香雅里(木下百花)、そしてひょんなことから朝海たちに同行することになった教師・岡里(渡辺大知)は、一路福島を目指し旅に出る。彼らの目的地は原発事故の影響で立ち入りが制限された街、福島県富波町。長い旅の果てに母校の小学校にたどり着いた朝海たちは何を見て、何を感じるのだろうか……。

 

 この映画を紹介してくれたのはいつもの「特別な一日」です。

神戸から三陸、そしてフクシマへ:映画『LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)

 

3.11 の地震、津波、原発事故とその後を題材にしたNHKドラマの劇場版。

カメラワーク、セリフ回し、音楽とテイストは「その街のこども」でした。

カメラや音楽は同じ人だとしても役者さんが凄いなと思う。

あの佐藤江梨子と森山未來の世界だ。

       

      「LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版」予告編

 

同じ3.11をテーマにした若者が主人公のドラマをテレビで見た。

NHK「ラジオ」というドラマで舞台は宮城県女川だったと記憶する。

刈谷友衣子という女優が主人公を演じてた。

あの子よかったな。

あのドラマ以来見ないけどどうしてるんだろ。

彼女の詩のようなモノローグが胸に迫る。

   町は被災地と呼ばれた。
   ただの高校生が被災者と呼ばれた。
   あの子は思い出になった。
   上を向いて歩こうと、見上げる空は虚無の青。
   頬を伝う涙なんて、とっくの昔に枯れちゃった。

今日見た映画の主人公たちは小学生のときに震災に遭った。

僕が1.17を体験したのは大人になってからだった。

幸い身内に死んだ人はいなかった。

小中学生で体験するっのて影響力が違うだろうな。

家族や親戚、友人を亡くしてたら尚更だ。

映画が進むにしたがってその重さが見る者に伝わってくる。

 

福島の捨てられた町への旅にひとり神戸生まれの教師が同行する。

彼も小学生のときに1.17を体験し兄を亡くしている。(父も?)

否応なしに1.17と3.11が比べてしまう。

僕も自然と凄さ比べ、被害の大きさ比べをしてしまうことがよくある。

スケールや二次被害は3.11のが凄かっただろうけど地震のパンチ力は1.17だ、とか。

子供じみた話だけど。

教師のセリフにある。

「 傷ついた故郷を 元の姿に戻そう、って朝海に歌うたわせるのは暴力やな 」

 1.17と3.11との間にある断層が原発事故と津波だ。

 

主人公の朝海を演じた石井杏奈がよかった。

友人のピンクの髪の娘(NMB48)も等身大の高校生をうまく演じていた。

まえだまえだのお兄さんが演じたダサい青年も、津波で家族を失った勝役の子もいい。

教師役は渡辺大知という役者、神戸生まれで幼い頃に1.17を体験している。

いまの二十代の教師ってあんな感じなんだろうな。

森山未來ばりの独白シーン、恋人(?)である朝海とのぎこちない感じも上手く演じていた。

彼は最近見た映画「くちびるに歌を」で自閉症の青年を演じていた。

 

映画のテーマソングとなっていたのは1.17によく聞く「しあわせ運べるように」。

確かにこの歌詞にはわかっていても素直になれない圧力や教育臭がある。

ところが…「特別な一日」でも触れられているが、映画の最後に聞くとなぜか胸に迫る。

語られる言葉はそれほど問題ではないのかもしれない。

ではいったいどうして素直に感動出来たのか。

もういちど映画を観て考えてみよう。

 

渡辺大知は黒猫チェルシーというバンドのヴォーカルであるらしい。

確かにインディーズ系、パンク系の声質だ。

黒猫チェルシーのヴォーカル 渡辺 大知 しあわせ運べるように

川嶋あい しあわせ運べるように

 

この映画の白眉は「GIG つもり」を浪江町で町民のエキストラを使って歌い踊るシーンだった。

まるでフェリーニの映画みたい。

おお、二階堂和美が歌ってるじゃないか。

このシーンの動画だけでももう一度見たいな。

 

つ・も・り

放射能は  ないつもり
爆発なんて ないつもり
強い絆が  あるつもり
だから心配ない つ・も・り
3.11はなかった つもり
地震も津波もない  つもり
日本がひとつである つもり
それで安心な つ・も・り

 

 

…桃の節句も走る。

芦屋浜中央綠道の片道2キロ折り返して4キロ、アップダウンあり。

キロ平均5分半のペース走、これでもいっぱいいっぱい。

昨日より今日、今日より明日、少しずつペースアップ。

ちょっと前進してることが嬉しい。

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鋭意工事中。

エレベーターは使えません。

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これを一日一往復、ジョギングすれば2往復、筋トレに行けば3往復、忘れものしたら4往復。

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黄色と緑のお重が食卓に。
錦糸卵に菜の花、その正体は焼き穴子弁当でした。
ひな祭りだから蛤の吸い物。

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前述のようにちょこっとだけ仕事して京都へ映画を見に行く。
終了寸前でつかまえた「LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版 」
「その街のこども」や「あまちゃん」の監督と大友良英の音楽。
何の割引もなく久しぶりに1800円払って見た。
1800円出しても惜しくない出来、必見!
でも関西での上映は明日までかも。

 

京都独酌。
四富会館 「たすく」のカウンターの人になる。
桃の節句、突きだしが手鞠ずしに巻き寿司、ポテサラ etc.
おひな様プレートは絶品のあじわい。
泡一杯に赤二杯。
ひさびさにニッポンの葡萄酒を堪能。

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