DVDで「くちびるに歌を」を観た。
映画の舞台は長崎の五島列島、とにかく島の風景が美しい。
障がい者野球の取材で五島列島へ行ったのは1999年のGWだった。
佐世保からフェリーで中通島(上五島)の新魚目町へ渡った。
僕ら撮影クルーに取材先の島の人がランドクルーザーを一台貸してくれた。
後にも先にもランクルを運転したのはその一回のみだ。
頭島の石造りの教会やキリシタン墓地のたたずまい、
雨上がりの若松瀬戸の青と山の燃え立つような緑は今も忘れない。
映画は島の中学の合唱部の話。
僕らが取材したのも同じ島の中学生たちだった。
1999年、まだ世界の誰一人として 9.11も 3.11も知らなかった。
いつか再訪しようと思い続けて15年以上が経つ。
あの時に取材した中学校の野球部員たちはもう三十過ぎか…。
行ったことのない土地、死ぬ前にもういちど行っておきたい土地が多すぎる。
砂時計の砂はいまこの瞬間も減り続けている。
あ、五島列島で思い出した。
五島うどん!
釜揚げに生卵を落として食べる地獄炊き、もう一度食べたいなあ。
東京から柏木ユリ(新垣結衣)が、長崎県五島列島にある中五島中学校へ
音楽の臨時教員として赴任してくる。
彼女がこの青い海に囲まれた故郷へ帰ってきたのは、数年ぶりのことだった。
生徒たちの間では美人でピアニストとして活躍していた柏木の話題でもちきりに。
当の柏木はそっけない態度で生徒たちに接し、生徒からせがまれても
いっこうにピアノを弾こうとしない中、嫌々ながら合唱部の顧問を引き受ける。
女子しかいないところに男子が入ってきた上に
全国コンクールへ混声で出場することが決まり、合唱部の部員たちは混乱する。
コンクールの課題曲は『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』。
柏木は部員たちに15年後の自分へ手紙を書くよう言う。
そこには、普段明るく見せていてもそれぞれ悩みや苦しみを抱え、
だからこそ仲間とひとつになって歌う合唱に救いを求める生徒たちの姿があった。
遠ざかっていたピアノにも生徒たちにも向き合うようになっていく柏木。
そして迎えた本番当日、ある事件が起きる……。
デジャブ?
昔どこかで見たような映画でした。
地方都市、女子中学生、方言、部活、赴任してきたワケありの顧問の先生…。
「がんばっていきまっしょい」だ。
愛媛松山の高校ボート部、ヒロインは田中麗奈、先生は中島朋子。
まだある。
「幕が上がる!」もそうだ。
地方は不明、高校演劇部、ヒロインはももクロ、先生は黒木華。
この映画でも先生役の新垣結衣よりキラキラしてたのはヒロインの女子中学生たち。
恒松祐里という合唱部のリーダーを演じた子が素晴らしい。
産休中の顧問は木村文乃、彼女の長崎弁も悪くない。
Instagramをフォローしてるので彼女が毎日何を食べているかを知っている。
それだけで身近に感じて応援したい。
新垣結衣は…うーむ、ちょっとキャラ設定に難ありかな。
「わたしのピアノは誰も幸せにしない」
このセリフにはちょっと首をかしげてしまう。
恋人を亡くし心に傷を負った彼女が生徒たちに勇気づけられ弾き始めたのがこの曲。
ベートーベンの悲愴(パルティーク)でした。
焼き野菜や下足を塩で食べました。
赤身の肉も。