ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2023/01/10 (月) 「こんど来る時は…」から「もう来ないだろうな」

いまでも年に一度か二度は ひとり旅 に出る。

確信犯的に一人で計画して出かけることもあるし、仕事やつき合いをからめて、

前乗りしたり、延泊したりして単独行動を楽しむこともある。

海外へはプライベートでは2007年の英国ウェールズ、フィンランド以降は行ってない。

仕事では2006年メジャーリーガーの引退特番で行った米西海岸が最後だ。

 

いつからだろうか?。

ある場所を旅する。

いいとこだな、と思ったり、期待外れだなと感じたり。

そのとき「今度ここに来たときは…」と心でつぶやく。

たいていは次回があるものだと思っていた。

「今度来るとき…」がしだいに「ここに来るのは最後だろうな」に変わっていく。

そう思うことが多くなったのは何歳くらいだったろう。

「また誰かと来たいな」が、「もう無理かもしれないな」と思うようになる。

その境目はいつだったのか?

いつどこへ行ったときにそう思ったのか?

その場所との距離にも、難易度にもよるけど、今の時点でこれから行くところは、

たいていは最後の旅だと思っている。

 

先日、ブックファーストへ行ったとき、旅行ガイド本コーナーに並んでいた

「地球の歩き方」のタイトルに気を惹かれ、何冊か手にとってパラパラやった。

「世界のすごい島300」とか「世界の麺類」とか「世界のすごい城と宮殿」とか。

「ガチ冒険」シリーズとか、「大人の旅」シリーズとかにも細分化されてて興味が惹かれる。

現地に行かなくてもパラパラと観るだけで楽しい。

あわよくば行ってしまうことだって不可能じゃない。(あわよくば…って変だけど)

 

 

僕も大学時代のバックパックの旅では「地球の歩き方」にお世話になった。

使わなくなったのはいつからだろうか。

実用的であるという理由で英語版の Let's Go シリーズをしばらく使った。

最後となったウェールズやフィンランドの旅にガイドブックは持って行かなかったと思う。

まだスマホは持っていなかったけど、旅する前にざっくりとパソコンで調べ物や予約をして、

あとは現地で調整するという感じだったかな。

どちらにしても「歩き方」や「Let's Go」なしでもやっていけた。

Let's Go シリーズは「地球の歩き方」より予算的に安い旅に向いていたし、
より実用的な使える情報が載っていたと思う。今考えるとこれだって重いし嵩張るよね。

たまたまTVerオリジナル番組の「最強の時間割」を観た。

昔で言えばNHKの「トップランナー」みたいなに各界のカリスマを招いてトークする。

たまたま「地球の歩き方」の編集長が講師だった。

TVerオリジナル番組TVerオリジナル番組「最強の時間割」
https://tver.jp/episodes/epmampbhve 

「地球の歩き方」は売り上げが激減した。

全国で一冊も売れない日もあったという。

原因はインターネットの普及、スマホの普及、追い打ちをかけた新型コロナ。

売り上げは95%減になった。

発行はダイヤモンド社、普通ならシリーズそのものを廃刊にしてる。

驚くべきことに、その瀕死の「歩き方」がこの編集長とスタッフの手腕でV字回復した。

ピンチ=チャンス 回復の軌跡、その理由を紐解くという内容は面白かった。

僕がブックファーストでパラパラ読んだ面白さの発想、原点はここにあったのか。

今から旅に出る人が読むガイドブックではなく、旅心を刺激して、旅に出ようと思わせる本。

面白い発想。

でも……ある意味でこども化している、退化している日本人を象徴している現象だとも思った。

prtimes.jp