宝塚の中山連山を縦走する。
初夏を思わせるまばゆい光が降り注ぐ四月の空の下、里山を歩く。
桜の季節が終わり世界は緑に満ちる。
ここから先、梅雨入りまでが一年で最も気持ちいい季節かも。
若い頃はそんなことツユにも思わなかった。
緑の季節が美しいとも思わなかった。
関心は他にあった。
必要なことだったろうけど多分クダラナイことだったと思う。
老化は悲しいけど、緑の季節を愛でる感性を持てたことはシアワセなことだと思う。
クダラナイことに関心を持っていたこともこの感性を得るためだったのかも。
とにかく、春の光を浴びて、ひんやりとした風に頬をなでられ、
足どりも軽く野山を歩くことは、なにものにも代えがたい至福だと言える。
足どりも軽く、というとこが怪しいけれども。
コンディションは最高だった。
けれど今回は5度に渡ってルートを見失ってしまった。
何度も分岐の前に選択を迷った。
何度か踏み跡が途絶え、道が荒れ、引き返す。
ハイキングコースだと舐めていたわけではないが枝道が多いのに道標がない。
コースタイムより1時間半もロスして最高峰へたどり着く。