“何を見てもなにかを思い出す” という年頃です。
もちろん “ちょっと思い出しただけ” で、何か行動するきっかけになるわけではありませんが。
自分はこうなりたい、いつか変わるんだ。
数年後の自分は変わっていくんだろうな、と疑いもなく思っていたころ、
世界は変わらずおおむね平和で、わずかだけど徐々に良い方に向かって、
このままずっと続くのだろうなと、ぼんやりと、疑いもなく思っていた。
僕らは…しあわせな時代に生きてきたのだ、と思う。
あのころの未来に僕らは立っている。
自分はたいして変わらないまま、いつのまに世界が変わってしまった。
愛読しているブログ「あとは野となれ山となれ」でテレ東ドラマ「鉄オタ道子、2万キロ」に
触れていて、夜、最新の回を見逃し配信で観た。
舞台は薩摩半島、開聞岳のふもとの西大山駅、青春18きっぷのポスターで観たことがある。
そして、僕は、実際にこの駅に行った?いや行ってないかな?なんて思い出そうとしていた。
あれは母が還暦になる頃だろうか。
(いま自分がその年齢を越えている…なんてことだ!)
一度も飛行機に乗ったことがない母を乗せてやろうと旅先に鹿児島を選んだ。
鹿児島市内で桜島を見て、指宿温泉に泊まった。
航空券と宿がセットになっているJASのパックツアーだった。
指宿に泊まった翌日は二人で観光バスツアーに参加した。
そのままバスで鹿児島市内まで行けるツアーだった。
当時、僕はまだ運転免許を持っていなかった。
ツアーは開聞岳をかすめて指宿から枕崎あたりをめぐったのだと思う。
実はあんまり記憶がない。
今とは違って、日本の田舎にそれほど興味が持てなかったのだろう。
もったいないことをしたと思う。
ただ、少ないツアー客でも、鹿児島弁を披露したり、歌をうたったり、
がんばって案内をしてくれた小西真奈美似のかわいいバスガイドさんのことは憶えている。
秀麗な開聞岳の姿はあのころも今も変わっていない。
あのころ、自分は成長し、変わるのだと思って生きていた。
今より明日、明日より1年後、1年後より5年後、今より痩せてカッコ良くなり、
稼ぎも増えて、もっと自由に、もっと軽やかに、もっと豊かになると。
自分が変わることを夢見てはいたけど、自分は変わらず、世界が先に変わってしまった。
取り残された気分。
世界が変わる なんてことはあのころ想像もしなかった。
数日前に戦争が始まった。
ロシアが隣国をなぜ攻撃するのか、その理由がよくわからない戦争が。
誰かが書いていた。
日中戦争のはじまりに似ている。
嘘つきは戦争の始まり。
あのころの未来に 僕らは立っているのかな
すべては思うほど うまくはいかないみたいだ
このままどこまでも 日々は続いていくのかな (夜空のムコウ)
朝、図書館へ行く。
その帰り、夙川沿いの梅もようやく満開近くなってきた。
連日の出勤。
編集チェックやら、スタジオの選定やら、沖縄取材の準備やら…。
そうそうPCR検査を受けないといけなかった。
唾液を採取して郵送する。
これくらい仕事すると疲れた。
今日は飲まないつもりだったが、サイゼ吞みをしてしまう。
スマホでフィギュアスケートの記事や書き込みコメントを長時間読んでいるヒロに、
タブレットを買ってやろうと思い、amazon FIRE をyahooショップで購入した。
iPadに比べ、破壊的に安いのだ。
でも、届いてセッティングして使うと、アンドロイドOSなのでMacユーザーには馴染めない。
記事も文字をピンチで拡大しないと読みにくい。
うーむ、安物買いの銭失い。
もちろん、1万以下でこれくらい何でも出来たら文句はないのだが…。