2018/11/15 僕とマサオと弁天町で

表題は、僕とフリオと校庭で、をもじったものです。

Me and Masao Down by theBentencho (僕とマサオと弁天町で)

僕とフリオ…は意味不明の歌だった。

ポール・サイモンが気に入ったリズムと楽器でやりたかった音楽なんだろう。

『僕とフリオと校庭で』 意味がよくわかる奇跡の和訳カバー

 

大阪城公園の紅葉、クリックで拡大します。

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午後6時半、朝潮橋のスーパーの警備の仕事を終え、弁天町駅前で合流、

大箱の居酒屋、カウンターに坐るなりマサオは言った。

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「ちょっと母親に電話しとくわ」と席を立つ。

今日はご飯が作れんから、自分でなんか食べといて、と伝えるのだという。

「メールも出来んからな。固定電話や。」

高齢の母親は87歳、ご飯は炊くが料理はしなくなったという。

マサオが結婚して家を出てから母は一人暮らしでパチンコの景品交換所で働いてきた。

今は年金暮らし。

 

マサオも警備員の仕事をおもな稼ぎとして、3年近くになる。

篠山に立派な持ち家はあるのだけど仕事の都合でおもに柏原の実家で寝泊まりしている。

仕事が終わり最寄り駅に帰るのが7時過ぎ。

駅前のスーパーで買い物をして、帰宅するのが8時前。

そこから夕飯のおかずを作って老母とテレビを見ながら食べる。

一本98円の大根を買い、ミンチ肉といっしょに炊き、片栗粉でとろみをつけた一品が主菜。

翌朝も早いので深酒はしない。

昨日の夜は眠れず、喉が渇いたので夜中に買い置きのノンアルコールを飲んだ。

そのおかげで腹が冷えて体調を崩したという。

還暦前、いつまでも無理はきかない。

一時期の自暴自棄のマサオから比べれば安定期ともいえる。

肉体労働だ。

身体は丈夫だ。

戦争中なら満州でも収容所でも南洋のジャングルでも生き延びたタイプ。

「週休2日はあるの?」

「いや、週一もないくらいや。明けはあるけどあれは休み違うからな」

仕事が続くので酒は控えめだが翌日が休みだと 酔うまで飲んでしまう。

目下のストレスは狭い空間で母親といっしょにいることだという。

ずっーと「この距離やで」と僕との距離を手で示す。

「ここやで」と近さを強調する。

老母がデイサービスに出かけ一人になるときが安らぐそうだ。

たいていの休みは家に帰らず電車に乗り続けて過ごす。

ときに近鉄電車で三重県境まで行ったり、環状線や奈良県内をぐるぐると。

 

長男はこの春、高校を卒業した。

ピアノを習っていて、コンクールで入賞もした実力がある。

東京芸大や京都の芸大を受験したが合格は叶わなかった。

マサオ曰く「いま、プータローや」

三田のアウトレットでバイトをして、京都へ通い、師匠にピアノを習っている。

イギリスに留学するという話があったが頓挫しているという。

聞いてるとそもそも実現するのに解決する案件が多そうな話だった。

僕は問い詰めるのが得意でマサオはごまかすのが苦手だ。

この夏のウイーンへ短期留学する話もあったが結局行かなかった。

本当はブダペストへ行きたかったのにウイーンになったから、とのこと。

旅費も自前だったそう。

ま、いいか。

まだ20歳前だ。

ポール・サイモンも「僕とフリオ…」で歌っている。

 

♪  Well I'm on my way, I don't know where I'm goin'
  I'm on my way, I'm takin' my time, but I don't know where

 (僕はゆく 自分の道を あてはない けど時間だけはたっぷり)

 

嫁は篠山の自宅でランチのみの洒落たレストランをやっている。

「赤字や」とマサオ。

店ではたまに友人たちと朗読会が開かれ、案内がたまに店のFacebookにアップされる。

マサオは現場仕事の月20万ほどの収入で家のローンを払い続けている。

生活の優先順位をこえる別の理由があるのかもしれない。

アンバランスなことは罪悪ではない。

うらやましくもあり、そうでもないかと思い、人の幸せとは多面的であると思う。

内田樹先生のコラムを思い出した。

 

 人生はミスマッチである。私たちは学校の選択を間違え、

 就職先を間違え、配偶者の選択を間違う。

 それでもけっこう幸福に生きることができる。
     
目の前の湯気が幸福なのだ。                   

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弁天町の大箱の大衆酒場「ナカモト」は盛況。

次々と地元客が入ってくる。

僕らはハートランドビールの瓶を分けてグラスに注ぐ。

仕事終わりの麦酒、マサオはぐいっと飲み、「これ美味いな」とぽつり。

店の壁には昔ながらの赤枠メニュー札が貼られていい雰囲気。

カウンターの目の前にはどて焼きとおでん鍋が湯気を立てている。

これ以上望むことは何があろうか。

どて焼きとおでんを数種、2杯目に僕はは焼酎水割り、マサオは熱燗。

熱燗は和歌山の世界長。

夜は冷えこむ季節になった。

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きょうも大阪城公園を走った。

朝イチでナレーション収録に立ち合い、自分の分を編集し終えて午後2時過ぎ。

もう一人の編集チェック待ちの時間でインバウンドで賑わう大阪城をJog&Walk。
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読売テレビの新社屋。

デカすぎない?
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秋の森に浮かぶ大阪城天守閣

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ランベースから走り始めると最初にこの森を抜けて外周へ出る。

色合いがいい感じ。

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梅林の坂、名前があるのだろうけど忘れてしまった。
雁木坂というのだそう。

もともとここに階段状の屋根付き通路があったとか。

雁木坂

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投光は美しい。

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久々の森ノ宮エアトラックを一周する。

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 会社に戻り編集チェック。

ちょっとがっかりする。

構成段階でもう少し指導をいれたら良かった。

 

正男との待ち合わせ、どこにしようか?

大正もいいなと思ったけど、「さのや」も「畑酒店」も「大川」も立ち吞み。

彼はずっと立ち仕事だったから坐りたいだろうと大正は諦める。

仕事場が朝潮橋なら弁天町か九条か。

弁天町で飲んだことがなかったし、駅にも乗り換え以外で下りたことはない。

ならば駅周辺を歩いてみよう。

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弁天町と言えばこの高層ビル。

ベイタワービル、なんでこの場所に高層ビルなんだろ?

夜空に上弦の月。

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