ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2019/3/3 3月3日に三十三間堂

桃の節句、3月3日は三十三間堂の境内で撮影の仕事でした。

春桃会と書いて(しゅんとうえ)あるいは(もものとうえ)と読ませる。

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拝観料なしの開放日、撮影の合間に千一体の千手観音像に会いました。

何年ぶりだろうか。

ひょっとして小学校の修学旅行以来かも?

(かすかな記憶として中2、万博の時に再訪したかも)

どっちにしても半世紀近く前のこと。

千手観音は平安期、あるいは鎌倉期に作られたもので、当然、修学旅行でお目にかかった仏さま。

「おお、お前か。トシとったのう」「そうじゃそうじゃ」「ほんまによう生きてきたわ」

そんな言葉をかけられたような気がしました。

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カプセルリゾートで目が覚める。

朝風呂に入り、のんびり支度をして現場へ向かう。

空はなんとか保っている。

堀川御池から京阪三条まで歩く。

半時間早ければ 途中、小川珈琲に寄りたかった。

プランミスだ。

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駅構内のSIZUYAでカルネとカスクートを買い、ドトールで珈琲を買う。

駅のイートスペースで朝食。

大柄な黒人が改札付近をふらつきながら歩いている。

明らかに酔っていて、しかもくわえ煙草、その吸い殻を捨てる。

注意する勇気はなかった。

 

三条京阪から特急に乗る。

Kindleを読んでいたら七条を乗り過ごす。

次は丹波橋まで止まらない。

折り返す。

約束の時間に少し遅れる。

 

平安期のお堂は焼失、現存してるのは鎌倉時代のもので国宝。

中世の木造建築なんですね。

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裏側の廊下では毎年一月に「通し矢」が行われる。

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桃と白と緑のトリコロール。

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お堂の正面にある朱塗りの門は秀吉の時代に作られた。

ときおり雨がぱらつく中、この場所に陣どって撮影。

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寂聴さんの話、今東光、川端康成、円地文子、遠藤周作、梅原猛、貴ノ花、宮沢りえ…。

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午後2時過ぎに撮影終了。

タクシーで八条口まで行き、ハマムラで遅めの昼食。

そういえば 雛うどんを食べたんだっけ。

最近、ちょっと食べ過ぎかも。

新快速に坐って帰る。

芦屋まで乗り過ごす。

きょう二度目。

 

帰宅してすぐに車いす駅伝の進行表を作ろうと思ったが睡魔に襲われる。

そうだった。

ずっと寒空に立ちっぱなしの半日だった。

年寄りはゆさぶりに弱いのだ。

 

「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」の7話を観た。

『「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」を見たから人生見つめ直した件』ということだ。

良く出来たゾンビドラマだと思った。

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このユーチューバー尾崎とぼしいの末期の動画の下りは涙が出そうで。(出なかったけど)

そんな自分の感情現出が還暦越えて人生見つめ直して改めてわかったこと。

この世界と同じく出演者にいろんなタイプがあり、人生経験とそこから出てきた答えがあり、

ゾンビに咬まれたりして、あるいは身近な誰かが咬まれたりして、人生を思う。

ドラマはそんな構造だけど、実によく出来てる。

僕は自身を尾崎とぼしいと主人公の瑞穂のハーフハーフだなと思った。

そこそこ何でも出来て、でも、勝つ自信がないから勝負しないクールを装う。

あるいは戦うことの苦痛と報酬のバランスをすぐに見切って楽な方に逃げこむ。

瑞穂のように、ひとりがいい、誰かのために泣けないし、誰かのために生きられない。

孤独でいることが私にとって何よりもふくよかな時間なんだ、と。

尾崎とぼしいが同窓会みたいな吞み会で心の中で叫んでたセリフ、そんなことも言えなかった。

「そのうち大逆転するから、今に見てなさいよ」

若い頃、少なくとも三十代くらいまでは僕も心の中で叫んでいた。

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