【 12.03 日録 】
ヒロがフルーツサンドを作ってくれた。
上等の珈琲と合う。
朝のぜいたく。
ダラダラと起きて、ダラダラと午前中を過ごす。
現在、トイレ本は松尾諭「フラッパー」、トイレに行くのがマジ楽しい。
武庫川団地に住む中坊のサトルは同じ中学の女子に告白してはふられ続ける。
高校生の頃に読んだ武田鉄矢「ふられ虫の唄」という本を思い出した。
これは平成版ふられ虫の唄だ。
ダラダラした身体をさらにほぐそうと、あるいは気合いを入れようとプールへ行く。
隣のレーンにゴーグルしたまま、マスクして黙々と歩く男がいた。
前にも一度見かけた。
そのレーンには誰も入らない。
入ってくるな、という空気を放っている。
彼はなぜ、そこまでしてスイミングに来るのか?
ある種の免疫不全の病でもあるのか?
彼が隣のレーンにいると、ある種のノイズを感じて心がザワつく。
長野で飼っていた熊に襲われ死んだ男(75)のニュースを知る。
山に捨て置かれた病気の子グマを手当して、いっしょに暮らすようになって20年。
75歳の男は肺の病に罹っていたという。
その熊、ぺっぺは銃で殺された。
ぺっぺ哀し。
家族や近所の人の証言が泣かせる。
12月2日、事故から4日経過し、丸山さんの家族が心境を語ってくれました。
丸山明さんの妹・小平眞弓さん
「クマも一緒にいってくれたから、よかったな」丸山明さんの弟・中嶋達郎さん
「憎しみはないですね。恨みは何も持っていません。兄貴も喜んでいるかもしれない、一緒にいったから」昔から動物好きだったという丸山さんは、19年前、親とはぐれた赤ちゃんグマを見つけました。その翌日も同じ場所に行くと、赤ちゃんグマが身動きをとれずに弱っていたため、県の許可を得て、保護したといいます。「ペッペ」と名付けました。
ペッペは、まるで家族の一員のように、19年ともに暮らしていました。
丸山さんの弟・中嶋達郎さん
「話をしていたようです。兄弟同士で話をするような感じ。『どうした』とか『腹減ったか』とか。俺らも相撲とったり、じゃれて遊びましたからね。これは犬と遊んでますね」丸山さんは穏やかな表情で息を引き取ったといいます。丸山さんの妹・小平眞弓さんは、「(天国で)一緒に遊んでるかな」と話しました
「兄貴は動物が大好きで、鹿だって兄貴が呼べば近くに寄ってくるほどだった。ペッペも子グマのころは猫みたいに小さくて、孫たちが相撲取って遊んだりしてたよ。
でもやっぱり野獣なんだよな。20年も一緒に暮らした兄貴がやられちゃうなんて。向こうがじゃれてるつもりでも力はすごいんだから。
ペッペに怒りはないよ。本人が好きで飼っていたんだし、よその人が怪我しなくてよかった。兄貴も身体悪くして弱っていて『もう長くないと思うから遺影も撮った』なんて言ってたからね。あの世でもペッペのこと悪く言ってないと思うよ」「近所の人だけじゃなくて、松本市内から車で来た親子連れに『クマ飼ってるお家はどこですか』ってよく尋ねられたから、アイドルみたいな存在だったんじゃないか。餌はリンゴや柿をあげていたと思う。でも丸山さんは一度、エサやりの時に指を噛まれたことがあって、それからは革手袋してエサやりするなど用心してたんだけどね。身体も丈夫な人だったけど、最近は肺を悪くして、吸入用の酸素を背負って歩いていたなあ。ペッペのことが大好きだったから、切ないね」