ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2016/4/11 吉野山桜錦図絵

桜の季節のフィナーレに奈良 吉野山へ行く。

当初は山辺の道を歩こうと計画していたが、山辺の道なら今でなくとも、と変更した。

吉野は3度目、最初は15年前の2001年、紅葉の季節だった。

次は5年前の2011年、桜咲く頃で下千本が散り初め、中千本から上千本が満開だった。

日記のよると今日より一週間先の4月18日となっている。

ことしは桜の進行が早い。

開花はそれほどでもないが満開になるのも散るのも早い。

吉野に行ってみたら…大半が葉桜だった。

例年より開花が早く、満開直後の金曜日の暴風雨で落花したのだろう。

がっくりと肩を落とす。

それでも人出は満開状態、月曜日だというのに通勤ラッシュ並。

5年前に来たときより3割増の感じ。

吉野山の公用語は中国語?

とにかく声がデカい。

とにかく喧しい。

自撮り棒が鬱陶しい。

義経千本桜。

桜は千本だが人は数万。

それでも夕方5時を過ぎると喧騒も沈静化する。

光も山や木々や咲き残った花を鮮やかに照らす。

片岡義男が「光が斜めから当たるとたいていのものはセクシーに蘇る」と雑誌に書いていた。

新緑と桜の錦絵。

桜にフォーカスしてたので少々落胆してたが、この配色は悪くない。

新緑と紅葉、初夏と晩秋を同時に味わえる色彩絵巻。

季節進行が早いせいでシャガやニリンソウなどの花の群落も見られた。

お目当ての枳殻屋のコロッケも揚げたてをゲット出来た。

缶ビールを買って近鉄特急で帰途に就く。

シアワセの吉野山でした。

 

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往路:10:00 出発〜(自転車)〜10:23 阪神西宮〜(奈良行き快速急行)〜西九条

   〜(JR環状線)〜天王寺=近鉄あべの橋 11:20〜(吉野行き急行)〜12:56 吉野

復路:18:34〜(大阪阿倍野橋行き特急)〜19:54 近鉄あべの橋=天王寺〜西九条

   〜尼崎〜阪神西宮〜(自転車)〜帰宅

 

寒の戻り。

シャツにセーター、薄手のダウンベスト、パーカーを重ね着する。

あべのハルカスを見上げる。

高層ビルの強風が迷惑なだけ。

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予定していた11:10発の吉野行き特急が満席。

11:20発の急行のロングシートで1時間半以上揺られて行く。

橿原神宮から先は単線で各駅停車。

吉野駅は花見客でごった返す。

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駅前で持参の弁当を食べる。

寒い!

駅前には桜の気配はない。

13時半、歩き始める。

カエデの新緑が目にやさしい。

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路肩にシャガ(著莪)が咲く。

学名アイリス・ジャポニカ。

美しい花だ。

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下千本の七曲がり坂。

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坂を登ると見えてきた咲き残った桜と新緑のコントラスト。

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吉野山の桜はシロヤマザクラが多い。

ソメイヨシノの寿命はせいぜい100年らしいがヤマザクラは1000年近い古木もあるとか。

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この流れに逆行して歩く。

アベノミクスの円安で吉野にも中国人を始めとする外国人ツアーが増えた。

5年前にはほとんど見かけなかったのに今や日本橋あたりと同じ様相。

中国語の大声が吉野山にも響き渡る。

中国の国内にも素晴らしい観光スポットがあるでしょ、と言いたいが…待てよと思う。

20年ほど前の僕を含めた日本人だってそうだったよなあ、と。

元気な民は外国へ行きたいのだ。

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参道を覆う日除け。

大阪の船場あたりにも昔はこの日除けがあった。

今はアーケードになってるけど。

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「残雪しだれ」という名の桃。

雪崩れ落ちるような咲きっぷり。

5年前にも咲いていた。

ただし記憶では下千本にあったはずだけど上千本の手前でした。

人の記憶は間違う。

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上千本まで登ると桜の花は生き残っている。

矢倉の展望台より定番のカット。

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5年前の4月18日の撮影。

一週間後なのにほぼ満開です。

撮影ポイントは矢倉展望所より少し下と思われる。

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ここまで2時間あまり。

登り坂にかなり脚にきていたが天気もいいし日も長いので奥千本まで歩くことにする。

懸念された痛風マメの右足の痛みもそれほどではなかった。

水分神社を過ぎ、高城山展望台もパスして、金峯神社の手前あたりから撮ったカット。

吉野杉のキャンバスに山桜が浮かび上がる。

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奥千本の西行庵、午後4時過ぎ、陽もかなり傾いている。

以前来たのは15年前の11月後半、紅く色づいたカエデが綺麗だった。

今の季節はカエデは冬木立で周りの人工林は伐採されてスカスカ。

期待していたヒロががっくりする。

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奥千本の桜はおそらく千本も無い。

斜面に植えられた数十本が花を咲かせている。

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緑が無いので冬の風景みたい。

地面も白かったら霧氷だと言われてもわからないかも。

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ちなみに今年2月に撮った綿向山の霧氷。

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 西行庵への道は観桜期だけ周回ルートになっている。

帰路に咲いていた背の高い(おそらく)桜、周りの杉を伐採したのだろう。

低い箇所に枝が全くない。

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若葉の季節。
新しい葉が花のようです。

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金峯神社(だったはず)です。

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矢倉の展望所まで戻り、ショートカットする。

走ってしまう。

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5年前もこの切り株で写真を撮った。

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パステル系の錦絵。

新緑がアクセントになっている。

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往路で回り道をしたので復路は参道のメインストリートを戻る。

吉野山へ来た目的のひとつにコロッケがあった。

5年前に来た時に一つ買って二人で分けた。

美味しかった。

一人一個買えばよかったと後悔した。

往路でその店を探したけど見つからなかった。

すれ違った女子グループが「コロッケ買えばよかった」と話しているのを聞いたのだ。

復路で見つける。

僕は肉屋だと記憶してたが違った。

鮎寿司とかを売っている店だった。

枳殻屋、きこくや、と言う。

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値段が1個150円と高い。

5年前は100円だったはず。

まあいい。

コロッケだと思うから高く感じるのだ。

2個すぐに食べて3個持ち帰りで。

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歩きながら揚げたてを食べる。

旨い!

スパイスが効いている。

かなり旨い。

私的ベスト3にランクインするコロッケだ。

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改修中の蔵王堂に立ち寄る。

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6時過ぎて空には上弦の月。

吉野駅に到着したら5分後に特急が出るところだった。

客もまばらな改札、急いで特急券を買い、缶ビールを仕入れて飛び乗る。

ガラガラなのに客は2号車に詰めこまれる。

近鉄せこいぞ!

ロングシートではなくゆったりとリクライニングして和む。

特急券510円のおかげ。

隣は欧米人(英語を話す)のグループ。

歩行時間5時間弱。

けっこう急な登りと下りで脚が重い。

下りで小走りになったのが効いてるのだろうか。

しっかりとストレッチしておこう。

缶ビールを開ける。

コロッケはまだ温かい。