山側の王子動物園からそのまま海側へ坂を下りる。
途中、JR灘駅のコンコースを通過して、阪神岩屋駅前を歩き、海沿いの美術館。
コロナ態勢で要予約だが、空いていれば現地で申請できる。
空いていたので、招待券ですんなり入ることが出来た。
古代エジプト展と同時開催のコレクション展2つを巡回する。
この古代エジプト展はオランダの国立ライデン博物館所蔵のものを集めたもの。
同じ時期、2月5日から神戸市立博物館でミイラ展が開催されるようだ。
こちらは大英博物館所蔵のものらしいが、同時期にミイラが神戸に集まるのか!
3000年以上前のエジプト人もこれは想像もしなかっただろうな。
今回の展覧会を見て知ったのだが、国や博物館単位で発掘現場が違うので時代も少しずつ違う。
ライデン博物館の発掘現場はデルタ地帯(カイロ周辺)に数カ所、ナイル上流のテーベにもある。
ずっと立って見て回るのは疲れるが、展覧会は興味深かった。
エジプト文明というのは紀元前3000年くらいから紀元前後のローマ帝国時代までめちゃ長い。
世界史の授業くらいで、ちゃんと本を読んだことがなかったから発見が多かった。
そうか、エジプト文明はナイル川の流域の上流から下流まで広範囲にあったのか。
テーベ(ルクソール)とカイロやギザはこんなに離れていたのか。
ミイラの棺と布でグルグル巻きになったミイラの展示が今回の目玉だ。
でも、こんなものをエジプトの遺跡から持ち出してきていいのだろうか?
この動画にもあるが、今までのレントゲン撮影では難しかったミイラの内部が、
ここ数十年の間に開発されたCTスキャンで細部の層が明らかになった。
ここで疑問、X線撮影とMRIとCTとの違いは?
X線は放射線、MRIは磁気、CTは?
CT検査は、X線を使って行います。
体の周囲からX線をあてて、体の中の吸収率の違いをコンピューターで処理し、体の断面を画像にします。断面にする画像の厚みの設定は、撮影する部位や検査の目的に応じて適切に決められています。検査の目的によっては、造影剤を使用する場合があります。
つまりCTも放射線を使う。
つまり最新のコンピュータ解析の技術と組み合わせて何層にも断面を見ることが可能。
まさにグルグル巻にされたものを可視化できる技術なのだ。
展示されていた数体のミイラの内臓には土でできた人形が埋め込まれていた。
それが発見されたのも最近のことなのだ。
シャブティと呼ばれる小像は死者の身代わりとして、来世で死者に課された労役を代行する呪術的な力をもつと信じられた。本品は、アメン神の歌い手、ヘヌウトメヒトのために製作されたシャブティの一部で、来世で必要となる農具を携えたものもある。