また南木佳士ですか、と思われるでしょう。
前にも書きましたがこの人の文章は精神安定剤なのです。
苛立ったりしたとき、落ちこんだと、悲観的になったとき、心がざわつくとき、
そんな時に読むと深呼吸したような気分になれる。
勇気づけてくれる、というのとは違う。
自分が感じていることを美しい文章で表現してくれる。
そうそう、そうなんです。
自分の言いたかったことを上手く言い表してくれると不思議と人は少しだけ楽になる。
これは最初のエッセイ集が文庫化されたもの。
37歳前後に書かれたもの。
このあと作家はこころの病で自ら命を絶つことまで考えるようになった。
これまではその後に書かれたエッセイばかり読んでいたことになる。
ビフォーアフター、ベースは変わっていないが、ほんの少し諦念が増し、脂気が落ちた気がする。
