ぽっかりと暇になった冬の日、ひとりで滋賀へ出かけた。
今日から数日は冬型の気圧配置、かなり冷えこむらしい。
六甲で茶屋吞みをしようかとA部氏を誘ったが、平日は昼まで営業で叶わず。
「塞王の楯」の舞台となった京極高次の大津城跡、去年12月に日吉大社へ行ったときに
時間がなく行けなかった明智光秀の坂本城跡、ついでに百人一首かるたの聖地で、映画
「ちはやふる」の舞台となった近江神宮を歩いてみよう。
しんどくなったら電アシのレンタサイクルを借りてもいいな。
帰りに京阪で三条へ出て、“ひとり呑む 京都” 赤垣屋にでも行こう。
そんな愉しい一日を思い描いて近江日帰りの旅に出たのであった。
思えば、ここんとこ、日帰り旅の目的地として滋賀県がやたらと多い。
去年12月に帰省途中で大雪の彦根を歩き、同じ12月、ヒロと日吉大社(大津)、11
月にひとりで湖東をブロンプトンで輪行、眼鏡堂氏やA部氏と彦根で吞んだりもした。
近江が好きだった司馬遼太郎さん以上に、還暦超えてからの旅先として愛してやまない。(笑)
【きょう一日の行動ログ】*赤字がこの日記に記した行程
自宅〜[🚲自転車]〜JR西ノ宮駅 〜[🚞JR]〜からJR大津駅〜[🚶徒歩]〜
京阪浜大津駅(大津城跡🏯→大津港🚢→旧大津公会堂)〜[🚊京阪電車]〜近江神宮駅
[🚶徒歩]〜近江神宮〜[🚶徒歩]〜南滋賀駅〜[🚊京阪電車]〜比叡山坂本駅〜[🚶徒歩]
〜昼食@日吉そば〜[🚶徒歩]〜滋賀院門跡〜[🚶徒歩]〜坂本城跡🏯〜[🚶徒歩]〜
穴太駅〜[🚊京阪電車]〜三井寺駅〜[🚶徒歩]〜浜大津駅〜[🚊京阪 京津線]〜三条駅
〜[🚶徒歩](赤垣屋経由)〜祇園四条「遊亀」にて晩酌〜[🚶徒歩]〜阪急河原町駅
[🚞阪急電車]〜阪急梅田駅〜[🚶徒歩]〜JR大阪駅〜[🚞JR]〜JR西ノ宮駅
〜[🚲自転車]〜自宅
長くなりすぎないように日記を5編に分けた。
一編ずつ自らの記録として追記してアップしよう。
先ずは#1大津編から。
大津は言うまでも無く滋賀県の県庁所在地であるが、捉えどころのない街だった。
思い浮かぶ画は…琵琶湖、大津駅から湖岸へ下る広い道路、路面電車(京阪)、古い商店街。
すぐに忘れてしまうがここは大津京、かつての都だった。
波乱の天皇家、天智天皇が白村江の戦いに敗れ、大陸から唐が攻めてくるかもとビビって、
海に近い奈良 飛鳥の地から内陸の大津に遷都したのだ。
わずか5年の都だった。
壬申の乱で荒廃、以降、歴史的には琵琶湖水運の要所、江戸期は東海道の宿場として栄えた。
廃藩置県のあと、彦根、長浜を中心とした犬上県と大津を中心とした大津県が合併、
大津に県庁所在地が決まったのは江戸幕府に近かった彦根が新政府から嫌われたからだろうか。
以後も彦根へ県庁移転の運動は何度も起こったと記録にある。
個人的な思い出はいくつかある。
初めて訪れたのは高校2年の時、京都への一泊二日の一人旅だった。
1970年代半ば、当時高校生が泊まる宿といえばユースホステルだった。
夏休みで京都市内のユースが満室、やむなく大津の皇子山ユースに宿をとった。
正式名は国立大津ユースホステルセンター、今はもうない。
国立だけにかなりの大箱だった記憶があり、夏休みで賑わっていた。
おそらく最寄りは京阪電車の皇子山駅だったと記憶するが、今はその名前の駅はない。
とにかく、そのユースホステルが僕が生まれた初めて単独泊したメモリアルは宿なのだ。
検索したら写真が残っていた。
当時、日本最大のユースホステルだったらしい。
まだ外国人観光客も少なく、たいていの宿泊者は京都観光の学生だった。
たった一泊二日だったのに、記憶の密度が濃いのは何故だろう。
このとき、京阪の京津線から見た大津の街が最初の出会いだった。
次はずーっと時代は移る。
もうスポーツのディレクターとして働いていた30代になった頃。
大学ヨット部の取材で大津に通い詰めた。
取材対象の立命館大学と同志社の艇庫が大津にあったのだ。
本格的なスポーツドキュメンタリー番組を担当したのはそれが初めてだった。
「風と波の青春」という恥ずかしいタイトルで、ヨット部OBがYou-Tubeにアップしてたが、
今はもう削除された。
そして、時はまた過ぎる。
50代からは何度かエントリーした琶湖レイクサイドマラソンのスタート地点としての大津だ。
2015年が最初だったか?
このハーフマラソンで出した記録が僕の自己ベスト1時間55分48秒(56歳当時)なのだ。
もちろんたいした記録でもないが、1キロ5分台なんて今では考えられない。
気を良くしてその後も毎年エントリーしていた。
何しろ冬の琵琶湖畔はコースも美しい。
しかし、2020年はコロナで中止、今はオンライン開催となってしまった。
大津の思い出を記していたら長くなって本記になかなか入れない。
トシヨリが記憶を遡るとこんなことになる。
それだけ思い出しストックが多いことを素直に喜ぶことにしよう。
今に何もかもがおぼろげになり、思い出すこともなくなってくるだろうし。(哀)
今回の目的は、それまで素通りしていた浜大津の中心部にある大津城跡を訪ねることだ。
直木賞受章作「塞王の楯」を読んで、自分の中に物語で記憶された。
もうひとつの関ヶ原と言われる大津籠城戦の舞台。
大津城を攻める西軍の大軍勢を足止めし、東軍の勝利に貢献したという戦の舞台。
その地に立ちたいと思った。
それまで何度も立っているのに…。(笑)
知らないというのは、存在しないと同義だと痛感する。
以後は例により写真とキャプションで綴ります。
酒蔵は江戸初期の創業出そう。
【滋賀の酒蔵を訪ねる①】[平井商店]/大津 - M [エム] KYOTO by Leaf