ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2020/06/14 Sun. ひねもすのたり日記

家にいよう と決めた日は心が落ち着く。

これもコロナ症候群だろうか。

外出が嫌なわけではないが、家にいることに身体が慣れてしまった。

外に出るとマスクやら混雑する駅やら電車やら蒸し暑さやらでストレスを感じる。

エアコンで除湿して部屋をクリーンにして繭の中で三食付きで過ごす。

悪くない。

 

せめて今日のTODOを小さなホワイトボードに書き並べよう、

・6/13の日記

・あすのリモート収録のための動画編集

・再会したスーパーラグビーの中継をオンデマンド(無料)で観る。

・新しいプリンター(複合機)をセットする。

・プールへ行く。(→行けなかった)

これくらい出来たらいいね。

 

断捨離4ヶ月で終わったのはコロナ自粛のおかげだと思う。

3月から5月は例年だともっとも活動的な季節で気もそぞろ、断捨離に集中できない。

山へ行ったり、ラグビーを見たり、映画を見たり、キャンプをしたりが一切出来なかったからこそ。

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NHK「ノーナレ 屋根裏のちばてつや」 81歳の巨匠はいまも屋根裏部屋で現役です。

 一仕事するとき、すぐにはとりかかれないし、一気かせいには出来ない。

そんな年齢なのだ。

いや、元々グズだったな。

雑音が多い会社のデスクでも次から次へとためらいなく仕事をこなしている人、尊敬する。

自分にはとうてい真似出来ないと思う。

いまの働きぶりは他人から見たらセミリタイア、早くフルリアタイアしたいな。

でも、まだ収入がなくなったら困るもんな。

 

どこどこへ行きたいと思う。 

異国のどこか。

今までで言えば、たとえばヨセミテ たとえばスコットランド、たとえばボルネオ。

30代のころまでは、漠然と行きたいな→具体的に行きたいなと思うプロセスがあり、

次に、具体的に行きたいな → ガイドブックを買い、資金を用立てし、計画を立てる。

旅立つ前に自分なりにそんなプロセスがあった。

でも、いまは 行きたいな→行けたらな→今回の人生では無理だな

この無理だな までが速い。ほぼオートメーション。

1957年生まれの塩田博としては行かないことを受け入れよう。

それでもまだ行きたいと思う場所はどこだろう?

そこへは死ぬまでに行けたらいい。

 

日記を書いて、動画編集をして、本を読んで、プリンターをセットして、ラグビー中継を見て、

オンデマンドでノーナレ「屋根裏のちばてつや」を見て、眼鏡堂氏と市川崑の「東京1964」で盛り上がり、

amazonプライム見放題の「東京オリンピック」の美味しいとこどりで見て、トゥワイスアップを飲んで一日を終える。

 

 NHKの「ノーナレ 屋根裏のちばてつや」は良かった。

内容も、映像も、音楽も、なにより淡々と暮らす巨匠ちばてつやがいい。

こころに染みこむ番組でした。

命を燃やして作品を生み出し続けた漫画家・ちばてつや。大病を患い、大勢いたアシスタントも全て卒業…。4年前、18年ぶりに始めた長期連載で描くのは、14歳の老犬・ジローとの何気ない「日常」。今の歩幅で仕事を続ける。新型コロナウイルスが猛威をふるう2020年。世界中の「日常」は壊れ、この先は見通せない。それでも彼は、変わらずに屋根裏部屋でペンを持つ。今日やれる、精一杯をやればいい。ただ、穏やかに…。

ちばてつやさんの暮らしぶりがいい。

先輩や同期の漫画家がほとんどこの世から去ってしまった。

ちばてつやは生きて、現役で、アシスタントなしで一人で漫画を書いている。

「ひねもすのたり日記」を連載中。

一巻と二巻をメルカリで即購入する。

作業机の上に古いラジカセが置いてある。

仕事中はこれでラジオを聞いてるのだ。

本棚に80年代のウインブルドンの中継のVHSがある。

テニスが好きなんだ。

テニスをするシーンが挿入される。

81歳、フットワークもいい。

草野球では打って走ってスライディングする。

気負わずニコニコと。

同じくらいの年寄りの柴犬のジローと公園を散歩する。

軽くジョッグしながら。

こんな81歳なら長生きしたいな。

ちばてつやは国民的といっていい漫画家。

僕が記憶するのは「ちかいの魔球」「紫電改のタカ」「ハリスの旋風」

そして、「あしたのジョー」「おれは鉄平」「のたり松太郎」「あした天気になあれ」等など。

こうして並べると僕はちばてつやの作品が好きなのだと改めて気がつく。

かの「あしたのジョー」やゴルフの「あした天気になあれ」はちばさん本人の原作ではない。

僕が好きなのは「おれは鉄平」と「のたり松太郎」だ。

ちばさん本人の人生観を投影しているのはこの2作だと思う。

鉄平も松太郎も人間味あふれ、現実主義者で、負けず嫌い。

勝つためにはなりふり構わず、武士道だの、紳士的だのカッコつけたりしないワルだ。

今回のノーナレを見て幼い頃の満州からの引き上げ体験がちばさんの人生観を作ったのかと思う。

コロナ自粛の家ごもり、外へ出ないで下さいが連呼される中、窓の外を見ながらつぶやく。

ちばてつや「なんだろう?この懐かしい感覚は…」

幼い頃、両親と弟たちと命からがら中国大陸から引き揚げる途中、親しい中国人に匿ってもらった。

一家は屋根裏で数ヶ月ひっそりと暮らした。

だから、懐かしい。

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漫画「ひねもすのたり日記」より

そのとき愚図る弟たちを喜ばせようと絵を描いて物語を作った。

それが自分の大好きなことで後に一生の仕事となる。

「だから人間てのはいろんな体験をして強くなるんですよね」

コロナの時代も新たな発見をして、強くなる人がいるのだと。

ちばてつやさんの漫画を読み返したくなった。

僕もあやかった「ぷよねこにねもすのたり日記」にしよう。

 

 

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ちばてつや81歳、現役続行中!

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ジローと公園をジョギングする。

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アベノマスク届く。

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初めての複合機をセットする。半時間ほどで何とかなりました。

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意外にコンパクト。スキャナーの性能に驚く。

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雑誌「ランドネ」より。「山登りは体を動かす行為と思ってたけど、こころを動かすのだと…」四角友里