ぷよねこ減量日記 since 2016

結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがいのないその時間 である。 (星野道夫)

2016/3/16 これでは減らない。

晴れてあたたかい。

六甲に雪が積もっていたなんていつのことだろうかと思う。(昨日だった!)

体重が増えて73キロ台になってしまった。

いつ以来だろう。

餃子と炒飯とビールの応報。

野放図に飲み食いしたまっこと有り難いご褒美や。

3月末までの3ヶ月目標は68キロ以下なのに逆に増えてしまった。

ここから5キロ減らすのはとうてい無理。

つくづく愚かな中高年である。

午前中、筋トレへ行く。

 

丹波篠山の里山に咲いていたリュウキンカ。(3月11日撮影)

自然の造形は美しい。

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今日も花粉が舞い目薬とティッシュが離せない。

午後イチでミニ番組のタイトルCGのチェックに東通インフィニティーへ行く。

昔、現場やスタジオでいっしょに仕事をした人たちが年老いてデスクにちんまり坐っている。

大阪駅のみどりの券売機でヒロのおとなびチケット(ネットで予約済み)を発券する。

こだまで広島往復が8000円ちょっと。

サンダーバードで福井往復が7000円ほどなので次から大いに利用しよう。

7日前に購入というのがネックだが発券前なら変更可能なので使えるかも。

 

 

夕方、編集チェック。

A部老師からお誘いがありリバーサイドの日本酒立ち吞み「だくと」へ行く。

塩豆、薄揚げチーズ焼き、鶏団子と白菜の煮物、名物ハンバーグで地酒を飲む。

北京で赤白ワイン、帰宅してハンバーグとハイボール。

これでは体重は減らない。

きょうで打ち止めにする。

 

朝ごはんのときにヒロとよく話すこと。

いま巷には世界中の食べ物があふれているが生まれたときから飽食ではなかった。

僕は成人するまでピザさえ食べたことがなかった。

段階的に味を知って育ってきたのだ。

パスタなんて言葉は知らなかった。

高校生になるまでスパゲッティはフライパンで炒めて食べるものだと思っていた。

愛知県では喫茶店の定番メニューだった。

たいていの純喫茶には2種類のメニューがあった。

イタリアンとミートソース。

イタリアンは全国的に言えばナポリタンのこと。

ケチャップ味で赤ウインナーや刻んだハムと野菜、そして鉄板に卵、が定番だった。

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いま、鉄板スパゲッティを謳っている店があるけど、愛知県ではデフォルトで鉄板&卵だった。

近所の商店街に2軒ほど純喫茶があった。

1970年代半ば、浪人生の頃には少年チャンピオンで

がきデカやドカベンを読みながらイタスパやミートを食べた。

伊丹十三の「ヨーロッパ退屈日記」を読むまで、アルデンテなんて言葉は知らなかった。

もちろん壁の穴も知らなかった。

 

セルジオから借りた本「神戸、書いてどうなるのか?」が滅法面白い。

震災前の神戸の描写がなつかしい。

知ってる場所や店や風景にニヤリとし、なおかつ新たな発見がある。

名著である。

自分でも買おうと思う。

神戸、書いてどうなるのか

神戸、書いてどうなるのか

 

 

宣伝用の動画もいい。

  
  安田謙一「神戸、書いてどうなるのか」予告編PV (2)

 

タイトルの元ネタとなったクール・ファイブの名曲についての考察、というか感想も面白い。

 

神戸を舞台とした、いわゆるご当地ソングだが、

何度聴いても神戸の “画” を思い浮かべることはない。

渚ゆう子「京都慕情」やザ・ピーナッツ「大阪の女」には、

それぞれの町のイメージさせるムードがあるが

「そして、神戸」にはそれが感じられない。

 そうだよね。

あの歌は有名だけど神戸が浮かんでくることはない。

どこの港町でもいい。

神戸はコーベという音でしかない。

単に、こおおべ〜! と唸ってみたかったからではないのか。

にも関わらず「そして、神戸」が大好きだ。

この曲の神戸という町への思い入れの薄さが、薄情を通り越して非常な世界を成立させている。

歌詞は徹底的に乾いている。

主人公は歌い終わりの口調、“のよ”で女と判断出来る。

女は男に棄てられて、無理に神戸に足を運ぶ。

にごり水の中に靴を投げ落としたり、目についた名も無い花を踏みにじったり…と

自暴自虐なアフェアを経て(比喩ではないのかもしれないが)

夢の続きを見せてもらうために新しい恋を求める。

ノワールな歌詞世界に前川清は命を削ってエモーションを求める。

1974年のライブ盤の歌唱は壮絶であると書いている。

こうして改めて聴く「そして、神戸」は凄い歌だと思う。

ジャンル不明、ドラマがあり、わけのわからないノワールな迫力。

そして、神戸の風景はまったく浮かんでこない。

なせか横浜が浮かんでくる。 

でも、ヨコハマー では唸れない。

やっぱり こおおおべええ だ。

  
  そして、神戸 内山田洋とクールファイブ

 

確かに、前川清の力の入れ様は異様なほど。

わけのわからないド迫力がある。

安田氏が補足のように書いている。

イントロを脳内再生していたら、郷ひろみ「よろしく哀愁」のイントロに化けた。

編曲は同じ森岡賢一郎。

   

  郷ひろみ よろしく哀愁

 

神戸は僕が金沢から出てきて最初に住んだ町だ。

二十代は毎日のようにこの町で飲んだ。

ほろ苦い思い出もある、いわば青春を過ごした街。

読みながらあの頃がよみがえってきた。