晴れの予報だったのに曇っている。
昨日の夜にamazonプライムで見始めた映画、今朝残り40分ほどを見終わる。
「わたしの叔父さん onkel 」というデンマーク映画、しずかな佳作でした。
ユトランド半島で酪農を営む老人とその姪クリスティーナの日常を淡々と描いたもの。
27歳のクリスティーナにはかつて獣医になる夢があり、その能力もあったのだが、
両親がいなくなり(詳しくは描かれてなかったが父親は自殺)、叔父と暮らすことになった。
いつからなのかもわからない。
叔父さんを演じた俳優は素人で、味のある顔をしている。
実際に彼は農夫で、舞台となった家も彼の家。
実はクリスを演じた女優の本当の叔父らしい。
とにかくリアル。
叔父さんは足が不自由でベッドから起こして着替えをするのをクリスが手伝う。
農場内を歩くには歩行器が必要だ。
二人が起きる、朝食を食べる、牛舎で働く、夕食を食べる、ゲームをする、寝る。
たまにスーパーマーケットへ二人で出かける。
食卓にはいつもレビのニュースの音声が流れる。
ドイツのデモや、シリア難民、北朝鮮の核開発など国際ニュースばかり。
なぜかデンマークの国内ニュースは流れない。
デンマークの農村を舞台に、体の不自由な叔父と一緒に家畜の世話をして生きてきた女性に訪れる人生の転機を、時にユーモアを交えながら美しい映像で描いたヒューマンドラマ。幼い頃に両親を亡くし、体の不自由な叔父と2人で暮らす27歳の女性クリスは、家業である酪農の仕事を手伝いながら日々を穏やかに淡々と過ごしている。そんな彼女には、獣医になるという夢があった。ある時、教会で出会った青年マイクからデートに誘われたクリスは、訪れる変化に戸惑いながらも胸のときめきを隠せない。将来の夢と恋に悩むクリスに気付いた叔父は、姪の幸せを静かに後押しするが……。2019年・第32回東京国際映画祭コンペティション部門で最高賞にあたる東京グランプリを受賞した。
2019年製作/110分/G/デンマーク 原題:Onkel 配給:マジックアワー
ポスターのコピーは「いつかは…」
いつか二人の暮らしも終わる。
クリスは獣医になるか、結婚するか、あるいは叔父さんが他界するか。
いつかは家を出てゆくのだろうなと誰もが思う。
映画の中にそんな気配も漂う。
叔父も、不器用にもそれとなく後押しする。
これって小津安二郎の「秋刀魚の味」みたいだなと思った。
小津映画には婚期を逃しそうな娘と父親の物語が他にもあったと記憶する。
レビューを読むと「わたしの叔父さん」の監督は小津映画をリスペクトしているそうだ。
デンマーク版「秋刀魚の味」か…。
午後から出勤する。
仮編集を土曜オンエア分と日曜のオンエア分の2本をチェックする。
久々に天満でひとり吞み。
これも久々に「酒の奥田」に立つ。
アクリル板で仕切られたスペース、そのカウンターが担当のおっさんと相性が悪かった。
ちょっとしたオーダーがうまくいかない。
お酒やつまみの選択も間違った気がする。
うまくいかない。
采配ミスの独酌となる。
でも会計担当の若いスタッフに「えーとおにいさんは…1320円ね」と言われる。
関西のこの手の居酒屋では、男性客は、“おにいさん” か “おとうさん” で、
人にも寄るのだろうけど、かなりの年配者で、禿げたり、白髪だったりすると
たいていは “おとうさん” で、その他は “おにいさん” になる。
65歳で “おにいさん” はどうなんだ?
もっとくだけた店だと、“にいちゃん” になるけど、さすがにこれはない。
飲みが不満足のちきは二軒目、あるいは〆を呼ぶ。
天神橋商店街の「くそオヤジ最後のひとふり」という店。
ここは貝出汁ラーメンの店でいつも行列が出来てるのに今日は誰も並んでなかった。
あさりラーメンと晩酌セットを注文する。
なぜかセットのビールはベルギービールのヒューガルテン生だ。
煮玉子とチャーシューには普通のラガーのが合うと思ったが…。
あさりラーメンを食べてみてわかったが、ここは僕らみたいなおっさん相手ではなく。
若い男女がターゲットなので、ヒューガルテンでいいのかも?
朝にデンマーク映画を見て、夕にベルギービールを飲む。
グルメ系のブログで評判の貝出汁あさりラーメンを食べてみた。
うーん……行列つくってまで食べたいものではないな。
これだったら煮干しだしの「洛二神」の方が好みだな。
谷六の「スタンドそのだ」のラーメンもあさり出汁でここよりパンチが効いていた。
采配ミスで始まった天満独酌はかなり不発に終わる。
いつもより食べ過ぎた。
おいしくないもので弱い胃腸を酷使しないこと。