2021/01/29 Fri. こっそりゆっくり退場しましょう

去年のきょう1月29日の日記に書いている。

 

  ことし初めてのニュースデスクに緊急登板。

  大阪城ホールはスピッツのコンサートライブだそうで。

  僕ら世代からしたらスピッツは若手のイメージなのだけど、

  城ホール前に並んでいる観衆の年齢層はそこそこ高い。

  そうか、そうなのか。

  自意識と認識の哀しきギャップ 。   2020/1/29

 

1年前はニュースデスクしてたのか、5000人規模のライブを普通にやってたんだ。

このあたりはまだ水はゆるやかに流れて淀んでいた。

数メートル先に急流があり、いっきに流れ落ちる瀑布があることは気づきもしなかった。

2月中旬が分水嶺だったうような気がする。

2月に入っても水泳の飛び込み選考会の取材で東京へ出張した。

京都マラソンは開催されたが僕が月末に走る予定だったびわ湖レイクサイドマラソンは中止。

3月に入って一斉休校、センバツ中止、オリンピック延期、そして緊急事態宣言。

いまになって振り返ると大した対策もせずにあれくらいの感染者数だったのか…と逆に驚く。

3月後半の時点では一日の感染者数は全国で平均148人だったのだ。

昨日までの7日間の平均は一日4000人を越えている。

寒い朝。

ゴミ捨てに出ると風が冷たい。

六甲に雪はない。

雪は日本海側に集中して降っている。

音の消えた雪国の町を歩いてみたい。

雪と温泉と地酒。

3日ぶりに走る。

自分としては最高レベルの防寒。

ニット帽、パーカー、ランニング用のベスト、防風のジョガーパンツ、首から口元にはバフ。

御前浜には誰もいない。

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誰もいない砂浜 ただ風が吹いている。

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いつもは行かない場所、バンクシー的な突堤に行ってみた。

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ピンボケセルフィー

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かつて荒れ放題だった草地の整地が進んでいる。

 

夕方、A部さんと待ち合わせて「よしむら」へ行ってみる。

開店すぐの5時過ぎ、カウンターは予約で満席、すでにお客さんも席に着いていた。

残念、席数を減らしてるせいもあるのだろう。

もともと昨日一人で行こうと思ってたけど…金曜日にしたのが仇になった。

理想は5時過ぎ、一人でふらりと入ってカウンターで独酌。

肴2品、日本酒2種類ほど一時間ほどで切り上げるというイメージです。

また2月にチャレンジしよう。

 

ならば、と「にこ」「ニコノトナリ「にこのスタンド」を覗く。

「ニコノトナリ」はシャッターが下りていた。

立ち飲み「にこのスタンド」も驚くほど混んでいた。

本店「にこ」がかろうじてスペースがあった。

A部さんとの会話あれこれ。

おすすめの本は 柳美里「JR上野駅公園口」(いま読んでいる)

増山実「波の上のキネマ」(塚口サンサン劇場がモデルだとのこと)

オススメの映画は「シカゴ7裁判」(Netflixで観ようと思ってたけどまだ観てない)

アニメの「ジョゼと虎と魚たち」(須磨海岸や大阪市内が舞台)

 

最後に飲んだのは「冬の月」という岡山の酒。

浅口市にある酒蔵、倉敷の西にある市でまったく耳にしたことがなかった。

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熱燗2種類のあとのラストの一杯は岡山産「冬の月」ラベルがいいね。

 

にこでの会話で思ったこと。

僕らの世代はもう退場なのかもしれないな、と今さらながら思った。

生きて六十余年、仕事をして四十余年。

見聞きして経験したことが役立つこともあれば邪魔になることもある。

知らなくていいことも知ってしまった。

A部氏はドキュメンタリーの審査をしているが、知ってるがゆえに評価が難しい。

どこかで見たことのあるような…何度も語られてきたような…以前にも…。

そんな言葉が頭をよぎってしまうのが常だ。

ヘミングウェイの小説にあるが「何を見ても何かを思い出す」という状態。

長く生きていれば仕方ないことかもしれないな。

僕ら世代にとって垢のついた“どこかで見たありきたりの”テーマ、企画、構造でも、

一周回って新しいという感覚もあっていいのかもしれない。

前にやった企画だからといって二度とやらないという話はない。

そうだったら戦争の記憶とか反省とかが継承されないことになってしまう。

伝えるべきことはつなげていかねばならない。

だって若い世代にとっては全てが初めて見るもの、初めて聞くことだろう。

道具だって一新して別物になった。

限られたフィルム、限られたビデオテープで制作してた時代と誰でも無制限に記録できる現在。

出来上がるものも違うだろう。

カメラも誰でも持ってるし誰でも撮れる。

安価に撮影されてYou-Tubeには高画質で美しい映像が溢れている。

カラオケが普及して日本人の歌唱力の平均値は格段にアップしたことと似ている。

流行りの音楽も、人気ある漫画もドラマも知らないし スポーツの知識はもう賞味期限切れ。

いつまでもやってていいのかって考えてしまう。

僕にとって番組づくりは食べていくための糧だからすぐには手放せないけど、

たとえばリニューアルするのにを邪魔はしたくない。

今さらながら前線からの撤退、撤退後の身の振り方を考えてしまう二人吞みでした。