朝、パソコン画面をONにするとオリンピック関連のニュースばかりでうんざりする。
海外在住、ヨーロッパ在住の日本人のブログを読むようになったのはコロナ以後だ。
ジャーナリストではない普通の人が日本を、世界をどう見ているのか知ることが出来る。
スコットランド在住の女性が書いている。
毎日 ユーモアと皮肉を絶妙にまぜながら “読ませる” ブログをアップしてくれる。
僕が毎朝オリンピック関連のニュースを読んでうんざりすることを指摘してくれている。
同時に私が今回の五輪を巡る
大衆世論の流れを見ていて
悲しくそして不安になるのは
これを論点として人々の間に
亀裂が入ってしまっていること。
相互理解を錦の御旗とする
五輪をきっかけに何故
我々は感情的に
対立しないとアカンのか。
開催派が中止派を
非愛国的と罵り
中止派が開催派を
金の亡者と罵倒する、
こんな事態から
誰が利益を得るというのか。
このあと、いつもの“底意地の悪い”ユーモアを交えて持論を展開するのだが、この指摘は同感だ。
無理筋で推進してる人は当然気分が悪い。
でも、いままで“おもてなしオリンピックいいね”なんて浮かれてた人が、
コロナを病的に恐れて突然反対にまわったりしてて、この手の人に気持ち悪さを感じる。
外人が歩いてるだけで悲鳴を上げそうな人たち。
僕の身の回りにもいるが、あまりに感情的で、とても同じ船に乗りたくない。
反対してる中にも分断があって、コロナが理由の人と、それだけじゃない人がいる。
そもそもコロナなんかなくても嘘つきが始めた不実の大会だから僕は気が進まないのだ。
ブログが指摘する推進、反対だけの亀裂だけじゃなく、反対の中にも亀裂があるのだ。
こんなつまらなさそうな制限だらけのイベント、コロナが収まってからやったら?
誰も楽しくないしさ、というのが本音。
中止にすると何十兆円、延期にすると何十兆円かかるとかいうの止めましょう。
いったん忘れて宣伝活動とかも一切しないことにするってのは駄目なの?
また今日もタスクのスタートダッシュに失敗する。
でも、いいかげんに自分にもうんざりするから、少しでも前に進もうと原稿に手をつける。
作業量としては2時間か3時間集中すれば終わるのだけど、まず1時間やってみよう。
結局、終わらなかったが、なんとか明日中にはメドがつく。
お昼前に走る。
土曜日、御前浜には大勢のグループ、家族連れが集まっている。
兵庫県の感染者数は3日連続で100人を下回っている。
この数字が多いのか少ないのかわからない。
開催地の東京も減ってはいるが436人、全国で2577人だから5分の1が東京か…。
東京都民がナーバスになるのもわかる気がする。
ちょっと前まで 関西は危ないから大丈夫?って言われてたが…。
きのうの「キューポラ…」に続き吉永小百合代表作を観た。
「いつでも夢を」東京オリンピックの前年、1月11日に公開された正月映画。
キューポラは埼玉の川口だったが、この映画も舞台は東京の荒川べりの工業地帯。
関東の地理は詳しくないけど北区の赤羽とか北千住あたりだろう。
僕の育った刈谷市も愛知県の工業都市で、トヨタ系の大企業と下請けの中小企業の街だ。
親戚も友だちの家もほとんどが工場勤めの家庭で狭い社宅か長屋に住んでいた。
工場勤めの家の子はたいていが同じ会社かその関連会社に勤める。
周りに背広を着たホワイトカラーはいなかった。
ほぼ9割が工場労働者 ブルーカラーだった。
大学に行ったのは知ってる限り親戚中で僕が最初だった。
この映画に登場する浜田光夫の弟たち(小学生)は…僕だ。
だから「キューポラ…」やこの「いつでも夢を」の舞台は懐かしく感じる。
東京下町の工場地帯を舞台とした、高度成長下の若者たちの青春群像。看護婦のひかる(吉永小百合)と、彼女に想いを寄せる工員の勝利(浜田光夫)は、共に働きながら夜間高校で学んでいる。そこへ新入りのトラック運転手の留次(橋幸夫)が現れ、勝利と竜次は恋のライバルとなる。貧しくとも幸せを求めてひたむきに生きる若者たちの恋と友情と青春を、笑いあり涙ありで「いつでも夢を」の題名どおり明るくさわやかに描く。
主人公は3人いる。
吉永小百合と浜田光夫と橋幸夫。
吉永小百合は光という名前でみんなにピカちゃんと呼ばれている。
ピカちゃんは幼い頃に両親を亡くした孤児。
画家に拾われて育てられていたが、その画家も死に、貧乏医師の家の養女となった。
1963年ころまでは日本に孤児や捨て子が少なくなかった。
僕らも「言うこときかんと捨ててくれで」と普通に言われたし。
もう一人はピカちゃんとは定時制高校のクラスメート勝利(かつとし)だ。
勝利という名前はおそらく戦中生まれ、浜田光夫が演じている。
今は旋盤工だが、いつか背広を着て東京の大企業 東洋物産に勤めるのが夢だ。
勝利の家は母親と弟が二人いる。
父親はひとやま儲けようと家を出て行ったきり帰って来ない。
でも、どうやら商売に失敗して家に帰りたがっている。
情けない父親。
かつて家族を見捨てた責任感のない父を勝利は許せないでいる。
この父親が僕の父親とそっくりで身につまされた。
家族の中では僕が一番父親にきびしく接していたことを思い出した。
もうひとりは橋幸夫、大型トラックの運転手で気は荒いが面倒見はいい。
映画の中で何曲か歌うがどれも懐かしい。
僕は今でも橋幸夫の歌を十曲くらい歌える。
「潮来笠」「いつでも夢を」「若い奴なら」「霧氷」「メキシカンロック」「江梨子」
「恋をするなら」「チェチェチェ」「雨の中のふたり」「スイム・スイム・スイム」
当時、60年代はそれほどの人気歌手だったのだ。
定時制の同級生に松原智恵子がいる。
彼女も女工として働くが病弱で療養所生活となる。
人生は…つらい。
僕らも同じような時代を生きていた。
同世代が見たらこの時代を思い出す。
けど、今の二十代とかが見たらどうなんだろ?
他の国の映画だと思うだろうか。
この映画の2年後に東京オリンピックがある。
吉永小百合のセーター姿がいい。
前のオリンピックの前の年の日本はこんな国で、僕らはすでに生まれてた。
吉永小百合は1945年生まれで玉戸さんと同級生なんだね。
定時制高校からの帰り道に「寒い朝」を歌う。
3分40秒あたりから。
映画を見ながらなんだか泣けてきた。