2016/3/4 5階 エレベーター無し

 「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」@テアトル梅田

ことし劇場で観た10本目の映画でした。

ロバート・キャンベル氏がラジオ番組でこの映画を紹介してたのを聞いた。

モーガン・フリーマンとダイアン・キートンが年老いた夫婦を演じる。

ダイアン・キートンのおばあちゃんが可愛い。

素敵な夫婦でした。

モーガン・フリーマンって「ショーシャンクの空」の頃から老人だったような気がする。

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ニューヨークのブルックリンの街を一望できるアパートメントの最上階。

画家のアレックス・カーヴァー(モーガン・フリーマン)と

元教師の妻ルース(ダイアン・キートン)がこの理想的な家に住んで40年が経った。

しかし、この建物にはエレベーターが無かった……。

アレックスが日課としている愛犬ドロシーとの散歩を終え、

5階にある我が家への階段をようやく上り終えて帰宅すると、

姪のリリー(シンシア・ニクソン)が明日の準備のためにと訪問していた。

夫の今後を心配したルースがエレベーターのある住居へ引っ越そうと

アレックスを説き伏せ、今の住まいを売ることにしたのだ。

そして明日が購入希望者のためのオープンハウスの日。

リリーは、やり手の不動産エージェントであった。

そんな折、ドロシーに異変が起こる。

夫妻は5番街の行きつけの動物病院へとタクシーを走らすが、

車は一向に動かない。

どうやらマンハッタンへ渡る橋の上でタンクローリーが道をふさいでいるらしい。

ようやく獣医に見てもらったドロシーはヘルニアを患っており、

手術が必要と言われてしまう。

翌朝、やる気満々のリリーがお客を連れてやって来る。

オープンハウスは一風変わったニューヨーカーたちで大賑わい。

早速いくつかのオファーが入ると同時に、

獣医からドロシーの手術成功の連絡を受け取り夫妻はほっと一安心。

一方、いそいそと新居候補を探し始めるルースとアレックスをよそに、

タンクローリー事故は一夜にしてテロ事件へと様相を変えていた。

アレックスとルースの見晴らしの良い家は誰の手に渡り、

そして二人の新居はどうなるのだろうか……。

 

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  実は…我が家も近いうちに引っ越そうと思い始めたところだった。

1998年から今のマンション(賃貸)に住み始めて18年になる。

二人暮らしにしては4LDK(88平米)と広い。

広過ぎてモノが増えてしまうのが悩みの種。

折しも取り替え工事で一ヶ月ほどエレベーターが使えない。

映画と同じように僕らは5階まで階段を登り下りせねばならない。

でも、この映画を観て思った。

もう少しここに住んでいたいな、と。

 

きのう、おとといとマジメに走ったので今日はつなぎの日。

海沿いを4キロほど 久米宏のアメリカ大統領選の話など聞きながらジョッグする。

暖かくなってきた。

冬鳥たちの脳裏にはそろそろサハリンの風景が浮かび始めているに違いない。

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走る前に食べたトースト。

たっぷりと塗ってあるのは自家製ヌテラ。

岩手産のクルミをすりつぶしてココアパウダー、砂糖、バターと混ぜたもの。

本来のヌテラはヘーゼルナッツを使ったものらしいが、うちのは「リトル・フォレスト」のレシピ。

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主人公が幼い頃、お母さんに「塗って食べるから ぬてら だと教えられた」とある。

大人になってスーパーで「ヌテラ」を見つけた時は驚いたのだ。

くるみ味噌を作って和ぐるみシリーズはこれで終わり。

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食卓に秋刀魚の開き。

この色と照りが旨そうなんだよね。

ペリっと剥がした黄金色の皮は大好物です。

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…映画「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」の原題は5flights up という。

5階まで飛び上がるって意味かな? 複数形なのはなぜ?

