ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2021/09/07 Tue. 見張り台から発見したものは?

きのうの日記は詩で始まった。

コメントをもらってふと考えた。

自分の記憶に棲みついている詩って何だろうと。

まず「ネロ」(谷川俊太郎)、次に茨木のり子の何編か。

「六月」がいい。

どこかに美しい村はないか

この詩を読むと冷えた黒ビールが飲みたくなる。

伊藤整の詩も好きだ。

7月の始めにフェリーで北海道の小樽へ渡った。

1990年、夏の始めの北海道は気持ちいい青空が何日も続いた。

小樽出身の伊藤整が書いた詩。

はつ夏の日はかがやく 友よ 学校の帰りに海辺をさまよって

まばらに草の生えた丘の上に 足を投げ出して 紺碧の海を

また数少なく碇泊している汽船を眺めるのは 何と心地よいことだろう

ネットで検索してもヒットしない。

たぶん当時持っていた小樽のガイドブックかパンフレットに引用してあったのだろう。

旅の日記に一部が書き写してある。

「ネロ」(谷川俊太郎)、「六月」(茨木のり子)、「題名不明」(伊藤整)

どれも夏、初夏をうたっている。

5月から7月のまだ青年期の、右肩上がりの精神状態が好きなのだろう。

僕のエバーグリーン3編です。

 

外国の詩ではこの2編。

レオモンド・カーバー「少なくとも」とヴィスワヴァ・シンボルスカ「終わりと始まり」

「少なくとも」は村上春樹訳より黒田絵美子訳が好きだ。

入院中のセルジオに聞いたら、谷川俊太郎、三好豊一郎、清岡卓行がベスト3だとか。

交信しているうちに思い出した。

三好達治の「甃のうへ」も好きな詩だった。

これも春から初夏、季節をうたったものだ。

 

きょうは朝イチでWEB記事用の対談(インタビュー)の進行役をする。

若い起業家二人に新しいプロジェクトの概要とビジョンを聞く。

彼らはまだ三十代、盛夏とも言えるグリーンな世代。

70分ほど話を聞く。

もうひとつ面倒な案件もなんとか片をつける。

 

3時前に撤収。

映画を観よう。

キューズモール尼崎のフードコートにあるリンガーハットでちゃんぽん小と餃子のセットを食べる。

まだ上映まで時間がある。

ゆっくりと買いものをする。

カルディで珈琲豆、無印良品で酒類を入れる350mlの容器とかマスクとかを買う。

キャンプ用のレトルトカレーやスパゲッティのソースとかも買う。

ユニクロや大垣書店も行くが何も買わなかった。

 

「モンタナの目撃者」@MOVIXあまがさき

ポイントが貯まったので無料で観る。

大きめのスクリーン、16時55分の回、客は僕を入れて6人ほど。

「ボーダーライン」などの脚本を書いたテイラー・シェリダンの監督最新作。

一昨年だったかの「ウインド・リバー」が素晴らしかったので興味があった。

真夏、クソ暑い神戸で極寒の地を舞台にして映画を観て涼をとったことが記憶に新しい。

主演のFBI捜査官エリザベス・オルセンや、存在感ある謎の男ジェレミー・コナーにも惹かれた。

さて今作の主演は大スター アンジェリーナ・ジョリー。

実はこれが逆にちょっと気になるとこだったが杞憂だった。

f:id:shioshiohida:20210907224807j:plain

極寒と灼熱 真逆の舞台でシェリダン・サスペンス。

アンジェリーナ・ジョリーが主演を務め、大自然の脅威と暗殺者から少年を守るべく戦う森林消防隊員を描いたサバイバルサスペンス。過去に悲惨な事件を目撃したことで心に大きなトラウマを抱える森林消防隊員ハンナは、ある日の勤務中、目の前で父親を暗殺者に殺された少年コナーと出会う。コナーは父親が命懸けで守り抜いた秘密を握る唯一の生存者であるため、暗殺者に追われる身となっていた。コナーを守り抜くことを決意するハンナだったが、2人の行く手に大規模な山林火災が立ちはだかる。

監督・脚本は「ウインド・リバー」のテイラー・シェリダン。共演に「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のニコラス・ホルト、「ボヘミアン・ラプソディ」のエイダン・ギレン、「ボーダーライン」のジョン・バーンサル。2021年製作/100分/G/アメリカ

原題:Those Who Wish Me Dead 配給:ワーナー・ブラザース映画

 

ちょっと一本調子かなと思えたが最後までサスペンスに満ちて飽きずに観られた。

さすがテイラー・シェリダン、ハズさない。

だけど、設定がちょっと納得いかないとこがある。

いまどき極秘の書類を紙に書いて息子に託すか?

いまどきその書類をテレビ局に渡せば真実が暴かれるか?

いまどき…いまどき…という疑問が次々と沸く。

それを忘れて見たら…決して悪くない。

アメリカ北西部の山岳地帯、雷の恐ろしさを映像で知る。

山火事のほとんどの原因は落雷らしい。

冒頭のパラシュート部隊が火事の最前線に降下するシーンは見ものだった。

そして、一転してフロリダの住宅街、無慈悲な爆殺。

テイラー・シェリダンの映画ですね。

映画の中で一番カッコ良かったのは妊婦のアリソン。

サバイバルスクールの訓練生だったことを忘れてたと思ったら…

絶体絶命からの反逆劇、その後、馬にまたがっての追跡劇。

圧巻でした。

 

f:id:shioshiohida:20210712145946j:plain

トラウマを抱えた消防隊員が発見したものは?

 

アンジェリーナ・ジョリーが単独勤務する見張り台。

ボブ・ディランが歌う Watch Tower ってこれなんだ。

この見張り台は山火事を発見するためのもの。

ディランの歌の見張り台は何を見つけるんだっけ?

アンジェリーナ・ジョリーの映画でいいと思ったのはイーストウッドの「チェンジリング」だ。

あの話は恐かった。

映画のサスペンスも効いていた。