金曜日、テアトル梅田は会員1000円の日でした。

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予告編は断然オリジナル版がいい。

この映画の最大の魅力である夫婦の会話のエッセンスを集めている。

歳をとってしまったペーソスをユーモアと自虐で表現する。

だけど絶望したりへこたれたりはしない。

人生のいまを楽しむ。

   

 

夫婦が初めてアパートに越してきたのは40年前。

映画ではその頃のエピソードや、ちょっと昔、10年前のエピソードが挿入される。

その感じが映画を見ている自分のいまにとてもしっくりくる。

今、こうして暮らしていて昔よりもひんぱんに時々10年前や20年前のことを思い出す。

不動産屋に案内されて二人でこのマンションを見にきた時のこと、

引っ越しが終わって初めてご飯を食べた時のこと、

ぬいぐるみが我が家に初めてやってきたときのこと、などなどなど。

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帰還兵の画家とヌードモデルとして出会い黒人と白人の結婚が嫌悪されていた時代に結婚した。

時代の中で先鋭的だった2人が年老いて、しみじみと穏やかな感じになる。

その感じがすごくいい。

アパートの買い換え騒動に終止符を打ったのはテレビから流れて来たライブ映像だった。

映画の中でずっとニューヨークを騒がせていたのはマンハッタンとブルックリンを結ぶ橋に

タンクローリーが事故を起こして道を塞いでしまったニュース。

現場から立ち去った運転手がイスラム教徒だったのでテロリストの疑いをかけられた。

そこからはメディアと無教養な市民がヒステリックにテロ疑惑をねつ造していく。

「彼はイスラム語で罵声を発して逃げた」とか。(イスラム語って何だ?)

映画の終盤、その運転手が警察に投降する。

無抵抗なのにひどい扱いを受ける。

不動産売買に関わる周りの人々、あえて反知性主義者と呼ばせてもらう

彼ら彼女らはテレビに向けて罵声を浴びせる。

「撃ち殺せ!」

そのライブ映像を見たアレックスの目が…。

自分の半生に思いを馳せる。

 

若き日の二人が実によく似ている。

彼女の勝ち気な性格は若い頃から今も変わってないというエピソードもいくつか挿入される。

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ニューヨークのアパートの売り買い、内覧会のシーンが面白い。

言いたいことを言うニューヨーカーって面倒だなと思う反面、うらやましいなとも思う。

ブルックリンのアパートが90万ドル(約1億!)で売り買いするとかの相場もわかる。

10歳になる老犬ドロシーが病気になる。

CT検査に1000ドル(11万)、ヘルニア手術に10000ドル(110万)かかる。

人間にだってないのだからペットに保険は効かない。

もうトシだ、と夫アレックスはいったん延命処置はしないと決めるが…

妻ルースとドロシーとの思い出がよみがえり翻意する。

金はいくらかかってもいい、出来るだけのことをしてくれ、と医者に言う。

いくらかかるんだ?

ペットの医療保険に加入してるのだろうか?

心配になってしまう。

 

ひとつ大好きなシーンがある。

アパートの内覧会を渡り歩く母親に連れられた少女とアレックスの会話。

「いいアパートね」

「だろ、お母さんは?」

「ベッドルーム、いつもそうなの。でも買わないわ。お金ないもの。」

彼女が窓際に置かれた機械に興味を示す。

「これは何?」

「知らないだろうな。これはターンテーブルといってレコードをのせると…」

アレックスは一枚のLPをターンテーブルにのせた。

流れて来たのはヴァン・モリスンのしゃがれ声。

Have I told you lately that I love you じゃないか!

  Van Morrison Have I told you lately (lyrics)

  

 

この曲が流れてきたとき、この映画の評価は★5つになった。

ゆったりとした音が実にしっくりと身体にしみこむ。

この曲をはじめて聴いたのはアイルランド南部を旅してる時だった。

1989年、僕はコークからバスに乗って古城めぐりをしていた。

夕暮れ時、コークへ帰るバスの中でこの歌が流れた。

運転手がCDをかけていた。

AVALON SUNSET というアルバム。

新譜だった。

   
   Van Morrison Avalon Sunset

 

…映画を観たあと、京橋のスターバックスでナレーションの手直し。

 ナレーション録りに立ち合い本日の仕事は終了。

帰宅後、クルミ味噌を塗った焼きおにぎりで夕食。

なでしこジャパンが中国に敗れた。

リオ五輪が絶望になる。

原因はモチベーション低下か、内部確執か。

内田樹先生の言葉じゃないが負ける理由は山ほどある。

油断すると負ける。
考えすぎても負ける。
考えが浅くても負ける。

 

体調はイマイチだったが気合いで9時半から筋トレ。

動かしたら体調は戻る。